「会社を作ったら、顧問税理士をつけたほうがいいのだろうか?」
「年に一回の決算だけ頼むのと、顧問契約を結ぶのでは何が違うの?」
事業を始めたばかりの経営者様や、売上が伸びてきた個人事業主様にとって、「税理士との付き合い方」は悩みの種の一つです。
毎月決して安くはない顧問料が発生するため、契約に二の足を踏んでしまう方も多いでしょう。
しかし、多くの成功している企業が顧問税理士をつけているのには、明確な理由があります。
この記事では、顧問税理士の役割や具体的な業務内容、そして「スポット契約」との違いについて、経営者視点でわかりやすく解説します。
顧問税理士とは?「スポット契約」との決定的な違い
まず、「顧問税理士」とはどのような契約形態を指すのか、決算の時だけ依頼する「スポット契約」との違いと比較して解説します。
顧問税理士=経営のパートナーとして継続的にサポートする契約
顧問税理士とは、会社や個人事業主と「顧問契約」を結び、継続的に税務・会計・経営のサポートを行う税理士のことです。
イメージとしては、社外に「経理部長」や「財務担当役員(CFO)」を持つようなものです。
年に一度、書類を渡して終わりではなく、毎月(あるいは数ヶ月に一度)定期的に数字をチェックし、「今の経営状態はどうなっているか」「来年の税金はいくらになりそうか」といった「未来の話」を共有できるのが最大の特徴です。
決算だけ依頼する「スポット契約」との違い
一方、確定申告や決算の時期だけ単発で依頼することを「スポット契約(年一契約)」と呼びます。
- スポット契約:
「過去1年間の数字」を集計し、申告書を作るだけ。費用は安いが、期中の節税対策は一切できず、事後処理になります。 - 顧問契約:
期中から常に数字を共有するため、「利益が出そうだから今のうちに節税対策をしよう」「資金繰りが厳しそうだから銀行に相談しよう」といった先回りの対策が可能です。
何をしてくれるの?顧問税理士の主な4つの業務内容
「毎月顧問料を払って、具体的に何をしてくれるの?」という疑問にお答えします。顧問税理士の業務は、単なる事務作業だけではありません。
1. 税務代理・税務書類の作成(申告・届出)
これは税理士の独占業務です。
法人税、所得税、消費税といった複雑な税金の計算を行い、申告書を作成して税務署へ提出します。
また、「青色申告の承認申請書」や「役員報酬の変更届」など、期限厳守の各種届出書も、会社の状況に合わせて漏れなく提出・管理してくれます。
2. 会計指導・記帳代行(日々の経理サポート)
日々の売上や経費を記録する「記帳(きちょう)」が正しく行われているかをチェックします。
自社で入力している場合は「勘定科目が合っているか」を監査し、丸投げ(記帳代行)の場合は領収書から会計ソフトへの入力を代行します。
「クラウド会計を導入して経理を楽にしたい」といった業務効率化のアドバイスも行います。
3. 節税対策・経営コンサルティング(未来の話)
顧問契約の醍醐味と言えるのがここです。
決算の3ヶ月前などに利益予測を行い、「このままだと税金が〇〇万円になります」とシミュレーションを出します。その上で、「倒産防止共済に加入しましょう」「設備投資を前倒ししましょう」といった、お金を残すための具体的な節税提案を行います。
4. 資金調達・融資のサポート(銀行対応)
事業拡大に欠かせない「銀行融資」のサポートも行います。
銀行は「適正な決算書」を好みます。顧問税理士がついていることで決算書の信頼性が上がり、融資審査が有利になるケースは多々あります。また、事業計画書の作成支援や、銀行担当者との面談に同席してくれる税理士もいます。
経営者が顧問税理士と契約する3つの大きなメリット
顧問料は「コスト(経費)」ではなく、会社を成長させるための「投資」です。顧問税理士をつけることで得られる3つのリターンをご紹介します。
メリット1:無駄な税金を防ぎ、会社にお金を残せる
税金のルールは複雑で、知らないと損をする制度がたくさんあります。
顧問税理士がいれば、使えるはずの「税額控除」や「特例」をフル活用し、合法的に納税額を最小限に抑えることができます。
「支払う顧問料以上に、節税額の方が大きかった」というケースは珍しくありません。
メリット2:経理の手間を削減し、本業に集中できる
経営者にとって最も貴重な資源は「時間」です。
慣れない経理作業や、難解な税制の勉強に毎月何十時間も費やすのは、経営効率の観点から見てマイナスです。
面倒な数字の管理をプロに任せることで、社長は「売上を作る」「商品を作る」という本業(コア業務)に専念できます。
メリット3:税務調査のリスクヘッジと精神的な安心感
事業を長く続けていると、数年に一度「税務調査」が入る可能性があります。
日頃から顧問税理士がきちんとした会計処理を行っていれば、調査で大きなミスを指摘されるリスクは激減します。
また、いざ調査が入った際も、税理士が社長の代わりに調査官と交渉してくれるため、精神的な負担が全く違います。「税務署が怖い」というストレスから解放されるのは大きなメリットです。
顧問契約を検討すべきタイミングはいつ?目安を解説
「まだ規模が小さいから早すぎるかも」と迷っている方へ、契約を検討すべき一般的なタイミングを解説します。
個人事業主の場合:売上1,000万円または消費税課税事業者になった時
個人事業主の場合、以下のいずれかに当てはまったら顧問契約の検討時期です。
- 年間売上が1,000万円を超えた時: 消費税の申告義務が発生し、税務処理が一気に複雑になるため。
- 従業員を雇った時: 給与計算や年末調整などの業務が発生するため。
- 法人化(法人成り)を考え始めた時: 最適なタイミングをシミュレーションするため。
法人の場合:会社設立と同時(または設立直後)
法人の場合は、設立と同時に顧問契約を結ぶことを強くおすすめします。
法人の決算申告は個人の確定申告とは比較にならないほど難解で、専門知識のない方が自力で行うのはほぼ不可能です。
また、設立直後は「創業融資」や「開業届」などやるべきことが山積みですので、最初からプロの手を借りてスタートダッシュを切るのが賢明です。
顧問税理士の費用相場はいくら?
顧問料は、売上規模や訪問頻度、依頼する業務範囲によって変動します。
個人事業主と法人の月額顧問料の目安
一般的な相場観は以下の通りです。
- 個人事業主: 月額 2万円 〜 3万円程度(決算料は別途)
- 法人: 月額 3万円 〜 5万円程度(決算料は別途)
※訪問頻度を減らしたり、オンライン面談にしたりすることで、上記より安く設定している事務所もあります。
「安さ」だけで選ばないほうが良い理由
ネット上には「月額9,800円〜」といった格安税理士も存在しますが、注意が必要です。
安すぎる契約の場合、サービス内容が「記帳代行のみ」に限られていたり、「相談料は別料金」「節税提案は一切なし」だったりすることがあります。
顧問料には「提案料」や「安心料」が含まれています。「安かろう悪かろう」で失敗しないよう、サービス内容をしっかり確認しましょう。
自社に合った顧問税理士を選ぶためのチェックポイント
最後に、長く付き合える良い税理士を選ぶためのポイントをお伝えします。
業界への理解があり、話しやすい相手か(相性)
税理士とは長い付き合いになります。実績や知識も大切ですが、何より「話しやすさ(相性)」が重要です。
専門用語ばかり使わず、社長目線でわかりやすく説明してくれるか。また、自社の業界(IT、飲食、建設など)の商習慣を理解しているかも確認しましょう。
「守り(記帳)」だけでなく「攻め(提案)」ができるか
毎月試算表を持ってきて「今月はこれだけ利益が出ました」と報告するだけの税理士は、「守り」の仕事しかしていません。
「この利益なら、今のうちにこういう手を打ちましょう」と、未来に向けた「攻め」の提案をしてくれる税理士こそ、顧問料を払う価値のあるパートナーと言えます。
まとめ:顧問税理士は「転ばぬ先の杖」。まずは無料相談へ
顧問税理士とは、単に税金の計算をするだけの人ではありません。
あなたの会社の数字を誰よりも深く理解し、資金繰りや節税、経営判断をサポートしてくれる「一番身近な経営パートナー」です。
「うちはまだ小さいから」と後回しにせず、会社を安定して成長させるための投資として、顧問契約を検討してみてはいかがでしょうか。
当事務所では、お客様の規模やご要望に合わせた柔軟なプランをご提案しています。まずは一度、無料相談にてお悩みをお聞かせください。