最終更新日: 2026年4月21日
確定申告でのふるさと納税の申告方法|必要書類と手続きの手順
「ワンストップ特例で済ませようと思っていたが、医療費控除や住宅ローン控除と併せて確定申告することになり、ふるさと納税の手続きをどうすればいいか分からない」「複数の自治体に寄附した場合、寄附金受領証明書を全部添付するのか」。ふるさと納税の利用が広がる一方で、確定申告との連動で混乱するケースが増えています。
ふるさと納税は、寄附金額から2,000円を引いた額が所得税・住民税から控除される制度で、年収500万円の方なら年間6万円前後を上限の目安として活用できます。本記事では、リーパル会計事務所が個人事業主・給与所得者向けに整理している「ふるさと納税×確定申告」の申告手順、寄附金控除の記入欄、e-Taxでの簡易入力方法、寄附金受領証明書の保管ルールまで、迷わず動ける形で解説します。
まずここを押さえる|ふるさと納税の控除の仕組み
ふるさと納税は正式には「寄附金控除」の一種です。居住地以外の地方自治体に寄附することで、寄附額から自己負担額2,000円を差し引いた金額が、所得税の還付と翌年の住民税の減額という形で控除されます。
控除の流れ
- ふるさと納税ポータルサイト等で寄附を行い、返礼品を受け取る
- 確定申告(またはワンストップ特例申請)を行う
- 所得税の還付(確定申告の場合)+翌年6月以降の住民税が減額される
控除される金額の上限(控除上限額)は、給与収入や家族構成によって異なります。上限を超えた寄附は全額自己負担になるため、事前に上限額を確認することが重要です。
2. ワンストップ特例と確定申告の違い
ふるさと納税の控除を受けるには「ワンストップ特例申請」と「確定申告」の2つの方法があります。
| 比較項目 | ワンストップ特例 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 対象者 | 給与所得者(会社員等)のみ | 誰でも利用可能 |
| 寄附先の数 | 5自治体以内 | 制限なし |
| 申請方法 | 各自治体に申請書を郵送 | 確定申告書に記載して提出 |
| 控除の反映 | 翌年の住民税のみ | 所得税の還付+翌年の住民税 |
| 期限 | 翌年1月10日まで(寄附を行った翌日必着) | 翌年3月15日まで |
個人事業主は必ず確定申告が必要
個人事業主はワンストップ特例を利用できません。元々確定申告の義務がある方はワンストップ特例の適用外となるため、確定申告でふるさと納税の控除を申告します。
また、会社員であっても以下のケースでは確定申告が必要です。
- 6自治体以上に寄附した場合(ワンストップ特例は5自治体まで)
- 医療費控除など他に申告したい控除がある場合
- 給与収入が2,000万円を超える場合
- 副業収入が20万円を超える場合
ふるさと納税で最も多い失敗は「ワンストップ特例の手続きが間に合わなかった」「ワンストップ申請後に確定申告したことで控除がゼロになった」の2パターンです。確定申告する場合は、ワンストップ特例の効果が無効になり、寄附金控除欄に全件を記載し直す必要があります。リーパル会計事務所では、個人事業主・年末調整外の方向けに、ふるさと納税の上限額シミュレーションから確定申告での寄附金控除計上までセットで対応しています。
3. 確定申告に必要な書類
ふるさと納税の申告に必要な書類
| 書類名 | 入手方法 |
|---|---|
| 寄附金受領証明書 | 寄附先の自治体から郵送(1〜2ヶ月程度で届く) |
| 確定申告書(第一表・第二表) | 国税庁Webサイトまたは税務署で入手 |
| マイナンバー確認書類 | マイナンバーカード等 |
寄附金受領証明書の管理ポイント
寄附金受領証明書は自治体ごとに個別に送付されます。複数の自治体に寄附した場合は、届いた証明書をすべて一か所にまとめて保管しましょう。
返礼品の発送より受領証明書の到着が遅れるケースもあるため、年末12月分の寄附は証明書が翌年1〜2月に届くことを想定して管理してください。
4. 確定申告でのふるさと納税申告手順
ステップ1:寄附金受領証明書を全件確認する
各自治体から届いた証明書を並べ、寄附先・寄附日・寄附金額を確認します。
ステップ2:確定申告書の「寄附金控除」欄に記入する
確定申告書(第一表)の「寄附金控除」欄に、控除対象となる寄附金の合計額を記入します。
ステップ3:明細書または証明書を添付する
e-Taxを使用する場合は、寄附金受領証明書の内容を画面上で入力します。紙の申告書を郵送または窓口提出する場合は、証明書の原本またはコピーを添付します(e-Taxの場合は添付不要で5年間保存)。
ステップ4:申告書を提出する
国税庁の確定申告書等作成コーナー(www.keisan.nta.go.jp)では、画面の案内に従って入力するだけで申告書が自動作成されます。e-Taxであればそのままオンライン提出が可能です。
5. 控除上限額の目安
ふるさと納税の控除上限額は、課税所得(年収から給与所得控除・各種所得控除を差し引いた額)に応じて決まります。
| 年収(給与所得者・独身の場合) | 控除上限額の目安 |
|---|---|
| 300万円 | 約2万8,000円 |
| 400万円 | 約4万2,000円 |
| 500万円 | 約6万1,000円 |
| 700万円 | 約10万8,000円 |
| 1,000万円 | 約17万6,000円 |
※扶養家族の有無・他の控除の状況によって変動します。
個人事業主の場合は、事業所得(収入−必要経費)をもとに計算するため、年収よりも上限額が低くなる傾向があります。各ふるさと納税ポータルサイトが提供しているシミュレーターを活用するか、税理士に確認することをお勧めします。
6. ふるさと納税に関する注意点
上限を超えた寄附は自己負担
控除上限額を超えて寄附した場合、超過分は全額自己負担となります。返礼品の価値よりも実質負担が増える可能性があるため、必ず事前に上限額を試算してください。
ワンストップ特例の期限後の対応
ワンストップ特例申請を行った後に確定申告が必要になった場合(他の控除を追加する等)、ワンストップ特例の効力は失われます。確定申告書にふるさと納税の寄附金控除も忘れずに記載してください。
証明書の紛失
証明書を紛失した場合は、寄附先の自治体に再発行を依頼できます。ただし時間がかかる場合があるため、早めに対応してください。
ふるさと納税の控除後の住民税への影響については「確定申告と住民税の関係」をご参照ください。個人事業主の確定申告全体については「個人事業主の確定申告のやり方完全ガイド」も合わせてご覧ください。
ここまでの判断基準を読んでもご自身の状況に当てはめにくい場合は、リーパル会計事務所の税理士に直接ご相談いただくのが最短です。所得・控除・帳簿状況をヒアリングしたうえで、必要な対応を具体的にお伝えします。
よくある質問(FAQ)
Q1. ふるさと納税を複数の自治体に寄附した場合、すべて申告が必要ですか?
はい、すべての寄附について寄附金受領証明書を用意し、合計額を申告する必要があります。証明書が届いていないものは控除の対象にできないため、年末に寄附した分の証明書は翌年1〜2月まで確認を続けてください。
Q2. ふるさと納税の返礼品には税金がかかりますか?
返礼品は「一時所得」として扱われます。ただし、一時所得は50万円の特別控除があるため、返礼品の価値(寄附額のおおよそ30%程度)が年間合計で50万円を超えない限り課税されないケースがほとんどです。
Q3. 個人事業主でも控除上限額シミュレーターを使えますか?
給与所得者向けのシミュレーターは個人事業主には正確でない場合があります。個人事業主は事業所得(収入−必要経費)をもとに計算するため、税理士に相談するか、国税庁の計算ツールで正確な試算を行うことをお勧めします。
Q4. ふるさと納税は何月に寄附すればいいですか?
控除対象となるのはその年の1月1日〜12月31日の間の寄附です。年内であればいつでも構いませんが、年末ギリギリの寄附は受領証明書の到着が翌年になる場合があるため、余裕を持って12月上旬〜中旬までに行うことをお勧めします。
Q5. ワンストップ特例申請を済ませた後に医療費控除を申告したくなった場合はどうすればよいですか?
確定申告でふるさと納税の寄附金控除も合わせて申告してください。この場合、ワンストップ特例申請の効力はなくなりますが、確定申告で同じ控除を受けられます。
まとめ
個人事業主はワンストップ特例が使えないため、ふるさと納税の控除は必ず確定申告で申告します。寄附金受領証明書を大切に保管し、確定申告書の「寄附金控除」欄に正確な金額を記入することが手続きの基本です。控除上限額を事前に確認し、上限を超えた寄附にならないよう注意しましょう。
リーパル会計事務所へのご相談
リーパル会計事務所は、PwCあらた出身の公認会計士・税理士 鳥羽 卓朗が代表を務める会計事務所です。1,100社以上の関与実績を持ち、freee・マネーフォワードクラウド認定アドバイザーとして、確定申告のサポートを行っています。神戸・横浜・東京・大阪・札幌の5拠点対応で、完全フルリモートにも対応しています。
ふるさと納税の申告方法や確定申告のご相談は、お気軽にお問い合わせください。
リーパル会計事務所では、個人事業主の確定申告・節税対策について、これまで1,100社以上の関与実績をもとにご相談をお受けしています。freee・マネーフォワードクラウド両対応の認定アドバイザーとして、クラウド会計を活用したリアルタイムな経営支援を提供しています。
ふるさと納税は、上限額の範囲内であれば実質負担2,000円で返礼品を受け取れる極めて使い勝手の良い制度です。一方で、確定申告で他の控除(医療費控除・住宅ローン控除1年目・配当控除など)を併用する場合は、ワンストップ特例ではなく確定申告での寄附金控除に切り替える必要があります。リーパル会計事務所では、所得控除の取り方全体を点検したうえで、ふるさと納税の活用設計をご提案しています。「上限額ぎりぎりまで使えているか」「申告漏れがないか」が気になる方は、確定申告期前にぜひご相談ください。
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監修者: 鳥羽 卓朗(公認会計士・税理士)
リーパル会計事務所 代表。PwCあらた有限責任監査法人出身。1,100社以上の関与実績を持ち、個人事業主の確定申告・所得税実務を専門とする。
最終更新日: 2026年5月2日