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経理の資格おすすめ7選【2026年】簿記・FASS・USCPAを比較

スキル・資格
経理の資格おすすめ7選【2026年】簿記・FASS・USCPAを比較

経理のキャリアを考えるなかで、「どの資格を取れば転職に役立つのか」「簿記の次は何を目指せばよいのか」と迷う方は多くいます。会計系の資格は数が多く、目的に合わないものを選ぶと、時間と費用が無駄になりかねません。

この記事では、経理の転職に役立つ資格を7つに整理し、公式に公表されている最新の合格率とあわせて比較します。そのうえで、目的や経験段階に応じた選び方を、会計実務の視点から解説します。

経理の資格は「目的から逆算」して選ぶ

資格選びで大切なのは、「何のために取るのか」を先に決めることです。未経験から経理に入りたいのか、実務経験を積んで年収を上げたいのか、グローバルや経営管理を目指すのかによって、有利な資格は変わります。やみくもに数を集めるより、目指す方向に合った資格を選ぶことが、転職で活きる近道です。

経理の転職に役立つ資格おすすめ7選

代表的な7つの資格を、内容と向いている目的とあわせて整理します。

資格 内容 向いている目的
日商簿記3級 基本的な商業簿記 未経験から経理を目指す
日商簿記2級 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む) 実務レベルの知識を示す
日商簿記1級 商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算 専門性・連結など上位を狙う
FASS検定 経理・財務の実務スキル測定 実務での再現性を示す
USCPA(米国公認会計士) 米国会計基準・英文会計 グローバル・外資を志向
税理士科目(簿記論・財務諸表論) 会計の専門知識を深掘り 専門性・税務系へ広げる
MOS(Excel) 表計算ソフトの操作スキル 実務効率・PCスキルの証明

日商簿記(3級・2級・1級)

経理資格の王道で、まず押さえたいのが日商簿記です。日商簿記は商工会議所が主催する検定で、商工会議所の検定試験の公式案内では、3級が「基本的な商業簿記」、2級が「高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)」と位置づけられています。

2級・3級には、年2回の統一試験(ペーパー方式)と、随時受験できるネット試験(CBT方式)があります。公表されている最新の合格率は次のとおりです。

試験・級 施行 受験者数 合格者数 合格率
統一試験 3級(第173回) 2026年6月14日 14,359名 4,854名 33.8%
統一試験 2級(第173回) 2026年6月14日 4,821名 728名 15.1%
統一試験 1級(第171回) 2025年11月16日 10,524名 1,604名 15.2%
ネット試験 3級 2025年4月〜12月 189,369名 77,190名 40.8%
ネット試験 2級 2025年4月〜12月 96,346名 33,348名 34.6%

(出典:商工会議所の検定試験 受験者データ、ネット試験受験者データ。2026年7月時点で公表されている最新値です)

注目したいのは、2級で統一試験(15.1%)とネット試験(34.6%)の合格率に差が出ている点です。回ごとの難易度や受験者層の違いなど複数の要因が考えられるため、単純に「ネット試験が易しい」と断定はできません。ただし、統一試験は回によって合格率が大きく振れる傾向があるため、受験計画を立てる際は、随時受験できるネット試験も選択肢に入れておくと、学習が仕上がったタイミングで受けやすくなります。

1級は合格率15.2%と難度が高く、取得までに相応の学習時間を要します。簿記が転職で有利になる理由と級ごとの評価は簿記は転職に有利?経理転職で評価される級と活かし方、2級の実務評価は簿記2級は転職でどれくらい有利?で詳しく解説しています。

FASS検定

FASS検定(経理・財務スキル検定)は、経済産業省が開発した「経理・財務サービス・スキルスタンダード」をベースに、資産・決算・税務・資金の4分野の実務スキルを測る試験です。日本CFO協会が運営しています。

最大の特徴は、合否ではなくA〜Eの5段階のスコアで評価される点です。「落ちる試験」ではないため、いまの実務レベルを客観的に把握する物差しとして使いやすく、職務経歴書でスキルの再現性を示したい方に向いています。簿記が会計知識を測るのに対し、FASSは実務プロセスの習熟度を測るという違いがあります。

USCPA(米国公認会計士)

USCPAは米国の各州が認定する会計士資格で、米国会計基準や英文会計の知識を示せます。外資系やグローバル企業、経営管理を志向する方に向いていますが、英語での学習が前提となり、取得までに相応の時間と費用がかかるため、目指すキャリアと照らして検討することが大切です。国内中心の一般経理であれば、まず簿記2級と実務経験を優先したほうが効率的なケースもあります。

税理士科目(簿記論・財務諸表論)

税理士試験のうち簿記論・財務諸表論などの科目合格は、会計の専門知識の深さを示せます。科目合格制で1科目ずつ積み上げられるため、働きながら長期で取り組みやすい点も特徴です。専門性を高めたい方や、将来的に税務系へ活躍の場を広げたい方の選択肢になります。

MOS(Excel)

経理はExcelを多用する職種です。MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)などで表計算スキルを証明できると、実務効率の高さをアピールできます。関数やピボットテーブルの活用は、実務で重宝されます。

なお、かつて国際会計の資格として知られたBATIC(国際会計検定)は、2022年度の第44回試験をもって終了しており、新たに取得することはできません(東京商工会議所検定サイト。2026年7月時点)。国際会計の学習を目的とする場合は、USCPAなど現在も実施されている資格を検討するとよいでしょう。

目的・段階別のおすすめ

未経験から経理を目指すなら、まず日商簿記3級・2級が出発点です。3級のネット試験は合格率40.8%と、独学からでも十分に狙える水準です。並行してExcelスキル(MOS)を高めると、実務での即戦力性を示しやすくなります。

実務経験を積んでキャリアアップを狙うなら、簿記1級やFASS検定で専門性・実務力を示すのが有効です。すでに簿記2級と数年の実務があるなら、次の一手は「1級で会計知識を深める」か「FASSで実務スキルを可視化する」かの選択になります。決算・連結など上位業務に進みたいなら1級、いまの実務の評価を求人に伝えたいならFASSが向いています。どの方向に進むかは経理のキャリアパス完全ガイドで整理できます。

グローバルや経営管理を志向するなら、USCPAや英語力が選択肢になります。資格だけでなく、実務スキル全般の伸ばし方は経理に必要なスキル7分野一覧もあわせてご覧ください。

資格取得で失敗しないための注意点

資格は転職に役立つ一方で、選び方や取り組み方を誤ると、時間や費用が思うように活きないこともあります。次の点に注意しましょう。

ひとつ目は、資格を集めること自体が目的にならないようにすることです。経理の採用で最も重視されるのは、担当できる会計範囲や実務経験です。資格はあくまで土台や補強であり、実務とセットで語れて初めて評価につながります。資格の有無だけで年収が決まるわけではない点は、経理の年収は平均512万円|年代・規模別の相場と上げ方でも触れています。

ふたつ目は、目指すキャリアと資格を一致させることです。たとえば国内中心の一般経理を目指す人が、いきなり負担の大きいUSCPAに取り組むより、簿記2級と実務経験を優先したほうが効率的なケースがあります。逆に、グローバルや経営管理を志向するなら、英語や高度資格への投資が活きてきます。

みっつ目は、費用と学習時間のバランスです。資格によって必要な学習量や受験費用は大きく異なります。働きながら取得を目指す場合は、無理のない範囲で計画を立て、繁忙期を避けて受験時期を調整すると両立しやすくなります。随時受験できるネット試験は、この点で調整の自由度が高い方式です。資格取得を「手段」と捉え、転職やキャリアの目的から逆算する姿勢が、遠回りを避けるポイントです。

まとめ

経理の資格は、目的に合わせて選ぶことで転職に活きます。次のポイントを意識してみてください。

  • 「何のために取るのか」を先に決めてから資格を選ぶ
  • 未経験は簿記3級・2級+Excel(MOS)から。3級ネット試験の合格率は40.8%
  • 簿記2級は統一試験15.1%・ネット試験34.6%。受験方式を選べる点を活かす
  • キャリアアップは簿記1級(合格率15.2%)かFASSで専門性・実務力を示す
  • グローバル・経営管理志向ならUSCPA・英語力。BATICは終了済みのため対象外

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よくある質問

Q. 記事の合格率はいつ時点のデータですか?
A. 2026年7月時点で商工会議所が公表している最新値です。統一試験は3級・2級が第173回(2026年6月14日施行)、1級が第171回(2025年11月16日施行)、ネット試験は2025年4月〜12月の集計です。合格率は回によって変動するため、受験前に商工会議所の受験者データで最新値をご確認ください。

Q. 簿記2級は統一試験とネット試験のどちらを受けるべきですか?
A. どちらの合格も履歴書上の扱いは同じです。統一試験は年2回で日程が固定されるのに対し、ネット試験は随時受験できるため、学習が仕上がったタイミングで受けやすい利点があります。繁忙期を避けて受験計画を立てたい方には、ネット試験が調整しやすい選択肢です。

Q. 経理の転職で、簿記以外に取るべき資格はありますか?
A. 目的によります。実務スキルを示すならFASS検定、グローバル志向ならUSCPA、専門性を深めるなら税理士科目(簿記論・財務諸表論)が選択肢です。Excelスキルを示すMOSも実務で評価されます。まずは簿記を土台に、目指す方向に合わせて追加するのがおすすめです。

Q. 未経験から経理に転職するなら、どの資格から始めるべきですか?
A. 日商簿記3級から始めるのが一般的です。ネット試験の合格率は40.8%で、独学からでも狙える水準です。基礎を身につけたら2級に進むと、応募できる求人の幅が広がる傾向があります。並行してExcelスキルを高めておくと、実務での即戦力性を示しやすくなります。

Q. USCPAは経理の転職に有利ですか?
A. 外資系やグローバル企業、経営管理を志向する場合には強みになります。一方、英語での学習が前提で取得の負担も大きいため、目指すキャリアと照らして検討することが大切です。国内中心の一般経理であれば、簿記2級+実務経験のほうが優先度が高いケースもあります。

この記事は、公認会計士・税理士の鳥羽卓朗、およびキャリアアドバイザーの鳥羽友利絵が監修しています。
最終更新日: 2026年7月28日

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