電子帳簿保存法(電帳法)は近年毎年のように改正・運用見直しが行われており、「最新の状況がよく分からない」という声を多くいただきます。
本記事では2026年4月時点での電帳法の状況を整理し、実務上の対応ポイントをお伝えします。
電子帳簿保存法(=帳簿・書類を電子データで保存することを定めた法律)の改正経緯
| 年 | 主な内容 |
|---|---|
| 1998年 | 電子帳簿保存法(=帳簿・書類を電子データで保存することを定めた法律)の制定(電子帳簿保存が任意可能に) |
| 2005年 | スキャナ保存制度の導入 |
| 2016年 | スキャナ保存(=紙の書類をスキャンして電子データで保存する電帳法上の区分)要件の緩和(タイムスタンプの付与期間を延長) |
| 2022年1月 | 大幅改正・電子取引データ保存の義務化(猶予期間あり) |
| 2024年1月 | 電子取引データ保存の完全義務化(猶予期間終了) |
| 2025年以降 | 要件の運用明確化・Q&A追加が継続 |
2026年時点の主な運用ポイント
電子取引データ保存の義務化(継続)
こうした状況で、2024年1月から義務化された電子取引データ保存は、2026年においても同じ要件で継続しています。電子で受け取った請求書・領収書などは電子データのまま保存することが義務です。
検索要件の緩和措置(継続)
売上高1億円以下の中小事業者に対する検索要件の緩和措置は2026年時点でも有効です。税務調査時にデータのダウンロード・提示ができる場合に限り、検索機能の整備が免除されます。
スキャナ保存要件の簡素化(継続)
2022年(令和4年)施行の改正でスキャナ保存の入力期間要件が緩和され、「業務の通常の処理期間(最長2か月)+おおむね7営業日以内」または「受領後おおむね7営業日以内」のいずれかを選択する方式になりました。「3営業日以内」は改正前の旧要件であり、現行の要件ではありません。この緩和後の要件は2026年も継続しています。
2026年の電帳法運用ポイントに自社の対応が追いついているか確認したい場合は、リーパル会計事務所が無料でチェックします。
2026年の実務上の注意点
注意点1:猶予措置が終了している
2022年から2023年末は「相当の理由がある場合の猶予期間」が設けられていましたが、2024年1月に完全義務化されています。2026年現在、猶予措置は存在しません。未対応の事業者は早急に対応が必要です。
注意点2:税務調査での確認が増加している
2024年義務化以降、税務調査の場で電子取引データ保存への対応状況が確認されるケースが増えています。「紙で印刷して保存していた」という対応は否認されるリスクがあります。
注意点3:電子帳簿のシステム要件への対応
クラウド会計ソフトを使わずに自社システムで電子帳簿を保存している場合、システムの仕様書・操作説明書の備付けが必要です。クラウド会計ソフトを使えばこの要件はサービス側が対応しています。
中小事業者への実務アドバイス
| 規模 | 推奨対応 |
|---|---|
| 個人事業主・フリーランス | クラウド会計ソフト導入+PDF請求書をソフト内保存 |
| 売上1億円未満の小規模法人 | クラウド会計ソフト+フォルダ管理(検索要件緩和適用) |
| 売上1〜3億円の中規模法人 | クラウド会計ソフト+書類保存機能の完全活用 |
| 売上3億円以上の法人 | 専用システムまたはクラウド会計ソフトの上位プラン |
電帳法対応でよく聞かれる2026年の疑問
「まだ紙で保存しているが税務調査は大丈夫か」
電子取引データを紙に印刷して保存するだけでは2024年以降の義務要件を満たしていません。税務調査の場で問題になるリスクがあります。早急にクラウド会計ソフトでの電子保存に移行してください。
「クラウド会計を使えば全て対応できるか」
freee・マネーフォワードクラウドなどの主要クラウド会計ソフトは、電子取引データ保存・スキャナ保存の要件を満たした機能を提供しています。ただし書類をソフト内に正しく保存する運用をしていることが前提です。
「フォルダ管理だけで本当に大丈夫か」
売上1億円以下の事業者であれば、適切な命名規則と保存場所ルールを設けたフォルダ管理でも対応可能です。ただしクラウド会計ソフトを使った方が管理が楽です。
中小事業者向けの電帳法対応の疑問について、リーパル会計事務所が個別にお答えします。専門家に直接質問できる初回無料相談をご利用ください。
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今後の見通し:電子インボイス(Peppol(=電子インボイスを国際的にやり取りするためのネットワーク規格))との連携
2026年以降、Peppol(=電子インボイスを国際的にやり取りするためのネットワーク規格)ベースの電子インボイスと電帳法の要件が連携していく方向性が政府から示されています。電子インボイスで受け取ったデータは電帳法の要件を満たした形で自動保存されるようになると見込まれています。
リーパル会計事務所のサポート
リーパル会計事務所では電帳法の最新動向を踏まえた実務支援を提供しています。freee・マネーフォワードクラウド両認定アドバイザーとして、クラウド会計ソフトを活用した電帳法対応の最適な運用設計を支援します。
外部参考:国税庁 電子帳簿保存法関係(最新版)
よくある質問(FAQ)
Q. 2026年時点で電帳法に未対応の場合、罰則はありますか?
即時の罰則はありませんが、税務調査時に青色申告(=事前届出をしたうえで複式簿記(=取引を借方・貸方の両面から記録する帳簿方式)で帳簿をつける制度)の取り消し・重加算税のリスクがあります。早急な対応を推奨します。
Q. 電帳法は毎年改正されるのですか?
法律本体の改正は数年に一度ですが、Q&Aや運用指針は随時更新されます。最新情報は国税庁のウェブサイトでご確認ください。
Q. 電帳法の対応状況を自社でチェックする方法はありますか?
国税庁の「電子帳簿保存法に関するQ&A」を参照するか、税理士への相談で現状診断を受けることをおすすめします。
Q. クラウド会計ソフトのベンダーが倒産した場合、データはどうなりますか?
主要なクラウド会計ソフトのベンダーはデータのエクスポート機能を提供しており、別のサービスへの移行が可能です。定期的なデータエクスポートも推奨します。
Q. 2027年以降にさらなる改正が見込まれますか?
電子インボイスの普及・DX推進の流れから、電帳法の要件がさらに緩和・合理化される方向が見込まれます。最新動向はリーパル会計事務所のブログで随時発信します。
まとめ
2026年時点では、2024年から義務化された電子取引データ保存への対応が引き続き最優先課題です。猶予措置は終了しており、未対応のままでは税務調査リスクがあります。クラウド会計ソフトを活用した対応が最もスムーズです。
リーパル会計事務所では電帳法対応支援を無料相談から承っています。
リーパル会計事務所はfreee・マネーフォワード両対応の認定アドバイザーとして、クラウド会計の導入支援から経理BPO(=経理業務を外部に委託して効率化するサービス)、月次レビュー、税務顧問までをワンストップで提供しています。経理担当者の採用・育成コストと比較しても、外部の専門家を活用する選択肢にはコストパフォーマンスの優位性があります。「最初から正しく設計したい」という経営者の方は、まずはフラットな状態でお聞かせください。
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電子帳簿保存法・インボイス制度(=適格請求書等保存方式。仕入税額控除(=売上にかかる消費税から仕入時の消費税を差し引いて納税する仕組み)の要件として登録番号が必要)・電子インボイス(Peppol(=電子インボイスを国際的にやり取りするためのネットワーク規格))への対応は、コンプライアンス上の必須事項であると同時に、業務効率化への投資でもあります。つまり、対応を先送りにする理由はほとんどありません。
リーパル会計事務所では、制度対応と業務効率化を一体で設計するご提案を行っています。まずはフラットな状態でお聞かせください。
監修:鳥羽 卓朗(公認会計士・税理士)
リーパル会計事務所 代表。クラウド会計支援1,000社超。freee・マネーフォワードクラウド認定アドバイザー。
最終更新日:2026年4月21日
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