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自分で会社を設立するには?費用や手続きの流れ、メリットデメリットまでプロが徹底解説!

会社設立
自分で会社を設立するには?費用や手続きの流れ、メリットデメリットまでプロが徹底解説!

会社を作る、と聞くと、かつては山のような書類を抱えて役所を奔走するイメージがありましたが、現在はデジタル化が飛躍的に進みました。結論からお伝えすると、会社設立の手続きは自分一人で完結させることが可能です。

しかし、単に書類が受理されることと、事業として成功する土台を作ることは全く別物です。本記事では、数多くの起業家を支援してきたプロの視点から、自分で会社を設立するための具体的な手順、リアルな費用、そして後悔しないための戦略的な注意点を徹底的に解説します。

会社設立の手続きは自分一人でもできる?

現在、法的には自分一人ですべての設立申請を行うことができます。とくに政府が推進する法人設立ワンストップサービスなどのオンライン基盤が整備されたことで、代表者本人がマイナンバーカードとICカードリーダライタ等の必要環境を用意すれば、自宅にいながら法務局への登記申請まで進められる環境が整っています。

以前のような「難解な専門知識がなければ門前払い」という状況ではなくなりつつありますが、注意点もあります。
システム上の入力は簡単になっても、そこに記載する事業目的や資本金額といった中身の判断までシステムが助けてくれるわけではないからです。自力での設立は事務作業としての難易度は下がっていますが、その分、経営者としての意思決定の質がより厳しく問われるようになっていると言えるでしょう。

会社設立にかかる費用の目安

会社を設立する際、まず直面するのが「一体いくら現金が必要なのか」という問題です。これには、国に支払う法定費用と、プロに依頼する場合の報酬の2種類があります。

株式会社・合同会社の法定費用一覧

会社を設立するために最低限必要な実費(法定費用)は、株式会社か合同会社かによって、また電子定款を利用するかどうかで大きく異なります。まずは以下の比較表をご覧ください。

費用項目 株式会社 合同会社
登録免許税 15万円
(または資本金の0.7%のいずれか高い方)
6万円
(または資本金の0.7%のいずれか高い方)
定款の認証手数料 資本金額によって変動
100万円未満:3万円
100万円〜300万円未満:4万円
300万円以上:5万円
不要(0円)
定款の印紙代 4万円 4万円
法定費用の合計 約20万〜25万円前後 約6万円〜10万円

この表にある定款の印紙代(4万円)は、紙の書類で定款を作成した場合にかかる費用です。PDFデータによる電子定款を作成すれば、この4万円をゼロに抑えることが可能です。

また、どちらの形態であっても、これら法定費用のほかに、印鑑作成費や各種証明書の取得費用として数千円から1万円程度の実費が別途かかる点を見込んでおきましょう。

初期費用を極力抑えてスモールスタートしたいという方には合同会社が選ばれる傾向にあり、社会的信用や将来の増資を見据える方は株式会社を選択するのが一般的です。

専門家に依頼した場合の代行報酬の相場

司法書士や税理士といった専門家に手続きを依頼する場合、先述した法定費用に加えて、5万円から10万円程度の代行報酬が発生するのが一般的です。

ただし、ここで注目すべきは実質0円で設立できる仕組みです。設立後の税務顧問契約をセットにすることで、設立手数料を事務所側が負担するプランを提供しているケースも少なくありません。
自分で電子定款の環境を整える手間や、4万円の印紙代を浮かせるメリットを考えると、最初からプロに任せた方がトータルコストも時間も節約できる場合があることは覚えておきましょう。

会社設立の手続きを進める5つのステップ

会社設立の流れ

それでは、実際に会社を設立する際の流れを追っていきましょう。大きく分けて5つのステップがありますが、各段階での決定が後の経営に影響を与えます。

各STEPで必要な書類などの詳しい情報を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
【完全版】会社設立の必要書類リスト|株式会社・合同会社別のチェックリストと入手方法

STEP1:会社の基本情報の決定

まずは、商号(社名)や事業目的、決算期といった、会社の骨格となる基本情報の決定から始めます。これらは単なる登録事項ではなく、融資や節税に影響する重要な要素です。
商号(社名)は自由度が高いですが、法務局の法人番号公表サイトなどで、近隣に酷似した社名がないか確認しておくのが無難です。

ここでとくに重要なのが事業目的と決算期です。
事業目的は、将来的に行う可能性がある事業も盛り込んでおくべきですが、あまりに節操なく羅列すると、銀行口座開設の際に実態が不明な会社と判断されるリスクがあります。また、決算期は繁忙期を避ける、消費税の免税期間を最大化するといった視点で戦略的に設定しましょう。

STEP2:会社実印の作成と印鑑証明書の準備

会社の基本事項が決まったら、法人用実印(代表者印)を発注します。一般的には、実印・角印・銀行印の3本セットを用意することが多いです。
2021年の法改正により、オンライン申請の場合は印鑑届出が任意となりましたが、その後の銀行口座開設や契約実務では必ず必要になるため、この段階で作成・登録しておくのが賢明です。

これと並行して、発起人(出資者)個人の印鑑証明書を取得しておきましょう。
この証明書は発行から3ヶ月以内のものが必要となるため、あまり早く取りすぎないよう注意が必要です。

STEP3:定款の作成と公証役場での認証(株式会社のみ)

定款は会社の憲法とも呼ばれる最重要書類です。商号や事業目的、役員の任期などを記載します。株式会社の場合は、作成した定款を公証役場に持ち込み(またはオンラインで送信し)、公証人の認証を受ける必要があります。この際、紙の定款だと4万円の収入印紙が必要になります。

合同会社の場合は、この認証プロセス自体が不要で、作成した定款を社内で保管しておくだけで構いません。

STEP4:出資金(資本金)の払い込み

資本金の払い込みは、決められたタイミングで行う必要があります。
具体的には、株式会社の場合は公証役場での定款認証が終わった後、合同会社の場合は定款を作成した後に入金を行う決まりです。

ここでよくあるミスが、払込みのタイミングです。それぞれ定められた時期より前に入金してしまうと、出資金として認められない場合がありますので、必ず手順を守って進めましょう。
振込が完了したら、通帳の表紙、見開き、入金履歴のページをコピーし、自分で作成した払込証明書と合わせて綴じます。

STEP5:登記申請書類の作成と法務局への申請

最後に、これまでの書類をすべて揃えて、管轄の法務局へ登記申請を行います。窓口への持ち込みのほか、郵送やマイナンバーカードを利用したオンライン申請も可能です。
法務局が設立登記申請を受け付けた日が会社の設立日となります。審査には通常1週間から10日ほどかかりますので、不備の連絡がないか待機しましょう。

会社設立の完了後に必要な各種届出

無事に登記が終わっても、まだ仕事は山積みです。会社という人格が生まれたことを、各行政機関に知らせる必要があります。

年金事務所への届出(社会保険関連)

実務上で最も期限がタイトなのが、年金事務所への届出です。法人は役員一人の会社であっても健康保険や厚生年金といった社会保険への加入が義務付けられており、設立から5日以内に新規適用届を提出する必要があります。
このあと紹介する税務署への届出よりも格段に期限が短いため、注意してください。

税務署への届出(法人税・消費税関連)

次に重要なのが、本店所在地を管轄する税務署への届出です。法人設立届出書に加え、絶対に忘れてはならないのが青色申告承認申請書です。これを設立の日以後3ヶ月を経過した日、または最初の事業年度の終了日の、いずれか早い日の前日までに提出する必要があります。
提出が間に合わなかった場合、少なくとも初年度は青色申告の特典を受けられない可能性があるため、早めの対応が重要です。

労働基準監督署・ハローワークへの届出(労働保険関連)

従業員を雇用した場合は、労働保険(労災保険・雇用保険)の手続きが必要です。労災保険は労働基準監督署、雇用保険はハローワークに提出となります。

以下の通り、届出ごとに細かく期限が設定されていますので、採用計画に合わせて、漏れのないよう準備しておきましょう。

労働保険関係成立届:保険関係が成立した日の翌日から10日以内
労働保険概算保険料申告書:保険関係が成立した日の翌日から50日以内
雇用保険適用事業所設置届:設置日の翌日から10日以内
雇用保険被保険者資格取得届:資格取得した日の翌月10日まで

参考:厚生労働省:労働保険の成立手続
参考:雇用保険事務手続きの手引き【第1編】適用事業所編【令和7年8月版】

自分で会社を設立するか専門家に依頼するのはどちらがいい?

自力での設立と専門家への依頼、どちらが正解かは経営者の優先順位によって決まります。以下の比較表を参考にしてみてください。

比較項目 自分で設立 専門家に依頼
トータル費用 合同会社:約6万円〜
株式会社:約20〜25万円
左記の法定費用 + 5〜10万円(報酬)
※顧問契約とのセットで報酬0円になるプランもあり
費やす時間 数十時間(調査・作成・役所往復) 数時間(ヒアリングと押印のみ)
手続きの正確性 手戻りや修正のリスクあり プロによる正確・迅速な登記
戦略的な設計 なし(事務作業のみ) 節税・融資に有利な定款設計
おすすめの方 とにかく1円でも安く済ませたい方 最短で事業を軌道に乗せたい方

自分で設立するメリット・デメリット

自分で設立する最大のメリットは、やはりコストの抑制です。初期投資を抑え、自分の手で会社を立ち上げる感覚を得られるのは大きな経験になります。

一方で、デメリットとして無視できないのが時間の喪失です。慣れない書類作成で何度も法務局へ足を運んだり、ネットの古い情報を信じてミスをしたりすると、結果として事業開始が1ヶ月遅れるといった事態を招きます。経営者の時給を考えた時、その数十時間が本当に安いのかを検討する必要があります。

専門家に依頼するメリット・デメリット

専門家に任せる最大のメリットは、単なる代行ではなく経営の最適化です。たとえば税理士や会計事務所へ依頼すれば、設立後の融資審査を見越した事業目的の表現や、将来の節税に効く決算期のアドバイスが受けられます。

デメリットは数万円の手数料ですが、これも顧問契約等で相殺できることが多いため、実質的にはリスクと時間を買い、経営戦略を手に入れるという選択になります。

自分で会社設立を進める際によくある失敗事例と対策

最後に、自力で設立した後に発覚しがちなミスを3つ共有します。

銀行口座の開設審査が通らない(事業目的・資本金のミス)

「登記は無事に終わったのに、銀行口座が作れない」という相談は後を絶ちません。
原因の多くは、事業目的が広すぎたり、抽象的すぎたりすることです。また、資本金を1円などの極端な少額に設定していると、銀行から事業実態や支払い能力を疑われる要因になります。
少なくとも数ヶ月分の運転資金を目安に資本金を積み、具体的で信頼感のある事業目的を記載することが対策となります。

青色申告の届出漏れで初年度の税制優遇を逃す

これも非常に多いミスです。登記完了で安心してしまい、税務署への届出を忘れるケースです。とくに第1期を短く設定した場合、設立から3ヶ月を待たずに年度末が来てしまい、チャンスを逃すリスクがあります。初年度の大きな節税メリットを失わないよう、登記完了の翌日には各届出を済ませるスケジュールを組んでおきましょう。

資本金1,000万円以上で消費税の免税期間を失う

新設法人は、原則として設立1期目・2期目は消費税の納税義務が免除されます。しかし、資本金を1,000万円以上に設定して設立すると、その時点で初年度から課税事業者になります。また、最初の6ヶ月間の売上高や給与支払額が1,000万円を超えると2期目から課税されるルール(特定期間の判定)もあるため、免税メリットを最大化するには戦略的な資本金設定と決算期の設定が不可欠です。

まとめ

会社設立は、人生における大きな一歩です。2026年現在は自力で設立するための環境が整っており、コストを最小限に抑えたいという想いも、一つの立派な経営判断と言えます。

一方で、経営の本質はリソースの最適化にあります。事務作業に何十時間を費やすよりも、そのリソースを顧客獲得や商品開発へ充てることが、結果として事業の成長を早めるケースも少なくありません。また、設立時の判断一つで、将来の融資や節税といったキャッシュの最大化も決まってきます。

自力で進めるにせよ、プロを頼るにせよ、大切なのは納得感を持ってスタートを切ることです。具体的な手順や必要書類については、以下の記事もガイドとしてぜひ参考にしてください。

【2025年版】合同会社設立の流れを6ステップで解説!最短・最安で「失敗しない」手順書
会社設立の流れを5ステップで解説!費用やメリット、失敗しないための注意点も紹介
【完全版】会社設立の必要書類リスト|株式会社・合同会社別のチェックリストと入手方法

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