「会社名を考え始めたものの、どんな文字なら使えるのか」「思いついた名前が法律的に問題ないか不安」——会社設立の準備のなかで、商号(=会社の正式名称として登記する名前)の決定に時間をかける方は多いものです。会社名は事業の顔であり、一度登記すると変更には手間と費用がかかります。だからこそ、使える文字のルールや禁止事項を最初に押さえ、後悔のない名前を付けることが大切です。本記事では、会社名を決めるときに知っておくべきルールと注意点、調査の進め方、そして実務的な決め方のコツを整理して解説します。
会社名(商号)を決める前に知っておくべき基本
会社名は登記される正式名称
会社名は法律上「商号」と呼ばれ、登記によって公示される正式な名称です。事業の信用やブランドの核になるだけでなく、契約書・請求書・口座名義などあらゆる場面で使い続けることになります。後から変更するには定款変更や登記変更の手続きと費用が必要になるため、設立時に慎重に決めておくことが、長い目で見た負担の軽減につながります。
ルールを守らないと登記できないことがある
会社名には商業登記法などで定められたルールがあり、これを満たさないと登記が受理されません。たとえば、会社の種類を示す文言の表記や、使用できる文字の制限などです。リーパル会計事務所では、設立支援の際にこうしたルールへの適合を確認し、登記の段階でつまずかないようご案内しています。
会社設立全体の段取りを把握したい方は、会社設立の流れを5ステップで解説もあわせてご覧ください。
会社名に使える文字・使えない文字のルール
使用できる文字には範囲がある
会社名に使える文字は、商業登記の取り扱いで範囲が定められています。代表的な使用可否を表で整理します。
| 区分 | 使用可否 | 具体例 |
|---|---|---|
| ひらがな・カタカナ・漢字 | 使用可 | 株式会社さくら、株式会社未来 |
| ローマ字(大文字・小文字) | 使用可 | ABC株式会社、Leapal株式会社 |
| アラビア数字 | 使用可 | 株式会社24 |
| 一部の符号(&・’・,・.・-など) | 一定の条件で使用可 | A&B株式会社 |
| 上記以外の記号・絵文字 | 使用不可 | ※ 登記できない |
符号については、名称の先頭や末尾に使えないものがあるなど細かな条件があります。判断に迷う場合は、設立前に専門家へ確認しておくと安心です。
会社の種類を示す文言が必須
株式会社であれば「株式会社」、合同会社であれば「合同会社」という文言を、会社名の前後どちらかに必ず入れる必要があります。「○○株式会社」「株式会社○○」のいずれでも構いませんが、この文言を省略することはできません。どちらの位置にするかで読みやすさや印象が変わるため、語感も含めて検討するとよいでしょう。
会社名で禁止されている事項
同一住所で同一商号は登記できない
同じ住所に同じ商号の会社を登記することはできません。また、住所が異なっていても、有名企業と紛らわしい名称を使うと、不正競争防止の観点からトラブルになるリスクがあります。設立前には、近い名称の会社が存在しないかを調べておくことが重要です。
公序良俗・誤認を招く表現は避ける
公序良俗に反する名称や、実際には行っていない事業を連想させる名称は避ける必要があります。たとえば、銀行業を営まないのに「○○銀行」と名乗ることはできません。また、一部の業種では法律で名称の使用が制限されているものもあるため、業種に応じた確認が欠かせません。
| 禁止・注意される名称の例 | 理由 |
|---|---|
| 同一住所・同一商号 | 商業登記法で登記不可 |
| 「銀行」「保険」など特定業種の文言 | 該当業を営まない場合は使用不可 |
| 著名企業と紛らわしい名称 | トラブル・差止めのリスク |
| 公序良俗に反する名称 | 登記が受理されない可能性 |
リーパル会計事務所では、こうした禁止事項に抵触しないかを確認しながら、安心して使える商号の決定をサポートしています。
後悔しない会社名の決め方——実務的なポイント
商号調査で類似名称を確認する
会社名の候補が固まったら、法務局やオンラインの「登記情報提供サービス」で、同一・類似の商号がないかを調べておくことをお勧めします。同時に、商標として登録されていないか、ドメイン名が取得できるかも確認しておくと、後々のブランド運用がスムーズになります。
読みやすさ・覚えやすさ・将来性を意識する
会社名は長く使うものだからこそ、読みやすさや覚えやすさも大切です。事業内容を限定しすぎる名称にすると、将来の事業拡大で名称と実態がずれることもあります。一方で、抽象的すぎると何の会社か伝わりにくくなります。こうした観点のバランスをとることが、後悔しない会社名選びのコツです。
商標・ドメインの観点も忘れずに確認する
会社名を決める際は、登記上のルールだけでなく、商標やドメインの観点もあわせて確認しておくと安心です。せっかく決めた会社名が、すでに他社の商標として登録されていると、後々ブランド名として使ううえで支障が出ることがあります。同様に、会社名に対応するドメインがすでに取得されている場合、ウェブサイトやメールアドレスの運用で別の名称を検討せざるを得なくなることもあります。設立前にこれらを確認しておけば、ブランド全体を一貫した名称でそろえやすくなります。リーパル会計事務所では、こうした点も含めて、設立後の事業運営に支障が出にくい商号の選び方をご案内しています。
会社名が決まったら、定款の作成へと進みます。次のステップは定款の作り方を完全解説で確認できます。なお、商号の登記に関する一般的な取り扱いは、法務省の商業・法人登記の申請手続でも案内されています。
よくある質問(FAQ)
Q. 会社名にローマ字や数字は使えますか。
A. ローマ字(大文字・小文字)やアラビア数字は使用できます。一部の符号(&・’・,・.・-など)も条件付きで使えますが、それ以外の記号や絵文字は使用できません。判断に迷う場合は設立前に確認することをお勧めします。
Q. 「株式会社」は名前の前と後ろどちらに付けてもよいですか。
A. どちらでも構いません。「○○株式会社」「株式会社○○」のいずれの形式も認められています。ただし、会社の種類を示す文言を省略することはできません。
Q. 同じ名前の会社が他にある場合、登記できませんか。
A. 同一住所で同一商号でなければ登記自体は可能です。ただし、近隣や同業に紛らわしい名称があるとトラブルの原因になるため、事前の商号調査をお勧めします。
Q. 会社名は後から変更できますか。
A. 変更は可能ですが、定款変更と登記変更の手続き・費用が必要になります。取引先への周知や各種名義の変更も伴うため、設立時に慎重に決めておくことが望ましいです。
監修
本記事は、公認会計士・税理士の鳥羽卓朗が監修しています。会社名は一度登記すると変更に手間と費用がかかるため、ルールと禁止事項を理解したうえで慎重に決めることが大切です。リーパル会計事務所では、会社設立から税務顧問までをワンストップで支援しており、商号のルール確認から定款作成、設立後の手続きまで一貫してサポートしています。会社名の決め方に迷う方は、お気軽にご相談ください。
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