クラウド会計ソフトを選ぶとき、多くの方が最初に名前を挙げるのが「freee会計」と「マネーフォワードクラウド会計」です。どちらも国内シェアトップクラスを誇り、銀行・クレカの自動連携や電子申告への対応など基本機能はほぼ同等に見えます。しかし実際に両方を導入して日常的に操作してみると、細かい操作感・料金体系・税理士との連携しやすさに大きな差があることが分かります。
リーパル会計事務所では、freeeとマネーフォワードクラウドの両方の認定アドバイザーとして1,000社超の導入支援を行ってきました。本記事では、現場目線での正直な比較をお届けします。
freeeとマネーフォワードクラウドの基本情報
freee会計とは
freeeは2012年に設立されたfreee株式会社(東証プライム上場)が提供するクラウド会計ソフトです。「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、個人事業主・フリーランスから中小企業まで幅広い層に普及しています。特に確定申告書類の自動生成機能が充実しており、経理の知識が少ない事業者でも使いやすい設計が特徴です。
マネーフォワードクラウド会計とは
マネーフォワードクラウド会計は、2012年設立のマネーフォワード株式会社(東証プライム上場)が提供するサービスです。個人の家計管理アプリ「マネーフォワード ME」で培ったデータ連携技術を法人・事業者向けに展開しており、金融機関・ECサービスとの連携数の多さが強みです。会計・給与・経費・請求書をひとつのIDで管理できる「マネーフォワードクラウドシリーズ」として展開されています。
機能比較:freee vs マネーフォワードクラウド
| 比較項目 | freee会計 | マネーフォワードクラウド会計 |
|---|---|---|
| 自動仕訳(=銀行口座やクレジットカードの取引データから勘定科目を自動推定する機能)・学習機能 | AI仕訳学習(精度高め) | AI仕訳学習(連携数が多く学習データ豊富) |
| 金融機関連携数 | 約2,500以上 | 約2,600以上 |
| 複式簿記の自動化 | 自動仕訳(勘定科目推薦) | 自動仕訳(弥生連携データ取込も可) |
| 確定申告書類 | 青色申告(=事前届出をしたうえで複式簿記(=取引を借方・貸方の両面から記録する帳簿方式)で帳簿をつける制度)書・消費税申告書を自動生成 | 確定申告書・法人税申告は別途対応 |
| 電子申告(e-Tax(=国税庁が提供する電子申告・納税システム)) | 対応(追加費用なし) | 対応(プランによる) |
| 請求書・見積書 | 基本機能あり(freee請求書と連携) | マネーフォワードクラウド請求書と連携 |
| 給与・勤怠連携 | freee人事労務と連携 | マネーフォワードクラウド給与と連携 |
| 在庫・販売管理 | 非対応(外部連携) | 非対応(外部連携) |
| モバイルアプリ | iOS/Android対応 | iOS/Android対応 |
| レポート・分析 | 試算表・貸借対照表・損益計算書 | 試算表・キャッシュフロー計算書 |
| 税理士との共有 | 顧問税理士を招待する機能あり | 事務所アカウントで複数顧客管理可 |
自動仕訳(=銀行口座やクレジットカードの取引データから勘定科目を自動推定する機能)の精度
freeeは「スマート取引取込」機能が特徴で、銀行明細をAIが読み取り勘定科目を自動提案します。同じ取引先のパターンを学習するため、継続利用することで精度が上がります。
マネーフォワードクラウドは連携金融機関が多い分、取得できるデータ量が多く、複数の口座・カードをまとめて管理する企業に適しています。仕訳のルール設定も細かく調整できるため、経理担当者が既にいる法人での活用に向いています。
freeeとマネーフォワードクラウドの機能を比較して自社に合った方を選びたい場合は、リーパル会計事務所が両方の認定アドバイザーとして中立的にアドバイスします。
料金比較
freee会計の料金プラン(個人・法人)
| プラン | 月額(税抜) | 対象 |
|---|---|---|
| スターター(個人) | 980円(月払い1,780円) | 個人:確定申告まで自分で完結したい方 |
| スタンダード(個人) | 1,980円(月払い2,980円) | 個人:申告を効率化しサポートも使いたい方 |
| プレミアム(個人) | 3,316円(年払いのみ) | 個人:電話サポート等が必要な方 |
| 入力おまかせ(個人) | 4,150円(年払いのみ) | 個人:記帳作業もまかせたい方 |
| スターター(法人) | 5,480円 | 法人:小規模法人 |
| スタンダード(法人) | 8,980円 | 法人:中小法人・複数ユーザー |
| アドバンス(法人) | 39,780円 | 法人:中規模以上の法人 |
| エンタープライズ(法人) | 要問い合わせ | 法人:大規模法人 |
マネーフォワードクラウド会計の料金プラン(個人・法人)
| プラン | 月額(税抜) | 対象 |
|---|---|---|
| パーソナルミニ(個人) | 900円(月払い1,280円) | 個人:副業・小規模な確定申告 |
| パーソナル(個人) | 1,280円(月払い1,680円) | 個人:一般的な個人事業主 |
| パーソナルプラス(個人) | 2,980円(年払いのみ) | 個人:電話サポートが必要な方 |
| ひとり法人 | 2,480円 | 法人:従業員のいない一人法人 |
| スモールビジネス(法人) | 4,480円 | 法人:小規模法人 |
| ビジネス(法人) | 6,480円 | 法人:成長中の法人 |
| クラウド会計Plus | 要問い合わせ | 法人:IPO準備・中堅〜上場企業 |
料金の実態として、マネーフォワードクラウドは会計以外のサービス(給与・経費・請求書)もまとめて使う場合に「クラウドシリーズ」としてパッケージ価格になります。総合的に使う場合は割安になるケースがあります。
※表内の料金はすべて税抜・2026年7月時点で、各社が「月額◯◯円〜」として掲げる年払い時の月額換算です(月払いは各社やや割高になります。プレミアム・入力おまかせ・パーソナルプラスは年払いのみ)。従量課金やオプション費用が別途かかる場合があります。最新の料金はfreee公式の料金ページ・マネーフォワード公式の料金ページで必ずご確認ください。
※キャンペーン情報(2026年7月時点):マネーフォワードは年払い契約でAmazonギフトカードを進呈するキャンペーンを実施中です(新規契約が対象・〜2026年10月31日)。freeeも個人向け年払いを対象とした割引などを随時実施しています。適用条件・期限は変動するため、詳細はfreeeキャンペーン一覧・マネーフォワードのキャンペーンで最新情報をご確認ください。
使いやすさ比較:初心者 vs 経理経験者
freeeが向いている人
freeeは「経理の知識がなくてもクラウドで完結させたい」という個人事業主・フリーランスに特に評価されています。確定申告書の自動作成機能が充実しており、質問に答えていくだけで青色申告決算書や確定申告書Bが完成します。勘定科目の知識がなくても操作できる設計が最大の特徴です。
マネーフォワードクラウドが向いている人
マネーフォワードクラウドは、複式簿記の基礎知識がある経理担当者や税理士が使いやすい設計です。仕訳入力の自由度が高く、従来の会計ソフト(弥生会計など)からの移行もスムーズです。複数の口座・クレジットカードを管理し、詳細なレポートを見たい法人に向いています。
「どちらが自社の業種・規模に合うか判断できない」という方は、リーパル会計事務所の無料相談で具体的な業務フローを確認のうえご提案します。
税理士目線での評価
リーパル会計事務所が両ソフトを実際に操作した観点から、率直な評価をお伝えします。
freeeの優れた点
- 個人事業主の確定申告サポートが充実しており、毎年の申告作業がスムーズ
- 消費税の区分設定がわかりやすく、インボイス対応も早かった
- 税理士招待機能で顧問業務の連携がシンプル
freeeの注意点
- 勘定科目のカスタマイズが一部制限される
- 大量仕訳の一括処理が若干もたつくことがある
マネーフォワードクラウドの優れた点
- 金融機関連携の網羅性が高く、地方銀行・信用金庫も対応
- 経費精算・給与・請求書を一元管理できるシリーズ連携が強力
- 事務所アカウントで複数顧客を効率管理できる(税理士・会計事務所向き)
マネーフォワードクラウドの注意点
- 個人事業主の確定申告書自動生成は freee と比べてやや手順が多い
- 全機能を使うには複数サービスの契約が必要になる場合がある
税理士への依頼を考えるときの関連記事
こんな方にはfreee、こんな方にはマネーフォワード
freeeをおすすめする方
- 経理の知識が少ない個人事業主・フリーランス
- 毎年の確定申告を自分で完結させたい方
- 小規模な法人で請求書・経費をシンプルに管理したい方
マネーフォワードクラウドをおすすめする方
- 複数の銀行口座・法人カードを一括管理したい法人
- 給与・経費・請求書・会計をひとつのIDで統合管理したい方
- 経理担当者が在籍していてカスタマイズ性を重視する方
リーパル会計事務所のサポート体制
リーパル会計事務所はfreeeとマネーフォワードクラウド、両方の認定アドバイザーです。導入前の比較相談から初期設定・自動仕訳(=銀行口座やクレジットカードの取引データから勘定科目を自動推定する機能)ルールの構築まで、月額1万円からの経理BPOパッケージに含めてサポートしています。
「どちらが自社に合うか判断できない」という場合は、事業規模・業種・経理体制をヒアリングしたうえで最適なソフトをご提案します。
外部参考:freee公式サイト
よくある質問(FAQ)
Q. freeeとマネーフォワードはどちらが安いですか?
個人事業主向けの最安は、マネーフォワードのパーソナルミニ(年払い月額換算900円/月払い1,280円)、次いでfreeeのスターター(同980円/月払い1,780円)です。法人向けはマネーフォワードのひとり法人(月額換算2,480円〜)、freeeのスターター(同5,480円〜)が入口になります(いずれも税抜・2026年7月時点)。ただし機能差が大きいため、必要な機能が含まれるプランで比較することをおすすめします。
Q. 途中でソフトを切り替えることはできますか?
技術的には可能ですが、仕訳データの移行には手間がかかります。年度末や決算期に切り替えるのが最もスムーズです。リーパル会計事務所では移行サポートも承っています。
Q. 税理士に申告を依頼しているが、自分でソフトを使う必要がありますか?
日常の入力を自分で行うことで月次試算表がリアルタイムで確認でき、経営判断に活かせます。ただし申告そのものは税理士が対応するため、連携機能(招待・共有)を活用することをおすすめします。
Q. 個人事業主から法人成りした場合、ソフトはどうすればいいですか?
freee・マネーフォワードともに法人プランへの切り替えが必要です。データの引き継ぎ方法はソフトによって異なりますので、事前に確認するか専門家に相談することをおすすめします。
Q. AI-OCR(=AIによる文字認識で領収書や請求書をデジタル化する仕組み)を使いたい場合はどちらが対応していますか?
両ソフトともにレシート・領収書の読み取り機能があります。リーパル会計事務所ではGemini活用のAI-OCR(=AIによる文字認識で領収書や請求書をデジタル化する仕組み)を組み合わせた独自の記帳サポートも提供しており、さらに高精度な自動化を実現しています。
まとめ
freeeとマネーフォワードクラウドは、どちらも完成度の高いクラウド会計ですが、向き不向きの軸は明確に異なります。「誰が日々の入力を担当するか」「経費・給与・勤怠などまでまとめて統合したいか」を起点に判断すると、迷いが少なくなります。
- 経理担当を置けない個人事業主・小規模法人で、自分で確定申告まで完結したい → freee
- 簿記知識のある経理担当者がいる、または税理士主導で帳簿を整えたい → マネーフォワードクラウド
- バックオフィス全体を1社で統合したい → クラウドシリーズ統合(MFクラウド)または freee人事労務との連携
リーパル会計事務所では両ソフトの認定アドバイザーとして、特定の製品に偏らない中立的な選定アドバイスをご提供しています。「いま検討中だが結論が出ない」という経営者・経理責任者の方は、初回無料相談で現状をお聞かせください。
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結論:自社に合うソフトを選ばない理由はほとんどありません
freee・MFクラウド・弥生のいずれも、適切に選定すれば中小企業の経理を月10時間単位で省力化できます。しかし「無料だから」「他社が使っているから」で選ぶと、業務に合わず再選定するコストが発生します。つまり、最初の選定段階で『自社の業務フローに合わせて選ぶ』ことが、最もリターンの高い投資です。
リーパル会計事務所では、freee・MFクラウド両方の認定アドバイザーとして中立的な比較・判定を提供しています。まずはフラットな状態でお聞かせください。
監修:鳥羽 卓朗(公認会計士・税理士)
リーパル会計事務所 代表。クラウド会計支援1,000社超の実績を持ち、freee・マネーフォワードクラウド両方の認定アドバイザー。AI-OCR(=AIによる文字認識で領収書や請求書をデジタル化する仕組み)・Gemini活用による経理DX支援にも注力。
最終更新日:2026年7月29日
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