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税務調査の事前通知が来たらどうする?対応手順と準備のポイントを税理士が解説

税務

「税務署から突然電話があり、税務調査に来るという連絡が来た」「何を準備すればいいかわからず、まず誰に相談すべきかもわからない」——事前通知を受けた直後は誰でも焦ります。しかし、通知から調査当日までの1〜2週間の使い方が、調査の結果を大きく左右します。

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税務調査の事前通知とは何か——通知の根拠と「通知なしで来る場合」との違い

事前通知の法的根拠と内容

税務調査の事前通知は、国税通則法第74条の9に基づく手続きです。任意調査を行う前に、税務署は原則として以下の情報を納税者に通知する義務があります。

通知される内容 具体例
調査の開始日時 「〇月〇日(月)午前10時から」
調査の場所 「御社の会社所在地」
調査の目的・内容 「法人税、消費税等の申告内容の確認」
調査対象となる税目 「法人税・消費税・源泉所得税」
調査対象となる期間 「令和〇年〇月期〜令和〇年〇月期(3期分)」
調査担当者の氏名・所属 「○○税務署 調査部 ○○」

通知は通常、電話で行われます。書面での通知を求めることもできますが、実務的には電話通知のみで進むケースが多いです。

事前通知なしの調査もある

ただし、以下のような場合は事前通知なしで調査が行われる場合があります。

  • 証拠隠滅のおそれがあると認められる場合
  • 事前通知により正確な申告内容の把握が困難になる場合

これらは例外的なケースであり、通常の中小企業・個人事業主への調査では事前通知があるのが原則です。

通知を受けた直後の24時間が重要——最初にすべき3つのアクション

Step 1:すぐに顧問税理士に連絡する

事前通知を受けたら、最初にすべきことは顧問税理士への連絡です。これは当日の立会だけでなく、事前準備の段階から税理士のサポートを受けるためです。

税理士への連絡内容

  • 調査の対象税目と対象期間
  • 提示された調査日程の候補
  • 税務署の担当者名と連絡先

税理士なしで日程調整まで進めてしまうと、十分な準備期間を確保できない可能性があります。まず顧問税理士に連絡し、スケジュール調整の方針を相談してください。

Step 2:日程の調整をする

事前通知を受けたからといって、提示された日程をそのまま承諾する必要はありません。業務上の都合や準備期間の確保のために、日程変更を申し出ることは認められています。

ただし、不当な先延ばしや何度もの日程変更は調査への非協力と判断されるリスクがあります。通常は1〜2週間の準備期間を確保することを目指してください。

日程調整の際に考慮すること

  • 顧問税理士のスケジュール(同席が必要)
  • 決算・月次処理などの繁忙期との兼ね合い
  • 調査対象年度の帳簿整理に必要な時間

リーパル会計事務所には元国税局OBが在籍しており、「リーパル税務調査119番」として事前通知から修正申告までを支援しています。税務調査は「受けてから慌てる」のではなく、「日常から逆算して備える」ものです。専門家への相談は費用ではなく、追徴課税・加算税というより大きなコストを未然に防ぐ投資となります。

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調査当日までの1〜2週間で何をするか——書類整備から想定問答の準備まで

対象年度の申告内容の再確認

調査対象とされた年度の申告内容を、顧問税理士とともに改めて確認します。以下の観点でセルフチェックを行ってください。

  • 売上の計上漏れ・期ずれがないか
  • 経費の業務目的が説明できるか(交際費・外注費・旅費等)
  • 役員報酬の変更履歴と議事録の整合性
  • 消費税の課税区分の誤りがないか
  • 源泉所得税の徴収漏れがないか

書類の整理と準備

調査当日に提示できるよう、以下の書類を整理しておきます。

書類の種類 具体的な内容
帳簿関係 総勘定元帳・現金出納帳・売掛帳・買掛帳
申告書 対象年度の法人税申告書・消費税申告書・決算書
通帳・取引明細 全銀行口座の通帳または取引明細
売上関連 請求書(控え)・領収書・契約書
経費関連 領収書・レシート(年度別・科目別に整理)
給与関連 給与台帳・源泉徴収簿・賃金台帳
固定資産 固定資産台帳・購入契約書
会議体関連 株主総会・取締役会の議事録

書類は年度別・科目別に整理し、すぐに取り出せる状態にしておくことが重要です。整理されていない書類の山を前に説明しようとすると、調査官に「管理が杜撰な会社」という印象を与えます。

取引ごとの説明準備

調査官が重点的に確認する科目(交際費・外注費・役員報酬等)については、主要な取引ごとに「何の目的で・誰との取引か」を説明できるよう準備します。

特に交際費については、相手方・日付・目的をまとめた「交際費明細一覧表」を準備しておくと、調査がスムーズに進みます。

事前通知後に自主修正すると加算税が下がる——修正申告を検討する判断基準

調査前の修正申告で加算税をゼロにする

事前通知を受けた後でも、実地調査が始まる前に自主的に修正申告を行えば、過少申告加算税の税率が5%に軽減されます(調査前の自主申告は0%)。

補足すると、税務調査の「事前通知後・実地調査開始前」と「事前通知前(完全自主)」では加算税率が異なります。事前通知前に自主的に修正申告すれば過少申告加算税は課されません(0%)。事前通知後・実地調査前であれば5%、実地調査開始後は10%(一定額超は15%)が原則となります。

もし事前通知の受け取り前から申告の誤りに気づいていた場合は、今すぐ修正申告を行うことで、加算税をゼロにすることができます。

事前準備で申告内容を再確認する中で「これは申告が正しくなかったかもしれない」と気づいた事項がある場合は、顧問税理士と相談し、調査開始前の修正申告を検討してください。

調査当日の準備

調査当日の会場設定

実地調査は通常、会社の会議室で行われます。以下の点を事前に確認してください。

  • 調査官(通常2〜3名)が座れるスペースの確保
  • コピー機の準備(資料提示・複写のため)
  • お茶・飲料水の準備(任意ですが、一般的なマナーとして)
  • 顧問税理士の同席スペースの確保

調査に立ち会うスタッフの確認

調査当日に誰が対応するかを事前に明確にします。一般的な構成は以下の通りです。

役割 担当者
対応の主体 社長または経理責任者
税務判断への対応 顧問税理士
書類の提示・コピー 経理担当者

調査官に答える内容について事前に社内で統一しておくことが重要です。社長と経理担当者の説明が食い違うと、調査官に不信感を与えます。

「事前通知が来てしまった」「修正申告に応じるべきか分からない」など、調査が動き出してからの判断は時間との勝負です。リーパル会計事務所では元国税局OB協働の調査立会・スポット支援も承っています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 事前通知の電話で何を記録しておけばよいですか?

調査の対象税目・対象年度・調査日時の候補・担当者の氏名と所属・連絡先電話番号を記録してください。可能であれば電話を受けた日時も記録しておくと、後の確認に役立ちます。

Q2. 顧問税理士がいない場合、調査前に税理士を探せますか?

可能です。事前通知を受けた後に顧問税理士を依頼することは認められています。ただし、初めての税理士が事前準備から関与できる時間的余裕を確保することが重要です。リーパル会計事務所では調査立会のみのスポット対応も承っています。

Q3. 税務調査は1回で終わりますか?複数回来ることはありますか?

1〜2日で終わることが多いですが、複雑な取引や指摘事項が多い場合は複数回に分けて調査が行われることがあります。調査終了後も「反面調査」(取引先への確認)が行われる場合があります。

Q4. 調査対象外の年度の書類を提示するよう求められたら?

任意調査では、通知された対象年度の書類のみ提示する義務があります。対象外の年度を見せるかどうかは状況次第ですが、顧問税理士に相談してから判断してください。

Q5. 税務調査が長引いた場合、業務への影響はどう最小化できますか?

業務への影響を最小化するには、事前に書類を整理しておくことが最善策です。書類が整っていれば調査は短時間で終わります。「いつでも見せられる状態」を維持することが、最も効率的な調査対策です。

まとめ:事前通知後の行動が調査の結果を左右する

税務調査の事前通知を受けたときの対応フロー

  1. すぐに顧問税理士に連絡する
  2. 税理士のスケジュールを確認し、調査日程を調整する
  3. 対象年度の申告内容を顧問税理士とともに再確認する
  4. 帳簿・領収書・契約書等を年度別・科目別に整理する
  5. 申告の誤りに気づいた場合は、調査前に修正申告を検討する
  6. 調査当日の体制(場所・スタッフ・役割分担)を整える

事前通知から調査当日までの1〜2週間を有効に使えた法人は、調査が短時間で終わります。逆に、その期間を何もせずに過ごした法人は、調査当日に説明できない書類が山積みになります。通知を受けた瞬間が、準備を始める最善のタイミングです。

リーパル会計事務所では、元国税局OB在籍の「リーパル税務調査119番」として、事前通知を受けた段階からの書類整理・申告内容の再確認・当日立会まで一貫してサポートしています。

通知を受けた段階で速やかに準備を開始してしまえば、当日に「説明できない書類が出てくる」という状態を避け続けない理由はほとんどありません。判断に迷う場合はリーパル会計事務所までご相談ください。

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参考資料

監修者: 鳥羽 卓朗(公認会計士・税理士)
リーパル会計事務所 代表。PwCあらた有限責任監査法人出身。1,100社以上の関与実績を持ち、税務調査対応・修正申告・元国税局OB協働を専門とする。

最終更新日: 2026年5月2日

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