「freeeの経費精算を使い始めたが、設定方法がわからない」「承認フローを会社のルールに合わせたい」という経理担当者・管理部門の方に向けて、freee経費精算の設定を体系的に解説します。
設定が不十分なまま運用を始めると、勘定科目のミスや承認漏れが発生しやすくなります。本記事では、申請フロー・費目の設定・承認ルール・電子帳簿保存法(=帳簿・書類を電子データで保存することを定めた法律)への対応まで、実務で必要な設定を順を追って説明します。
設定の全体像と準備
freee経費精算の設定は大きく4つの領域に分かれます。
| 設定領域 | 内容 |
|---|---|
| 費目・勘定科目 | どの費目をどの勘定科目・税区分に紐づけるか |
| 申請フォーム | 従業員が入力するフォームの項目設定 |
| 承認ルール | 承認者・段階数・金額条件の設定 |
| 精算サイクル | 締め日・支払日・振込データの出力方法 |
設定を始める前に、自社の経費精算規程(就業規則・経費規程)を手元に準備しておくことをおすすめします。規程に合わせた設定をすることで、運用ルールとシステム設定が一致します。
迷わない!費目と勘定科目の設定を3ステップで終える
費目の設定
freeeの「設定」→「経費精算の設定」→「費目」から費目の一覧を確認・編集できます。
標準で設定されている主な費目:
- 交通費
- 宿泊費
- 出張費
- 接待交際費
- 消耗品費
- 通信費
- 新聞・書籍費
業種・会社の経費規程に合わせて費目を追加・変更します。たとえば、医療機関では「医薬品費」「医療材料費」を、IT企業では「クラウドサービス費」「開発ツール費」を追加するケースがあります。
費目と勘定科目のマッピング
各費目に対して、会計上の勘定科目と消費税区分(税率)を設定します。
| 費目 | 推奨勘定科目 | 消費税区分の注意点 |
|---|---|---|
| 交通費(電車・バス) | 旅費交通費 | 電車・バス代は非課税仕入 |
| タクシー代 | 旅費交通費 | 課税仕入10% |
| 宿泊費 | 旅費交通費 | 課税仕入10% |
| 接待飲食費 | 交際費 | 課税仕入10%(人数・目的も記録) |
| 海外出張費 | 旅費交通費 | 不課税(国際旅客運賃等) |
| 新聞・書籍 | 新聞図書費 | 課税仕入10%(電子版は税率要確認) |
消費税区分の設定ミスは消費税申告の誤りに直結します。費目ごとに正しい税区分を設定し、従業員が費目を選ぶだけで正しい税区分が自動的に設定されるようにしておくことが重要です。
freeeの経費精算の費目・勘定科目マッピングの設定に迷う場合は、リーパル会計事務所が業種別の標準設定をもとにサポートします。
迷わない!申請フォームの設定を3ステップで終える
入力項目のカスタマイズ
「設定」→「経費精算の設定」→「申請フォーム」から、従業員が申請時に入力する項目を設定できます。
基本的な設定項目
- 申請日・支払日
- 費目
- 金額・税率
- 支払方法(現金立替・法人カード・ICカード)
- 摘要(何の経費か)
- 領収書画像のアップロード(必須にすることを推奨)
接待交際費には追加項目を必須設定する
接待交際費については、法人税法上の損金算入要件(接待飲食費は50%損金算入)への対応として、以下を必須入力に設定することを強く推奨します。(なお、この50%損金算入は消費税ではなく法人税の交際費課税の特例です。また令和6年4月1日以後は1人あたり10,000円以下の飲食費が交際費から除外され全額損金算入できます。)
- 参加人数(接待側+取引先側の合計人数)
- 参加者の所属・名前
- 目的(商談・懇親会・接待など)
- 会食の場所・店名
これらの記録は税務調査でも確認される項目です。freeeの申請フォームに組み込んでおくことで、申請時点で記録が残ります。
出張申請との連携
出張を伴う費用の場合は「出張申請」機能を使うことで、出発前の承認を経てから費用精算を行う2段階の管理ができます。出張費の事前精算・仮払いが多い企業では特に有効な設定です。
承認ルールの設定を3ステップで終える
承認ワークフローの設計
「設定」→「ワークフロー」→「経費申請の承認ルール」から承認フローを設定します。
| 設定パターン | 内容 |
|---|---|
| 直属上司のみ(1段階) | 少人数企業で最もシンプルな設定 |
| 上司+経理(2段階) | 経理チェックを経てから支払処理する場合 |
| 金額別分岐 | 3万円未満は上司のみ、3万円以上は役員も承認 |
| 部門別の承認者 | 営業部は営業マネージャー、開発部はCTOが承認 |
| 費目別の承認者 | 接待交際費のみ代表者が最終承認 |
会社の規模や組織構造に合わせて、現実的な承認フローを設計することが重要です。承認段階が多すぎると精算が遅くなり従業員の不満につながる一方、承認なしでは不正のリスクが高まります。
承認期限の設定
各承認段階に期限(何日以内に承認)を設定できます。期限を過ぎると承認者に通知が届く設定にすることで、精算の遅延を防止できます。
承認ルールの設定で複数段階の承認フロー設計に悩む場合は、リーパル会計事務所が実際の組織体制に合わせた設定をサポートします。
電子帳簿保存法(=帳簿・書類を電子データで保存することを定めた法律)への対応設定
2024年1月から電子取引データの電子保存が義務化されており、freeeで受け取ったデジタルの領収書・請求書は電子データで保存する必要があります。
電子保存の要件
電子帳簿保存法(=帳簿・書類を電子データで保存することを定めた法律)のスキャナ保存制度に対応するためには以下の要件を満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 解像度 | 200dpi以上(A4相当) |
| カラー | グレースケール(原則カラー) |
| タイムスタンプ | 原則として入力期限内にタイムスタンプ付与 |
| バージョン管理 | 訂正・削除の記録が残ること |
| 検索機能 | 取引日・取引先・金額で検索できること |
freeeはスキャナ保存制度に対応した領収書の保存機能を持っており、スマートフォンで撮影した画像をfreeeにアップロードすることで要件を満たすことができます(一定の運用ルールの設定が必要)。
電子帳簿保存法の対応については複雑な要件があるため、詳細は公認会計士・税理士に確認することを強くおすすめします。
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精算サイクルの設定と振込処理
締め日・支払日の設定
「設定」→「経費精算の設定」→「精算サイクル」から、締め日と支払日を設定します。
設定例
- 毎月末日締め・翌月25日払い
- 毎月15日締め・月末払い(2回締め)
締め日を過ぎた申請は翌月分として処理されます。従業員に締め日を周知して、期限内に申請が完了するよう運用ルールを整備してください。
振込データの出力
承認が完了した経費申請の立替分は「支払依頼」機能から振込データを出力します。
- 「経費精算」→「支払依頼」→「振込データを出力」
- 期間・支払日を指定して出力
- 全銀フォーマット(.txt)でダウンロード
- 銀行の法人インターネットバンキングから一括振込
複数の従業員への振込をまとめて処理できるため、月末の経理担当者の振込作業が月次工数を半分以下に効率化されます。
FAQ
Q. 経費精算機能を使うためにはどのプランが必要ですか?
A. freee会計のベーシック(スタンダード)プラン以上で経費精算機能が利用できます。スタータープランでは対応していないため、プランのアップグレードが必要な場合があります。
Q. 承認者を複数設定した場合、どちらかが承認すればよいですか?
A. 設定方法によって「全員の承認が必要」または「いずれか1名の承認で通過」を選べます。一般的には全員の承認が必要な設定にすることで、見落としを防げます。
Q. 複数の会社(グループ会社)でfreeeを使う場合はどう設定しますか?
A. freeeは会社ごとに別々の事業所を作成する形で管理します。グループ会社の場合は、それぞれ別のfreeeアカウントで管理するか、マルチ事業所管理ができる上位プランを検討してください。
Q. ICカード(Suica等)の精算はどう設定しますか?
A. freeeアプリのICカード読取機能を使うと、Suica・PASMOの残高記録からIC明細を取り込んで経費申請できます。ただし、定期区間内の交通費は経費として認められないため、定期区間外の利用分のみ申請するよう従業員に周知する必要があります。
Q. 設定した内容を後から変更できますか?
A. 費目・承認ルール・精算サイクルの設定はいつでも変更できます。ただし、変更前に既に進行中の申請については変更前のルールが適用されます。
リーパル会計事務所では、経費規程の改定から、freee経費精算の費目・承認フロー設計、電子帳簿保存法(電子取引・スキャナ保存)への対応まで、まとめてご支援しています。「いま運用しているフローを一度棚卸しして整え直したい」というご要望にも対応可能です。
まとめ
freeeの経費精算機能は、費目の整備・申請フォーム・承認ルール・振込処理を順番に設定することで、自社の経費規程に沿った運用に近づけられます。特に接待交際費の参加人数・目的を申請フォームの必須項目とする運用は、損金算入要件と50%ルールの管理を後付けで取り戻すよりも、はるかに低コストで実装できます。
リーパル会計事務所では、経費精算の規程と運用を一気通貫で整備するご支援を行っています。電子帳簿保存法対応や、法人カードと立替経費の二重計上防止ルールも含めて設計レビューが可能です。「規程はあるが運用が形骸化している」とお感じの管理部門・経理責任者の方は、初回無料相談からご相談ください。
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参考資料
- 国税庁 電子帳簿保存法の概要
- freee公式 経費精算の設定方法
結論:経費精算は「規程・フロー・税務」を一体で設計する
経費精算ツールの設定だけを進めても、社内規程や税務上の取り扱いと整合していないと、結局は手作業の例外運用が増えてしまいます。費目・承認ルート・電帳法対応・接待交際費の管理を同時に整備することが、ツール導入のROIを最大化する近道です。
リーパル会計事務所では、規程改定・運用ルール設計・freee設定・社内向け運用マニュアル作成までを一連で支援しています。「ツールは入れたが運用が回っていない」という法人様は、初回無料相談で現状フローからお聞かせください。
監修: 公認会計士・税理士 鳥羽卓朗(リーパル会計事務所 代表)
最終更新日: 2026年4月21日
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