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創業融資の面談で聞かれること|質問の型ごとの準備と持参する資料

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創業融資の面談で聞かれること|質問の型ごとの準備と持参する資料

日本政策金融公庫(日本公庫)の創業融資では、申込の後に担当者との面談があります。面談で何を聞かれるのかがわからないと、必要な資料を持たずに臨んだり、数字の根拠をその場で説明できなかったりします。

この記事では、日本公庫が公開している「お申込からご融資の流れ」と「創業計画書」の様式をもとに、面談がどの段階で行われるか、どんな型の質問に備えればよいか、何を手元にそろえておくかを整理します。審査の基準そのものは公開されていないため、ここでは公表資料から読み取れる範囲に限って説明します。

面談は申込の後、融資の判断の前に行われる

日本公庫の『お申込からご融資の流れ(創業予定の方)』によると、一般的な流れは次のとおりです。

  1. 相談(任意):申込の前に、オンラインや支店窓口で相談ができます(事前の予約が必要)。
  2. 申込:インターネット申込を利用します。申込窓口は、通常、法人で創業する場合は本店所在地、個人で創業する場合は創業予定地の近くの支店です。
  3. 面談:資金の使い道や事業計画などについて話を聞かれます。面談の際は、事業計画に関連する資料や資産・負債がわかる書類などを準備します。オンラインでの面談もあります。
  4. 現地の確認:店舗や事業所の予定地を訪ねてきます。
  5. 融資の判断:事業計画などをさまざまな角度から検討し、融資の判断がされます。
  6. 契約・送金:融資の決定後に契約の手続をし、完了後に融資金が口座へ送金されます。返済は原則として月賦払いです。

日本公庫の創業のQ&Aでは、申込から融資が決まるまでの期間は平均的には3週間程度で、融資の条件などによっては時間がかかる場合もあるとされています。設立の日程や設備の支払時期から逆算して、申込の時期を決めておきます。

申込のときに出す書類

インターネット申込で準備する書類として、日本公庫は次のようなものを挙げています(電子データで準備)。

  • 創業計画書
  • 設備資金を申し込む場合は見積書
  • 履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)
  • 担保を希望する場合は、不動産の登記簿謄本または登記事項証明書
  • 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートのいずれか(ページの指定あり)
  • 許認可証(飲食店など許可・届出等が必要な事業の場合)

このほか、生活衛生関係の事業や電子契約サービスを使う場合などに追加の書類があります。最新の一覧は日本公庫のページで確かめてください。

法人で申し込む場合と個人で申し込む場合

法人として申し込む場合、申込の書類に履歴事項全部証明書または登記簿謄本が含まれるため、会社の設立登記が済んでいることが前提になります。申込窓口も、通常は本店所在地の近くの支店です。個人事業として創業する場合は、創業予定地の近くの支店が窓口になります。法人にするか個人で始めるか、法人なら設立登記をいつにするかによって、申込と面談の時期が変わります。設立の日程と資金が必要になる時期を並べて、無理のない順番を組んでおきます。

面談で聞かれることは、創業計画書の項目に沿っている

日本公庫の『創業計画書』の様式には、「この書類は、ご面談にかかる時間を短縮するために利用させていただきます」と書かれています。つまり面談は、創業計画書に書いた内容を確かめ、足りないところを聞き取る場だと考えると準備がしやすくなります。様式の項目は次の10個です。

項目 記入する内容
1 創業の動機 どのような目的・動機から創業するか
2 経営者の略歴等 勤務先名だけでなく、担当業務や役職、身につけた技能等。過去の事業経験の有無、取得資格など
3 取扱商品・サービス 商品・サービスの内容と売上シェア、セールスポイント(自社の強み)、販売ターゲット・販売戦略(集客方法)、競合・市場など自社を取り巻く状況
4 従業員 創業に際して3か月以上継続雇用を予定している従業員数
5 取引先・取引関係等 取引先ごとのシェア、掛取引の割合、回収・支払の条件
6 関連企業 申込人や法人代表者、配偶者が経営している企業
7 お借入の状況 事業・住宅・車・教育・カードなどの借入先、残高、年間返済額
8 必要な資金と調達方法 設備資金・運転資金の内訳と見積先、自己資金や借入による調達
9 事業の見通し(月平均) 売上高・売上原価・経費と、それらを計算した根拠
10 自由記述欄 アピールポイント、事業を行ううえでの悩み、希望するアドバイス等

様式には、この書類に代えて自分で作成した計画書を出してもよいこと、経験や事業内容の詳細がわかる計画書など参考となる資料があれば併せて提出してほしいことも書かれています。

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質問の型ごとの答え方の準備

創業計画書の項目を、面談での質問の型として5つにまとめると、準備するものがはっきりします。下の質問例は、創業計画書の項目から想定したもので、実際の質問は担当者や事業によって変わります。

1. なぜこの事業か(動機・経験の型)

創業の動機と経営者の略歴に関する質問です。「なぜこの事業を始めるのか」「これまでの仕事で何を身につけたか」を、勤務先の名前だけでなく担当した業務や役職まで具体的に話せるようにしておきます。様式が略歴について「担当業務や役職、身につけた技能等についても記載」するよう求めているのは、この点を見るためです。

2. 誰に何を売るか(商品・取引先の型)

取扱商品・サービスと取引先に関する質問です。商品の特徴だけでなく、誰が買うのか、販売先や仕入先が決まっているか、代金をいつ回収しいつ支払うかを説明できるようにします。取引先が決まっている場合は、そのやり取りがわかる資料を手元に置きます。

3. いくら必要で、どう集めたか(資金の型)

必要な資金と調達方法に関する質問です。日本公庫の「創業の手引」は、設備資金について複数社から見積を取得し金額を吟味しているか、運転資金について事業が黒字化し資金繰りが安定化するまでの分を見積もっているかを、確認の観点として挙げています。見積書と、運転資金を何か月分としたかの計算を説明できるようにしておきます。

自己資金については、日本公庫の創業のQ&Aが「自己資金は重要な要素のひとつですが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要」としています。自己資金をどのように準備してきたかを、預金の記録などで示せるようにしておくと説明がしやすくなります。

4. その数字はどこから来たか(数字の根拠の型)

事業の見通しに関する質問です。創業計画書の様式は、売上高、売上原価(仕入高)、経費を計算した根拠を記入するよう求めています。客単価・客数・営業日数のように、どの数字を掛け合わせたのか、その数字を何から見積もったのかを、1つずつ答えられるようにしておきます。日本公庫のコラムは、銀行などの金融機関は事業で利益を出し返済ができるかという観点で事業計画書を見ると説明しています。毎月の利益から返済額を払えるかどうかも、数字で示せるようにしておきます。

5. 今の資産と借入れ(確認の型)

面談では、資産・負債がわかる書類の準備が求められています。創業計画書の「お借入の状況」には、事業だけでなく住宅・車・教育・カードなどの借入も書く欄があります。個人の借入れも含めて、残高と年間の返済額を正確に答えられるようにし、計画書の記載と食い違わないようにしておきます。

面談の前日までにそろえておくものの確認表

そろえるもの 何のためか
提出した創業計画書の控え 書いた内容と口頭の説明をそろえるため
設備の見積書(複数社分があればそれも) 必要な資金の内訳と金額を説明するため
売上・経費の計算メモ 事業の見通しの根拠を説明するため
資産・負債がわかる書類 自己資金の準備状況と、今の借入れを確かめるため
取引先とのやり取りがわかる資料 販売先・仕入先が決まっていることを示すため
経歴や資格がわかる資料 経営者の略歴を裏付けるため
許認可の取得状況がわかる書類 許可・届出が必要な事業で、開業できる状態かを示すため

何を持参するかは、申込後に担当者から案内があることもあります。案内があれば、それに合わせて準備します。

まとめ:計画書に書いたことを、資料で裏付けて話す

  • 面談は申込の後、現地の確認や融資の判断の前に行われます。申込から決定までは平均的には3週間程度とされています。
  • 創業計画書は面談の時間を短縮するために使われる書類なので、面談の質問は計画書の項目に沿って考えると準備しやすくなります。
  • 質問は「動機・経験」「商品・取引先」「資金」「数字の根拠」「資産と借入れ」の5つの型に分けて備えます。
  • 見積書、売上・経費の計算メモ、資産・負債がわかる書類など、説明の裏付けになる資料を手元にそろえます。

審査に向けた準備全般は創業融資の審査に通りやすくなる方法の記事、日本公庫の創業融資の制度は日本政策金融公庫の創業融資の記事で整理しています。

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よくある質問

Q. 面談はオンラインでも受けられますか?

A. 日本公庫の「お申込からご融資の流れ」には、オンラインでの面談も受け付けていると書かれています。申込の前の相談も、オンラインや支店窓口で事前予約により受け付けています。

Q. 創業計画書は日本公庫の様式でないといけませんか?

A. 様式には、この書類に代えて自分で作成した計画書を提出してもよいと書かれています。どちらの場合も、創業計画書の項目(動機、略歴、商品、取引先、資金、事業の見通しなど)に答えられる内容になっているかを確かめておきます。

Q. 自己資金が少ないと融資は受けられませんか?

A. 日本公庫の創業のQ&Aは、自己資金は重要な要素のひとつだが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要だとしています。自己資金の額だけで決まるものではないので、計画全体の説明を準備してください。

Q. 担保や保証人は必要ですか?

A. 日本公庫の創業のQ&Aでは、創業期の方(新たに事業を始める方や事業開始後税務申告を2期終えていない方)は、原則として無担保・無保証人で各種融資制度を利用できるとされています。利用する制度の条件は申込前に確かめてください。

この記事は公認会計士・税理士の鳥羽卓朗が監修しています。
最終更新日: 2026年10月18日

参考資料

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