freee APIを活用すると、ECサイトの売上自動取込・請求書の自動生成・給与仕訳の自動連携など、これまで手作業で行っていた経理業務を目に見える形で自動化できます。しかし「APIって難しそう」「どこから手をつければいいかわからない」という声もよく耳にします。
本記事では、freee APIの連携方法を、技術的な基礎知識から代表的な自動化パターン・ノーコードでの連携方法まで、実践的な視点で解説します。
エンジニアが社内にいない場合でも、まずはノーコードで実現できる連携から検討するのが現実的です。たとえば「EC売上の自動取込」「請求書の自動発行」「経費データの自動連携」は、ZapierやMakeなどのノーコードツールで対応できるケースが多くあります。自社で開発が必要かどうかを判断する前に、ノーコードで届く範囲を先に見極めることをおすすめします(具体的な方法は本記事後半で解説します)。
freee APIの基本構造
APIとは何か
API(Application Programming Interface)とは、異なるソフトウェア同士がデータをやり取りするための「通信規約」です。freee APIを使うことで、外部のシステムからfreeeのデータを読み書きできます。
たとえば「受注管理システムで新規受注が確定した瞬間に、freeeに請求書が自動生成される」という連携が、freee APIを使えば実現できます。
freee APIの種類
freeeは複数の領域でAPIを提供しています。
| API | 主な機能 |
|---|---|
| 会計API | 取引・仕訳・勘定科目・残高試算表の読み書き |
| 請求書API | 請求書・見積書・納品書の作成・更新・削除 |
| 経費精算API | 経費申請の作成・承認状況の取得 |
| 人事労務API | 従業員・給与・勤怠データの連携 |
| 事業所API | 事業所情報・部門・プロジェクトの管理 |
すべてのAPIはRESTful形式(HTTPリクエスト)で提供されており、JSON形式でデータを送受信します。
freee APIを使うための認証設定
freee Developersへの登録
freee APIを利用するには、まずfreeeのデベロッパーポータルでアプリを登録する必要があります。
- freee Developers にアクセス
- freeeアカウントでログイン
- 「アプリ管理」→「新規アプリを作成」
- アプリ名・コールバックURL・利用するAPIの範囲(スコープ)を設定
- クライアントID・クライアントシークレットを取得
取得したクライアントIDとシークレットは、環境変数や秘密管理サービスで安全に管理してください。ソースコードにハードコーディングすることは絶対に避けてください。
OAuth 2.0による認証フロー
freee APIはOAuth 2.0の認可コードフローを使用します。
認証の流れ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 認可リクエスト | ユーザーをfreeeの認可エンドポイントへリダイレクト |
| 2. ユーザー認証 | freeeにログインして権限を許可 |
| 3. 認可コードの受取 | コールバックURLに認可コードが返ってくる |
| 4. トークン交換 | 認可コードをアクセストークン・リフレッシュトークンと交換 |
| 5. API呼び出し | アクセストークンをAuthorizationヘッダーに付けてAPIを呼び出す |
アクセストークンの有効期限は通常24時間です。リフレッシュトークンを使って自動更新する処理を実装することで、ユーザーの再ログインなしにAPIを継続的に呼び出せます。
freee APIの認証設定(OAuthトークン取得・スコープ設定)でお困りの場合は、リーパル会計事務所がfreee認定アドバイザーとして技術的なセットアップをサポートします。
freee APIの主要エンドポイントと活用例
取引APIの使い方
会計取引(仕訳)を作成するためのエンドポイントは POST /api/1/deals です。
取引作成のリクエスト例(JSON)
{
"company_id": 123456,
"issue_date": "2026-04-15",
"due_date": "2026-04-30",
"type": "income",
"partner_id": 789,
"details": [
{
"account_item_id": 1001,
"tax_code": 1,
"amount": 110000,
"description": "コンサルティングサービス 4月分"
}
]
}
type を income(収入)または expense(支出)に設定し、details に仕訳の詳細を配列で渡します。複数の明細行がある場合は配列に追加します。
請求書APIの使い方
請求書を作成するエンドポイントは POST /api/1/invoices です。
主なパラメータ:
issue_date: 発行日due_date: 支払期日partner_id: 取引先ID(freee内の取引先マスターID)invoice_contents: 請求明細の配列(品目・数量・単価)
請求書作成後、GET /api/1/invoices/{id}/download でPDFをダウンロードすることも可能です。
取引先APIの使い方
新しい取引先をfreeeに登録するエンドポイントは POST /api/1/partners です。CRMシステムで新規顧客が登録されたタイミングに自動的にfreeeの取引先マスターを更新する連携に使われます。
代表的な自動化パターン
パターン1:ECサイトの日次売上を自動取込
ネットショップの売上データをfreeeに日次で自動取込するフロー:
- ECサイトAPIで前日の売上データを取得
- 取引先・商品カテゴリに応じて勘定科目をマッピング
- freee取引APIで仕訳を一括登録
- 登録結果をSlack通知して担当者が確認
月次数千件の取引を手動入力していた場合と比べ、経理担当者の入力工数を月10時間単位で削減できます。
パターン2:CRMの成約情報から請求書を自動生成
CRM(SalesforceやHubSpotなど)で商談がクローズした際に請求書を自動作成するフロー:
- CRMのWebhookで成約イベントを受け取る
- 顧客情報・金額・明細をfreeeの形式に変換
- freee請求書APIで請求書を作成
- 担当者への確認通知後、承認されたら顧客へ自動送付
営業部門の受注情報が即座に請求書に変換されるため、請求漏れが防げます。
パターン3:給与計算システムとの連携
freee人事労務以外の給与計算システムを使っている場合の連携フロー:
- 給与計算システムから月次給与データをCSVエクスポート
- 変換スクリプトでfreeeの取引APIの形式に変換
- 給与・社会保険・所得税の仕訳を一括登録
毎月の給与仕訳の手入力をゼロにできます。
freee APIの主要エンドポイントを使った自動化の設計についてご相談がある場合は、リーパル会計事務所が業務フローに合わせた活用パターンをご提案します。
ノーコードツールでのfreee連携
プログラミングなしでfreeeと外部サービスを連携させる方法もあります。
| ツール | freee連携の可否 | 向いているケース |
|---|---|---|
| Zapier | 可能(freeeアプリあり) | 簡単なトリガー→アクション連携 |
| Make(Integromat) | 可能 | 複雑なフローも視覚的に設計 |
| n8n | 可能(セルフホスト可) | 自社サーバーで管理したい場合 |
| kintone | 公式プラグインあり | kintoneを業務システムとして使っている場合 |
Zapierでの連携例
- 「Googleスプレッドシートに新しい行が追加されたらfreeeに取引を登録する」
- 「freeeで請求書が発行されたらSlackに通知する」
これらはプログラミング不要でZapierのGUIから設定できます。まずノーコードツールで実現できるかを試してから、必要に応じてカスタム開発に進む順番が効率的です。
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API連携(=外部サービスとデータを自動でやり取りする仕組み)の実装時の注意点
レート制限への対応
freee APIにはレート制限があります(APIの種類によって異なる)。大量のデータを一括処理する際は、リクエスト間に適切な待機時間を設けるか、バッチ処理の設計で対応します。
エラーハンドリング
API連携(=外部サービスとデータを自動でやり取りする仕組み)では以下のエラーが発生する可能性があります。
| エラーコード | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 401 Unauthorized | アクセストークンの期限切れ | リフレッシュトークンでトークンを更新 |
| 429 Too Many Requests | レート制限超過 | リトライ間隔を設けて再送信 |
| 422 Unprocessable Entity | リクエストパラメータの不備 | APIドキュメントを確認して修正 |
| 500 Internal Server Error | freeeサーバー側の問題 | 時間をおいてリトライ |
テスト環境での検証
freee DevelopersはサンドボックスAPIを提供しています。本番のfreeeデータに影響せずに開発・テストができるため、必ずサンドボックス環境で十分に検証してから本番に適用してください。
FAQ
Q. freee APIは無料で使えますか?
A. freee APIの利用自体はfreeeのプランに含まれています(プロフェッショナルプラン以上)。ただし、API連携(=外部サービスとデータを自動でやり取りする仕組み)の開発・運用にかかる開発者費用は別途必要です。
Q. 自社にエンジニアがいない場合でもAPI連携できますか?
A. ノーコードツール(Zapier・Make)であればエンジニア不要で基本的な連携が実現できます。より複雑な自動化が必要な場合はfreeeのパートナー企業への開発依頼も選択肢です。
Q. freeeのサンドボックス環境はどこから使えますか?
A. freee Developers(developer.freee.co.jp)にログインすると、サンドボックス事業所が用意されており、本番データを使わずにAPI開発・テストができます。
Q. APIで取引を誤って登録した場合の修正方法は?
A. freeeの取引APIには PATCH(更新)と DELETE(削除)エンドポイントがあります。登録したIDを使って修正・削除が可能です。会計期間が確定(締め)された後は変更できないため、適切なタイミングで対応してください。
Q. freeeのAPIバージョンはどれを使えばよいですか?
A. 現時点ではAPIバージョン1(/api/1/)が標準です。freee Developersのアップデート情報を定期的に確認し、新バージョンへの移行アナウンスに対応してください。
リーパル会計事務所では、freee API連携・ノーコード連携(Zapier/Make)・マーケットプレイスのアプリ選定をフラットに比較しながら、自社にとって過不足のない自動化範囲をご提案しています。要件定義から開発会社の選定支援まで、社内エンジニアの有無にかかわらずご相談いただけます。
まとめ
freee APIを活用すると、ECサイトの売上取込・請求書発行・給与仕訳連携といった経理の繰り返し作業を「人が触らないライン」に乗せられます。社内に開発リソースがなくても、ZapierやMakeなどのノーコード連携・マーケットプレイスの公式アプリで多くのケースをカバー可能です。
リーパル会計事務所では、freee認定アドバイザーとして「どの業務から自動化するか」の優先度設計から、要件定義・運用後のモニタリング設計まで対応しています。「自動化したいが何から手をつけるべきかわからない」「現行の連携が安定せず困っている」という経営者・経理責任者の方は、初回無料相談で現状をお聞かせください。
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参考資料
- freee Developers 公式ポータル
- freee APIリファレンス
結論:API連携の前に「ノーコードで届く範囲」を見極める
freee APIをいきなりフルスクラッチで開発しなくても、ZapierやMakeで処理できる連携は意外に多く、要件によっては開発費を半分以下に抑えられます。技術選定を急ぐより、対象業務の頻度・取引量・ミスのインパクトで優先度を整理することが、自動化プロジェクトの成功率を高める鍵です。
リーパル会計事務所では、API・ノーコード・マーケットプレイス連携を中立的に比較した上で、最小コストで成果が出る順序をご提案しています。技術選定だけのご相談も歓迎ですので、初回無料相談でお気軽にお声がけください。
監修: 公認会計士・税理士 鳥羽卓朗(リーパル会計事務所 代表)
最終更新日: 2026年4月21日
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