確定申告の時期になると「マネーフォワードで申告書をどうやって作るのか」「e-Tax(=国税庁が提供する電子申告・納税システム)への送信はどこからするのか」という質問が増えます。帳簿は日々つけているが、実際の申告作業に不安を感じる方は少なくありません。
本記事では、リーパル会計事務所がMFクラウド公認アドバイザーとして多くの確定申告をサポートした経験をもとに、マネーフォワードクラウドを使った確定申告の全工程を手順別に解説します。
確定申告前に確認すること
青色申告(=事前届出をしたうえで複式簿記(=取引を借方・貸方の両面から記録する帳簿方式)で帳簿をつける制度)か白色申告かを確認する
確定申告の方法は青色申告(=事前届出をしたうえで複式簿記で帳簿をつける制度)と白色申告の2種類があり、どちらを選ぶかで手続きと節税効果が変わります。
| 項目 | 青色申告(65万円控除) | 青色申告(10万円控除) | 白色申告 |
|---|---|---|---|
| 記帳方式 | 複式簿記 | 簡易帳簿 | 収支記録のみ |
| 申告特別控除 | 65万円(e-Tax(=国税庁が提供する電子申告・納税システム)利用時) | 10万円 | なし |
| 事前手続き | 青色申告(=事前届出をしたうえで複式簿記で帳簿をつける制度)承認申請書提出済みであること | 同左 | 不要 |
| マネーフォワード対応 | 対応(複式簿記) | 対応 | 対応 |
青色申告で65万円控除を受けるには、事業開始日から2ヶ月以内(既存事業者は3月15日まで)に「青色申告承認申請書」を税務署に提出している必要があります。提出していない場合は今年の申告から65万円控除を受けることができません。
消費税申告の要否を確認する
前々年(2年前)の課税売上高が1,000万円を超えている場合は消費税の課税事業者となり、所得税の確定申告とは別に消費税申告が必要です。マネーフォワードクラウドは消費税申告書の作成にも対応しています。
また、2023年10月から施行されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)に登録している場合も、課税事業者として消費税申告が必要です。
確定申告の準備:帳簿を整える
12月31日までの仕訳をすべて確定させる
個人事業主の確定申告は1月1日〜12月31日の1年分の帳簿が対象です。年末時点で未処理の仕訳が残っていると申告書が正確に作成されません。
確認が必要な項目:
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 未処理の銀行明細 | 入出金明細の「未処理」タブがゼロになっているか |
| 現金取引 | 領収書ベースの現金取引をすべて入力しているか |
| 固定資産・減価償却(=固定資産の取得費を耐用年数に応じて費用配分する会計処理) | 年度分の減価償却費が計上されているか |
| 棚卸資産 | 期末在庫を「商品」科目で計上しているか |
| 未払費用 | 年内に発生したが未払いの経費を計上しているか |
| 前払費用 | 翌年分を先払いしたものを前払費用に振り替えているか |
これらが完了した状態で損益計算書を確認し、売上・経費の金額が実態と一致していることを確認します。
控除関係の書類を集める
所得控除の書類は確定申告書作成前に手元に揃えておきます。
- 社会保険料控除:国民健康保険料・国民年金の支払い証明書
- 生命保険料控除:保険会社からの控除証明書
- 地震保険料控除:保険会社からの控除証明書
- 医療費控除:医療費の領収書または医療費通知書
- 小規模企業共済等掛金控除:共済からの証明書(iDeCo等含む)
- 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除):初年度は確定申告必須
控除の見落としは、そのまま過大納税につながります。リーパル会計事務所では、控除適用の抜け漏れを含めた申告書全体のチェックサービスをご提供しています。
マネーフォワードクラウドでの申告書作成手順
ステップ1:確定申告メニューを開く
マネーフォワードクラウドの「確定申告」メニューを開きます。年度を正しく選択してください。
ステップ2:基本情報の入力
申告者の基本情報(住所・氏名・マイナンバー等)を入力します。前年度に申告している場合は引き継がれる情報があります。
ステップ3:所得控除の入力
各種控除の金額を入力します。マイナポータル連携を設定している場合は、社会保険料・生命保険料などが自動取り込みされます。
ステップ4:申告書の自動生成・確認
入力完了後に「申告書を作成」を実行すると、帳簿データをもとに以下の書類が自動生成されます。
- 確定申告書B(第一表・第二表)
- 青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表)
- 収支内訳書(白色申告の場合)
- 消費税申告書(課税事業者の場合)
画面上で内容を確認し、誤りがあれば修正します。
ステップ5:e-Tax(=国税庁が提供する電子申告・納税システム)で電子申告
「e-Taxで申告」から電子申告を行います。マイナンバーカードとカードリーダー(またはマイナポータルアプリ)が必要です。
送信後に受付番号が発行されたことを確認し、受信通知をe-Taxのメッセージボックスで確認してください。申告期限は原則3月15日です。
申告後の手続き
納税または還付の確認
申告内容によって納税または還付があります。
納税が必要な場合:
振替納税(口座引き落とし)、e-Taxでのダイレクト納付、コンビニ納付などが利用できます。3月15日の期限内に納付しないと延滞税が発生するため注意してください。
還付がある場合:
申告書に指定した口座に通常申告から1〜2ヶ月以内に振り込まれます。
帳簿の保存
青色申告の場合、帳簿・書類の保存義務期間は最長7年です。マネーフォワードクラウドのデータはクラウド上に保存されますが、申告書のPDFおよび控除証明書等の紙書類は適切に保管してください。
申告書の作成後に「数字が正しいか不安」「節税の余地がないか確認したい」という場合は、リーパル会計事務所が申告前チェックと節税提案をまとめてご対応します。
リーパル会計事務所の確定申告サポート
「帳簿はつけているが申告が不安」「節税できているか確認したい」という方には、リーパル会計事務所の確定申告サポートをご活用ください。仕訳チェック・申告書の作成代行・節税提案まで対応しています。
参考:国税庁 確定申告書等作成コーナー
確定申告タイムライン:MFクラウドユーザーの理想的な年間スケジュール
| 時期 | やること | MFクラウドでの操作 |
|---|---|---|
| 1月〜11月(通年) | 月次仕訳の確認・確定 | 入出金明細の確定・手動仕訳の入力 |
| 12月末 | 年内の仕訳をすべて確定 | 未処理明細をゼロにする |
| 1月〜2月 | 決算整理仕訳の入力 | 減価償却・未払費用・棚卸の計上 |
| 2月〜3月 | 確定申告書の作成・提出 | 「確定申告」メニューから書類自動生成→e-Tax送信 |
| 3月15日 | 申告期限 | 期限内送信を確認 |
各種控除の申告書への反映方法
| 控除の種類 | MFクラウドでの操作 | 必要な書類 |
|---|---|---|
| 青色申告特別控除(65万円) | e-Tax送信で自動適用 | 電子申告の受付番号 |
| 社会保険料控除(国民年金) | 申告書に手入力 | 国民年金保険料の控除証明書 |
| 生命保険料控除 | マイナポータル連携または手入力 | 生命保険料控除証明書 |
| 医療費控除 | 医療費集計表を作成 | 医療費の領収書一覧 |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 申告書に手入力 | 払込証明書 |
税理士への依頼を考えるときの関連記事
よくある質問
Q. 確定申告の期限に間に合わなかった場合はどうなりますか?
期限後申告となり、無申告加算税(原則15〜20%)と延滞税が課されます。気づいたらできるだけ早く申告することが重要です。還付申告の場合は5年以内であればいつでも申告できます。
Q. マネーフォワードクラウドで消費税申告書も作れますか?
はい、一般課税・簡易課税に対応しています。ただし消費税の計算は複雑なため、初回は税理士に確認してもらうことをお勧めします。
Q. マイナンバーカードがない場合はe-Taxを使えませんか?
税務署で「ID・パスワード方式」の手続きを行えば、マイナンバーカードなしでe-Taxを利用できます。ただし税務署への来署が必要です。
Q. 申告書を送信した後に間違いに気づいた場合は?
更正の請求(追加還付)または修正申告(追加納税)で訂正できます。期限内申告であれば更正の請求は5年以内、修正申告はいつでも可能です。
Q. 副業の収入と本業の給与、両方ある場合はどうすればよいですか?
給与収入と事業収入をそれぞれ申告書に合算して申告します。給与は源泉徴収票の数値を入力し、事業収入はマネーフォワードの帳簿から転記します。
まとめ
マネーフォワードクラウドは、日常の帳簿付けから確定申告書の作成・e-Tax送信まで一貫して対応できる設計です。期中の仕訳をきちんと整えていれば、申告期に新たに作る書類はほぼなく、確認・控除入力・送信の3ステップで申告作業が完了します。
ただし、各種控除の適用判定・消費税申告の要否・青色申告65万円控除の要件確認は、専門知識を要する論点が多い領域です。リーパル会計事務所では、申告内容のチェック・修正だけのスポット相談から、年間顧問契約までフェーズに合わせた支援を行っています。「e-Tax送信前に税理士の目を入れたい」という個人事業主・フリーランスの方は、初回無料相談からお気軽にお問い合わせください。
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結論:申告期の負担を減らす最大の鍵は「期中入力の精度」
確定申告期に慌てる方の多くは、期中の仕訳が雑なまま12月を迎えてしまっています。逆に、毎月末に仕訳承認とレポート確認を回せている方は、申告期に新規で作業する箇所はほぼありません。期中運用の精度を上げることが、申告作業の自動化に直結します。
リーパル会計事務所では、期中の月次レビュー(仕訳チェック・残高確認)を組み合わせた年間顧問プランで、申告期の負担を平準化するご支援が可能です。「毎年確定申告で消耗している」という個人事業主・フリーランスの方は、初回無料相談で年間運用の組み方をお聞かせください。
リーパル会計事務所|関与実績1,100社以上・全国オンライン対応
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MF公認・freee認定元国税調査官の知見
参考資料
監修者: 鳥羽 卓朗(公認会計士・税理士)
リーパル会計事務所 代表。PwCあらた有限責任監査法人出身。マネーフォワードクラウド公認アドバイザー・freee認定アドバイザーを持ち、個人事業主・フリーランスの確定申告最適化を専門とする。
最終更新日: 2026年5月2日