毎年2〜3月に訪れる確定申告シーズン、「今年こそfreeeで自分で申告してみたい」と思っている個人事業主の方は多いのではないでしょうか。freeeは取引の入力から申告書の生成・e-Tax(=国税庁が提供する電子申告・納税システム)送信まで一気通貫で対応しており、正しく使えば税理士に丸投げしなくても確定申告を完結させることができます。
本記事では、freeeを使った個人事業主の確定申告を、準備段階から電子申告まで順を追って解説します。
迷わない!確定申告前に確認すべきfreeeの設定を3ステップで終える
青色申告(=事前届出をしたうえで複式簿記(=取引を借方・貸方の両面から記録する帳簿方式)で帳簿をつける制度)と白色申告の違い
個人事業主の確定申告は「青色申告(=事前届出をしたうえで複式簿記で帳簿をつける制度)」と「白色申告」の2種類があります。
| 項目 | 青色申告(=事前届出をしたうえで複式簿記で帳簿をつける制度) | 白色申告 |
|---|---|---|
| 帳簿の要件 | 複式簿記(正規)または簡易帳簿 | 単式簿記でよい |
| 特別控除 | 最大65万円(電子申告+複式簿記) | なし |
| 赤字の繰越 | 3年間可能 | 不可 |
| 手間 | やや多い | 少ない |
| freeeでの対応 | フル対応 | フル対応 |
青色申告65万円控除を活用するためには、freeeで複式簿記による記帳を行い、e-Tax(=国税庁が提供する電子申告・納税システム)で電子申告することが条件です。年間65万円の控除は、所得税率20%の事業者であれば最大13万円の節税に相当します。
まだ青色申告の承認を受けていない場合は、開業日から2ヶ月以内(翌年分から適用する場合はその年の3月15日まで)に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
freeeの会計期間・消費税設定の確認
申告作業に入る前に、以下を確認してください。
- 会計期間: 個人事業主は1月1日〜12月31日に固定されています。設定がずれていないか確認します
- 消費税の申告区分: 課税事業者の場合は「課税事業者」、インボイス番号の登録有無も確認
- 事業所情報: 屋号・住所・マイナンバーが正しく入力されているか確認
ステップ1:期末までに全取引を入力・承認する
freeeで確定申告を行うための前提は、12月31日時点での全取引の入力が完了していることです。
チェックリスト
- 銀行口座の全明細が承認済みになっているか
- クレジットカードの全明細が処理済みになっているか
- 現金払いの経費がすべて手動入力されているか
- 売掛金・買掛金の期末残高が正しいか
- 棚卸資産がある場合、期末棚卸高を入力しているか(小売・飲食・製造業など)
棚卸資産の計上漏れは、売上原価の計算に誤りが生じるため特に注意が必要です。
freeeで確定申告前の帳簿整理に不安がある場合は、リーパル会計事務所が申告前チェックリストをもとに仕訳の抜け漏れを確認します。
ステップ2:確定申告メニューで申告書を作成する
freeeの確定申告ナビゲーターを使う
freeeには確定申告の入力をガイドする「確定申告ナビゲーター」機能があります。「確定申告」メニューから対象年度を選択すると、ステップ形式で必要事項を入力できます。
所得控除の入力
確定申告書に反映する所得控除を入力します。主な控除とfreeeでの入力方法は以下のとおりです。
| 控除の種類 | 必要な書類 | freeeでの入力箇所 |
|---|---|---|
| 社会保険料控除 | 国民健康保険・国民年金の支払証明書 | 控除入力画面 |
| 生命保険料控除 | 保険会社からの控除証明書 | 控除入力画面 |
| 地震保険料控除 | 保険会社からの控除証明書 | 控除入力画面 |
| 医療費控除 | 医療費の明細(領収書) | 医療費集計フォーム |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 共済の支払証明書 | 控除入力画面 |
| 配偶者控除・扶養控除 | 配偶者・扶養親族の所得情報 | 控除入力画面 |
医療費控除については、freeeの「医療費控除の明細書」機能を使うと支払先・金額を一覧表形式で入力でき、添付書類として出力できます。
青色申告特別控除の確認
青色申告者は、freeeの確定申告画面で以下を確認してください。
- 65万円控除の適用条件: 複式簿記 + e-Tax(=国税庁が提供する電子申告・納税システム)送信
- 55万円控除: 複式簿記 + 紙申告
- 10万円控除: 簡易帳簿
freeeで複式簿記による記帳を行い、e-Taxで送信すれば自動的に65万円控除が適用されます。
ステップ3:e-Tax(電子申告)で申告書を送信する
電子申告の2つの方法
freeeからe-Taxに申告書を送信する方法は2種類あります。
方法1: マイナンバーカード方式
- マイナンバーカードとICカードリーダー(またはスマートフォン)が必要
- 税務署への事前手続き不要
- 最もスムーズな方法
方法2: ID・パスワード方式
- マイナンバーカードが不要
- 事前に税務署でID・パスワードを取得する必要がある
- カードリーダーなしで申告できる
どちらの方法でも、freeeの「e-Taxで送信」ボタンから送信手続きを進められます。送信完了後に受信通知(受付番号)が発行されますので、必ず保存してください。
申告期限と納付期限
| 申告・納付内容 | 期限 |
|---|---|
| 所得税の確定申告 | 3月15日 |
| 所得税の納付 | 3月15日 |
| 振替納税の場合 | 4月下旬(金融機関から自動引落) |
| 消費税の申告・納付 | 3月31日(個人事業主の場合) |
| 予定納税がある場合 | 7月と11月 |
freeeを使った確定申告でよくある失敗と対策
失敗1:事業経費と生活費が混在している
個人事業主によくあるのが、プライベートと事業の支出が混在したまま申告してしまうケースです。「自宅兼事務所」の場合は家賃・光熱費を事業割合で按分する「家事按分」の計算が必要です。freeeでは「家事按分の設定」で割合を指定できます。
失敗2:売掛金・未収入金の計上漏れ
現金主義(入金があったときに収入を計上)で入力していると、12月末時点で未回収の売掛金が収入から抜けてしまいます。青色申告の場合は発生主義(請求した時点で収入計上)が原則ですので注意してください。freeeの「請求書」機能を使って請求書を発行すると、発行時点で売掛金として計上されます。
失敗3:減価償却の処理忘れ
パソコンや車など10万円以上の資産を購入した場合は、一括で経費計上するのではなく減価償却の処理が必要です(30万円未満の少額減価償却資産は青色申告事業者に限り一括計上可(令和8年度税制改正大綱で対象が40万円未満に引き上げ、適用期限が令和11年3月31日まで延長される見込み))。(現行制度では上限は30万円未満で、適用期限は令和8年3月31日までです。40万円未満への引上げ・延長は令和8年度税制改正大綱に基づく内容のため、適用時期は改正法の施行状況をご確認ください。)freeeの「固定資産台帳」機能で登録すると、毎期自動的に減価償却費が計上されます。
freeeで確定申告書を作成した後に「節税の余地がないか確認したい」という方は、リーパル会計事務所が申告内容のチェックと控除適用漏れの確認をサポートします。
FAQ
Q. freeeのスタンダードプランがないと確定申告できませんか?
A. 個人事業主の確定申告はスターター(旧:ミニマム)プランでも対応しています。ただし、経費精算・請求書管理なども活用したい場合はスタンダード以上がおすすめです。
Q. 副業の収入もfreeeで申告できますか?
A. 副業収入が20万円を超える場合は確定申告が必要です。freeeでは事業所得・雑所得など所得の種類を区分して入力できますので、本業の事業所得と区別して申告できます。
Q. 申告書を間違えて送信してしまった場合は?
A. e-Taxで送信後でも、期限内であれば「更正の請求」または「修正申告」で訂正できます。税額が多すぎた(還付が受けられる)場合は更正の請求、少なすぎた場合は修正申告を行います。
Q. freeeで作成した申告書を税理士に確認してもらえますか?
A. はい。freeeの「税理士招待」機能で税理士をユーザーとして招待すると、同じデータを共有できます。リーパル会計事務所では、freeeで記帳した内容を確認・修正してから申告代行するプランも提供しています。
Q. 消費税の申告もfreeeでできますか?
A. 課税事業者の場合、freeeで消費税申告書を自動生成できます。インボイス制度(=適格請求書等保存方式。仕入税額控除(=売上にかかる消費税から仕入時の消費税を差し引いて納税する仕組み)の要件として登録番号が必要)への対応も組み込まれているため、適格請求書の発行・受領管理と消費税の仕入税額控除(=売上にかかる消費税から仕入時の消費税を差し引いて納税する仕組み)の計算が連動して行えます。
リーパル会計事務所はfreee認定アドバイザーとして、確定申告期だけのスポット支援から年間顧問契約まで、個人事業主の方の状況に合わせて柔軟にサポートしています。「最終チェックだけお願いしたい」「家事按分や棚卸の計上方法だけ教えてほしい」といった部分相談も歓迎です。
まとめ
freeeで確定申告を完結させる鍵は、年末までに取引入力と承認を終え、青色申告65万円控除の3条件(複式簿記・期限内申告・e-Tax送信)を漏れなく満たすことです。所得控除と医療費控除の集計、固定資産の減価償却までfreeeのナビ通りに進めれば、個人事業主が自力で申告まで到達できる設計になっています。
ただし、家事按分の比率設定や売掛金の発生主義処理、副業収入の所得区分など、判断を誤ると修正申告につながる論点もあります。リーパル会計事務所では、申告書のチェックだけのスポット相談から、年間を通じた記帳支援まで段階的なプランをご用意しています。「自分の入力で65万円控除がきちんと認められるか不安」という方は、初回無料相談からお気軽にお問い合わせください。
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参考資料
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー
- 国税庁 青色申告制度の概要
- freee公式 確定申告ヘルプ
結論:65万円控除を取り切るには「e-Tax×複式簿記×期限内」が三点セット
青色申告特別控除65万円のフル適用は、複式簿記での記帳・期限内申告・e-Tax送信のすべてが揃って初めて認められます。freeeはこの3条件を意識せずに進められるよう導線が設計されていますが、実際には電子証明書の準備不足やマイナンバーカードの読み取りトラブルで、3月15日直前に詰まる方が毎年一定数いらっしゃいます。
リーパル会計事務所では、確定申告期に「freeeで自分でやる前提だが、最後だけ専門家のチェックを入れたい」というニーズに合わせたスポットプランをご用意しています。65万円控除を確実に取りに行きたい個人事業主の方は、e-Tax送信前の早めのタイミングでご相談ください。
監修: 公認会計士・税理士 鳥羽卓朗(リーパル会計事務所 代表)
最終更新日: 2026年5月2日
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