最終更新日: 2026年4月21日
【2026年版】個人事業主の確定申告のやり方完全ガイド|必要書類・期限・手順を解説
「個人事業を始めたが、確定申告のやり方が一からわからない」「会計ソフトを入れたものの、結局何から手をつければ良いか整理できない」。フリーランス・個人事業主として活動を始めて初めての確定申告を前にして、毎年この時期にリーパル会計事務所への相談が集中する論点です。確定申告は「とりあえず数字を埋めて出せばいい」ものではなく、青色申告の選択・経費の按分・控除の取り方で、納税額が10万円以上違ってくる経営判断の場面です。
本記事では、初めての確定申告に取り組む個人事業主の方を対象に、必要書類の準備から提出までを6ステップに分けて、リーパル会計事務所の現場感覚で解説します。freee・マネーフォワードクラウドの設定、青色申告承認申請のタイミング、よくある申告ミスの回避方法まで、実務に即して網羅的にお届けします。
まずここを押さえる|確定申告とは何か?個人事業主が申告すべき理由
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得を集計し、それに対する所得税額を計算して税務署に申告・納付する手続きです。会社員の場合は勤務先が年末調整で税額を精算しますが、個人事業主はこの年末調整の対象外であるため、自分自身で申告する義務があります。
個人事業主が確定申告をしなければならないのは、主に以下の理由からです。
申告義務が生じるケース
- 事業所得の金額(収入から必要経費を差し引いた額)が基礎控除額を超える場合(令和8年分は基礎控除が引き上げられ、合計所得金額132万円以下で104万円、原則62万円。令和8年12月1日施行・令和8年分から適用)
- 不動産所得・譲渡所得など事業以外の所得がある場合
- 専従者給与を配偶者や家族に支払っている場合
反対に、赤字であっても青色申告を選択しているのであれば、損失繰越の恩恵を受けるために申告することが非常に重要です。「赤字だから申告しなくていい」と思い込んでいると、翌年以降に繰り越せるはずだった損失を無駄にしてしまいます。
また、社会保険料の算定基準となる住民税や国民健康保険料は確定申告の内容をもとに計算されます。正しく申告することが、社会保障の適正な受給にもつながります。
2. 確定申告の期限と提出方法
申告期限
| 税目 | 申告期限 | 納付期限 |
|---|---|---|
| 所得税 | 翌年3月15日 | 翌年3月15日(振替納税は4月下旬) |
| 消費税(課税事業者の場合) | 翌年3月31日 | 翌年3月31日 |
| 個人住民税 | 確定申告と連動(自動通知) | 翌年6月以降(普通徴収) |
2026年分の確定申告(所得税)の期限は2027年3月15日です。この日が土日・祝日の場合は翌平日に繰り越されます。
なお、消費税の申告・納付期限は所得税よりも2週間遅い3月31日です。売上が1,000万円を超えた年の翌々年から課税事業者となるため、開業から2年以上経過している方は消費税の納税義務の有無も確認してください。
提出方法の比較
確定申告書の提出方法は3種類あります。
| 提出方法 | 特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|
| e-Tax(オンライン) | 24時間提出可能。マイナンバーカードとスマートフォンがあれば手続き不要 | IT操作に慣れている方 |
| 郵送 | 税務署に行く必要なし。消印有効 | 遠方在住の方 |
| 窓口持参 | 担当者に質問できる。受付印をもらえる | 初めての方・不安な方 |
e-Taxを利用すると、65万円の青色申告特別控除(複式簿記・電子帳簿保存が条件)の適用が可能になります。2020年以降はe-Tax提出が65万円控除の必須条件となっているため、所得の大きい個人事業主にとってe-Taxの活用は実質的な節税手段です。
ただし、青色申告特別控除には55万円控除(複式簿記+紙申告)と10万円控除(簡易簿記)の選択肢もあります。65万円控除は、複式簿記+e-Tax申告または電子帳簿保存(優良な電子帳簿)の要件を満たした場合に適用されます。
確定申告で「申告漏れ・経費漏れ」を防ぐコツは、申告期間(2月16日〜3月15日)に駆け込みで作業しないことです。1月のうちに帳簿を確定させ、2月初旬に試算と控除証明書の整合チェック、2月中旬に申告書の下書き、3月初旬に最終確認——というフローを毎年同じ形で回すと、ミスが減りつつ節税余地も拾い切れます。リーパル会計事務所では、freee/MFクラウドの月次運用と連動して、年明けから3月までの作業ロードマップを顧問先と共有しています。
3. 確定申告に必要な書類一覧
全員が必要な書類
- 確定申告書(第一表・第二表)
- 収支内訳書(白色申告の場合)または青色申告決算書(青色申告の場合)
- マイナンバー確認書類(マイナンバーカード、または通知カード+本人確認書類)
所得・控除の種類に応じて追加が必要な書類
| 書類 | 必要なケース |
|---|---|
| 社会保険料控除証明書 | 国民健康保険・国民年金を支払っている場合 |
| 生命保険料控除証明書 | 生命保険・介護保険・個人年金に加入している場合 |
| 医療費の領収書(明細書) | 医療費控除を申請する場合 |
| 寄附金受領証明書 | ふるさと納税などの寄附控除を申請する場合 |
| 売買契約書・仲介手数料明細 | 不動産を売却した場合 |
| 株式等の特定口座年間取引報告書 | 株式・投資信託を売買した場合 |
| 小規模企業共済掛金払込証明書 | iDeCo・小規模企業共済に加入している場合 |
帳簿・経理関連書類
青色申告を選択している場合、総勘定元帳・仕訳帳・固定資産台帳などの帳簿を7年間保存する義務があります(白色申告は5年)。これらの帳簿は提出書類ではありませんが、税務調査の際に提示が求められます。
4. 確定申告の手順:ステップごとに解説
ステップ1:帳簿を整理して収支を把握する
年間の売上(収入)と必要経費をすべて帳簿に記録します。freeeやマネーフォワードクラウド確定申告などの会計ソフトを使うと、銀行口座やクレジットカードと連携して自動仕訳ができるため、手作業でのミスが大幅に減ります。リーパル会計事務所はfreee・マネーフォワードクラウド認定アドバイザーとして、クライアントの記帳支援も行っています。
ステップ2:各種控除の証明書を収集する
年末から翌年1月にかけて、保険会社や市区町村からさまざまな控除証明書が郵送されます。紛失しないよう、受け取り次第クリアファイルにまとめておく習慣をつけましょう。
ステップ3:申告書を作成する
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(www.keisan.nta.go.jp)を使うと、画面の指示に従って入力するだけで申告書が自動作成されます。会計ソフトを利用している場合は、そのソフトから直接e-Taxデータを出力できるケースも多くあります。
ステップ4:申告書を提出する
e-Taxであれば期限内(3月15日まで)に送信するだけで手続き完了です。郵送の場合は消印が期限内であれば有効です。
ステップ5:税金を納付する
申告後、所得税の納付が必要な場合はダイレクト納付・コンビニ納付・クレジットカード納付などの方法で支払います。振替納税(口座引き落とし)を設定すると、4月下旬に自動引き落としされるため納付忘れを防げます。
5. 青色申告と白色申告、どちらを選ぶべきか
個人事業主が確定申告をする際、「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。
| 比較項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除 | 最大65万円(10万円の場合もあり) | なし |
| 記帳方法 | 複式簿記(65万円控除の場合) | 単式簿記でも可 |
| 赤字の繰越 | 3年間可能 | 不可 |
| 専従者給与 | 届出により経費計上可能 | 上限あり |
| 事前手続き | 青色申告承認申請書の提出が必要 | 不要 |
所得が一定以上見込まれる個人事業主であれば、青色申告を選択するほうが節税効果は明確に高くなります。青色申告を希望する場合は、開業から2ヶ月以内(または承認を受けたい年の3月15日まで)に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
詳しくは「青色申告と白色申告の違いを比較|どちらを選ぶべきか税理士が判断基準を解説」をご参照ください。
税理士への依頼を考えるときの関連記事
6. よくあるミスと注意点
個人事業主が確定申告でつまずきやすいポイントを整理します。
経費の計上漏れ
事業に関連する支出でも、領収書がなかったり帳簿に記録していなかったりすると経費計上ができません。少額でもレシートを保管し、用途・取引先をメモしておく習慣が重要です。経費として認められる費用の詳細は「確定申告で認められる経費一覧」をご覧ください。
消費税の区分誤り
軽減税率(8%)と標準税率(10%)が混在している取引では、消費税率の区分を正しく記録することが求められます。インボイス制度(適格請求書等保存方式)が2023年10月から開始されており、課税事業者の場合は適格請求書の保存も必要です。
期限超過
申告期限(3月15日)を過ぎると、無申告加算税や延滞税が発生します。ただし、期限後1ヶ月以内に自主的に申告すれば無申告加算税が免除される場合があります。期限を過ぎてしまった場合の対処法は「確定申告の期限を過ぎたらどうなる?」で詳しく解説しています。
ここまでの判断基準を読んでもご自身の状況に当てはめにくい場合は、リーパル会計事務所の税理士に直接ご相談いただくのが最短です。所得・控除・帳簿状況をヒアリングしたうえで、必要な対応を具体的にお伝えします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 開業したばかりで売上がほとんどない場合も確定申告は必要ですか?
事業所得が基礎控除の範囲内(令和8年分は合計所得金額132万円以下で104万円、原則62万円)であれば、申告義務はありません。ただし、赤字の場合でも青色申告で損失を翌年に繰り越すためには申告が必要です。
Q2. 副業の場合は確定申告が必要ですか?
給与所得者(会社員)であっても、副業による所得が年間20万円を超えた場合は確定申告が必要です。20万円以下の場合でも住民税申告は必要なケースがあります。
Q3. 確定申告書の作成を自分でするのが不安な場合はどうすればいいですか?
税務署の無料相談窓口(2月中旬〜3月中旬に開設)を利用するか、税理士に依頼する方法があります。リーパル会計事務所では初回相談を無料で承っております。
Q4. e-Taxを使うにはどんな準備が必要ですか?
マイナンバーカードとICカードリーダー(またはスマートフォン)があれば利用できます。
Q5. 確定申告後、税金はいつ払えばいいですか?
所得税の納付期限は3月15日です。振替納税を設定した場合は4月下旬に口座から引き落とされます。
まとめ
個人事業主の確定申告は、帳簿整理→必要書類の収集→申告書の作成→提出→納付という流れで進めます。青色申告を選択することで65万円の特別控除をはじめとした大きな節税効果が得られるため、まだ白色申告の方は切り替えを検討する価値があります。
申告内容に不安がある方や、税務的な最適化を図りたい方は、税理士への相談をおすすめします。
リーパル会計事務所へのご相談
リーパル会計事務所は、PwCあらた出身の公認会計士・税理士 鳥羽 卓朗が代表を務める会計事務所です。1,100社以上の関与実績を持ち、freee・マネーフォワードクラウド認定アドバイザーとして、クラウド会計を活用した効率的な記帳・申告をサポートしています。神戸・横浜・東京・大阪・札幌の5拠点対応で、完全フルリモートにも対応しています。
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リーパル会計事務所では、個人事業主の確定申告・節税対策について、これまで1,100社以上の関与実績をもとにご相談をお受けしています。freee・マネーフォワードクラウド両対応の認定アドバイザーとして、クラウド会計を活用したリアルタイムな経営支援を提供しています。
初めての確定申告は、誰でも不安が大きいものです。しかし、一度フローを正しく組み立ててしまえば、翌年からは「同じ手順をなぞるだけ」で済むようになります。リーパル会計事務所では、初年度の確定申告の伴走支援から、翌年以降の月次サポートまで、段階的に関与の深さを調整できる支援メニューをご用意しています。「自分一人では不安」「最初の1年だけでも見てほしい」とお考えの個人事業主の方は、ぜひお気軽にお声がけください。
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監修者: 鳥羽 卓朗(公認会計士・税理士)
リーパル会計事務所 代表。PwCあらた有限責任監査法人出身。1,100社以上の関与実績を持ち、個人事業主の確定申告・所得税実務を専門とする。
最終更新日: 2026年5月2日