「2024年の定額減税の処理を振り返りたい経理担当者の方」「2024年に実施された定額減税の月次減税フロー・年末調整精算が、2026年も必要なのか確認したい人事ご担当の方」——本記事は2024年に実施された定額減税の月次減税の実務手順・年末調整での最終精算・人事システム対応をまとめた実務リファレンスです。結論から言うと、定額減税は2024年(令和6年分)限りの措置で、2025年以降、新たな定額減税は行われていません。
リーパル会計事務所の1,100社以上の関与実績にもとづく給与実務の経験から、月次減税・年末調整・調整給付の3段階で「絶対に抜けてはいけない論点」を、家族構成別の早見表とソフト設定ポイントとあわせて解説します。
定額減税(2024年実施分)の確定情報(実務の出発点)
制度の目的
物価上昇への経済対策として、2024年6月から定額減税(=対象者1人あたり所得税3万円・住民税1万円の特別税額控除)が実施されました。本記事は2024年(令和6年)に実施された定額減税の実務記録としてお読みください。2026年以降の給与計算・源泉徴収に実際に影響するのは、令和7年度・令和8年度の改正による基礎控除・給与所得控除の引上げ(給与収入だけの人の所得税の非課税ラインが、令和6年分以前の103万円から令和7年分は160万円、令和8年分は178万円へ拡大。令和8年分の引上げは令和8年12月1日施行で、12月の年末調整でまとめて精算)と扶養・配偶者控除の所得要件見直しです。定額減税は令和6年(2024年)限りの措置であり、2025年に同じ枠組みでの定額減税は実施されていません。令和7年度税制改正では、定額減税の継続ではなく基礎控除・給与所得控除の恒久的な引上げが措置されました。
減税の仕組み
- 所得税: 毎月の源泉徴収(=給与から会社が天引きして納税する仕組み)税額から月次で控除(余りは年末調整で精算)
- 住民税: 2024年6月以降の給与から控除
扶養家族3人の場合は何月までで控除完了?月次減税の早見表
対象者と控除額(2024年実施分)
| 対象者 | 控除額(所得税+住民税) |
|---|---|
| 本人 | 3万円+1万円 |
| 扶養配偶者(所得48万円以下) | 3万円+1万円 |
| 扶養親族(16歳以上・所得48万円以下) | 3万円+1万円 |
| 扶養親族(16歳未満・扶養控除不適用) | 3万円+1万円 |
控除完了月の早見表(月次源泉徴収税額2万円のケース)
| 家族構成 | 所得税減税額 | 完了月 |
|---|---|---|
| 独身(本人のみ) | 3万円 | 6月〜7月で完了 |
| 配偶者+本人 | 6万円 | 6月〜8月で完了 |
| 配偶者+子1人+本人 | 9万円 | 6月〜10月で完了 |
| 配偶者+子2人+本人 | 12万円 | 6月〜11月で完了 |
家族構成によって控除完了月が異なるため、給与計算ソフトの設定確認は人ごとに必要です。
対象外となる者
- 合計所得金額が1,805万円超(給与収入換算で約2,000万円超)の高所得者
- 非居住者
2026年の取り扱い:定額減税は実施されない
「2026年もこのまま続くのか」という点は、結論が出ています。定額減税は2024年に実施された一度限りの措置(令和6年分の所得税などが対象)で、2025年以降、新たな定額減税は行われていません。2026年の給与計算で、月次減税の設定や累計管理を新たに行う必要はありません。
2026年に給与担当者が対応するのは、令和8年度税制改正による基礎控除(合計所得金額489万円以下で104万円)と給与所得控除の最低保障額(74万円)の引上げ、扶養親族等の所得要件(合計所得金額62万円以下・給与収入だけなら136万円以下)への見直しです。これらは令和8年12月1日に施行され、毎月の源泉徴収は改正前の税額表のまま、令和8年12月の年末調整でまとめて精算します。
給与計算での実務対応
月次減税の処理フロー
- 年初(または入社時)に「扶養控除等申告書」から減税対象人数を確認
- 本人+扶養親族の人数 × 3万円(所得税分)を計算
- 毎月の源泉徴収税額から控除(ゼロになったら翌月以降も控除なし)
- 控除しきれなかった分は年末調整で精算
具体的な計算例
例:本人+扶養配偶者1名+子1名の場合
所得税分の減税額:3万円 × 3人 = 9万円
毎月の源泉徴収税額が2万円の場合:
- 2024年6〜9月:毎月2万円控除 → 4か月で8万円控除
- 10月:残り1万円を控除 → 以降は通常どおりの源泉徴収に戻る
給与明細への記載
減税控除後の手取り額が変わるため、給与明細に「定額減税控除額」として表示することが推奨されます(従業員が混乱しないよう透明性を確保)。
税制改正は施行タイミング・経過措置・実務インパクトの3点で読み解く必要があります。専門家への相談で対応漏れを防げます。リーパル会計事務所では1,100社以上の関与実績をもとに、給与計算ソフトの設定確認と月次フローの整備を支援しています。
年末調整での最終精算
年末調整での確認事項
- 月次で控除できた合計額の確認
- 年間の合計控除額と実際の税額との差異の精算
- 産前産後休業・育児休業取得者など、途中で収入が変動した従業員への対応
給付措置(調整給付)
減税しきれなかった金額(所得税が低すぎて3万円全額控除できなかった場合)は、市区町村から「調整給付」として給付されます。給与担当者は市区町村からの案内に従って対応します。
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人事・給与システムへの対応
クラウド給与ソフトの対応確認
freee人事労務・マネーフォワード給与・SmartHRなど主要なクラウド給与ソフトは、定額減税に対応したアップデートを提供しています。定額減税は2024年分で終わっているため、2026年の給与計算で定額減税の設定を見直す必要はありません。
手動計算の場合の注意点
給与ソフトを使わず手動計算している場合、毎月の控除額・累計控除額の管理表を作成し、誤りがないように管理することが重要です。
自社の給与計算ソフトが令和8年分の年末調整(基礎控除・給与所得控除の引上げ)に対応しているか不安な場合は、リーパル会計事務所の無料相談で具体的に検討できます。従業員数・使用ソフト・現在の年末調整の運用をお伝えいただければ、ソフト設定の確認ポイントをお示しします。
よくある質問
Q1. 途中入社した従業員の定額減税はどう計算しますか?
A. 2024年の月次減税は、2024年6月1日に在職していた従業員が対象でした。6月2日以後に入社した従業員は月次減税を行わず、年末調整で精算しました(前職の源泉徴収票で減税の適用状況を確認)。
Q2. 産休・育休中の従業員も定額減税の対象ですか?
A. 対象です。休業中は課税収入がないため月次控除はできませんが、年末調整または翌年の確定申告で控除または給付を受けられます。
Q3. 定額減税の控除が年内に完了しない場合はどうなりますか?
A. 年末調整で残りの控除を行います。それでも控除しきれない場合は、市区町村から調整給付が行われます。
Q4. 扶養親族の人数が年途中で変わった場合はどうしますか?
A. 扶養控除等申告書の変更に応じて、月次減税額を修正します。年末調整で最終的な精算を行います。
Q5. 定額減税は会社の経費になりますか?
A. 定額減税は従業員の税額控除であり、会社の費用(損金)ではありません。税引前利益・法人税には直接影響しません。
Q6. 2026年も同じやり方で大丈夫ですか?
A. 定額減税は2024年(令和6年分)限りの措置で、2025年以降、新たな定額減税は行われていません。2026年の給与計算で対応が必要なのは、令和8年度税制改正による基礎控除・給与所得控除の引上げで、令和8年12月の年末調整でまとめて精算します。
まとめ:定額減税は2024年で終了、2026年は年末調整の改正対応を
2024年の定額減税は、月次の源泉徴収・年末調整の両段階で処理が必要な制度でした。定額減税は2024年(令和6年分)限りで、2025年以降、新たな定額減税は行われていません。2026年の給与計算で対応が必要なのは、令和8年度税制改正による基礎控除・給与所得控除の引上げで、令和8年12月の年末調整でまとめて精算します。クラウド給与ソフトを使えば、計算の自動化と誤りの防止が可能です。
年末調整の精算を誤ると、源泉徴収票の再発行や、従業員ごとの過不足のやり直しが発生します。リーパル会計事務所では1,100社以上の関与実績にもとづく給与実務の経験から、人事労務ソフトの設定確認から年末調整での精算までを伴走で支援しています。令和8年分の年末調整に向けた設定の確認は、12月の給与計算の前にお声がけください。
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参考資料
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参考リンク: 国税庁「定額減税について」
監修者: 鳥羽 卓朗(公認会計士・税理士)
リーパル会計事務所 代表。PwCあらた有限責任監査法人出身。1,100社以上の関与実績を持ち、定額減税の月次フロー設計・年末調整精算・人事労務ソフト(freee人事労務/マネーフォワード給与/SmartHR)の設定確認を専門とする。
最終更新日: 2026年10月15日
リーパル会計事務所では、1,100社以上の関与実績をもとに、年末調整での精算・人事労務システムの設定確認をワンストップで支援しています。freee・マネーフォワードクラウド両対応の認定アドバイザーとして、給与計算ソフトの設定確認から年末調整まで給与実務を伴走します。