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前の税理士から受け取る資料の一覧|申告書・総勘定元帳・届出書・電子申告の控え

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前の税理士から受け取る資料の一覧|申告書・総勘定元帳・届出書・電子申告の控え

税理士の変更が決まったものの、何を受け取れば次の申告を進められるのか分からず、依頼が止まっていませんか。結論は、申告書・帳簿・届出書・電子申告の受付結果をそろえ、対象期間と確定状況まで確認することです。この記事では、法人と個人事業主が使える資料一覧と、受領時の確認手順を整理します。

この記事は「税理士の乗り換えの連載|変えるか決めるところから、変えた後の1年目まで」の第20回です。

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前の税理士に依頼する資料の一覧

まず、次の表を使い、自社で保管済みのものと、前の税理士が保管しているものを分けましょう。これは引継ぎのための実務上の整理です。すべての事業者に、同じ書類の作成や提出が求められるという意味ではありません。

区分 受け取りたい資料 受領時に比べる点
法人の申告・決算 提出済み申告書の別表・添付書類、決算報告書、勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書 表紙だけでなく、提出した一式か。申告書と決算書の対象期間が一致するか
個人事業の申告・決算 所得税及び復興特別所得税の申告書、青色申告決算書または収支内訳書、提出した付表等 年分がそろっているか。事業の種類に応じた決算書が含まれるか
消費税・地方税等 該当する申告書、付表・計算資料、修正申告書、中間申告書等 自社が申告した税目と提出先を拾えているか。変更後の書類もあるか
日々の帳簿 総勘定元帳、仕訳帳、補助元帳、試算表、会計データ 決算整理後の数値か。期中の入力はどこまで終わっているか
残高の根拠 固定資産台帳、売掛金・買掛金の明細、棚卸表、借入金の返済予定表等 帳簿の残高と内訳がつながるか。未確認の項目は何か
申請・届出 提出済みの申請書・届出書、変更・取りやめの書類、税務署からの通知 提出日と適用関係を確認できるか。後の変更も含まれるか
電子申告 送信した申告書・添付書類の控え、受信通知等の受付結果、利用者情報の管理状況 申告内容と受付結果が対応するか。自社側の保管先はどこか
預けた原資料 請求書、領収書、通帳の写し、契約書、電子取引の元データ等 預けたものと返却されたものが一致するか。原本と写しを区別できるか

法人税の申告書別表、勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書の様式は、国税庁の法人税申告の案内で確認できます。引継ぎでは、名称だけを指定するより「提出した申告書と添付書類の一式」と依頼すると、範囲を合わせやすくなります。

資料の対象期間は、新しい税理士と先に決めましょう。直近の申告だけで足りるとは限りません。過年度から続く資産や税務上の処理があれば、その経緯を追える資料も候補になります。

総勘定元帳は、試算表や決算書とセットで受け取る

科目の合計と、取引の明細を分けて確認する

総勘定元帳は、勘定科目ごとに取引を並べた帳簿です。試算表は、科目ごとの残高などを集計した表です。試算表で全体を見て、総勘定元帳で取引の内容をたどる、という使い分けをします。

国税庁は、法人の帳簿の例として、総勘定元帳、仕訳帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳などを挙げています。決算書だけを受け取って終わりにせず、取引の経緯を確認できる資料も整理しましょう。帳簿と書類の区分は、国税庁の帳簿書類に関する説明が参考になります。

前期分では、決算整理後の帳簿かを確認します。決算整理とは、日々の記帳に、決算のために必要な調整を加えることです。途中の試算表と最終の決算書を混ぜると、残高が合わない理由を調べ直すことになります。

期中分では、「入力済みの期間」と「内容を確認済みの期間」を分けて記録します。会計データに取引が入っていても、内容の確認や資料との照合が残っている場合があります。未処理の取引と不足資料も、一覧にしてもらうと引継ぎに役立ちます。

PDFと会計データは、目的に応じてそろえる

PDFは内容を読むために、会計データは引継ぎ先で集計や照合を進めるために受け取りを検討します。CSVは、表の内容を文字データとして扱うファイル形式です。受け取ったCSVが、そのまま別の会計ソフトに取り込めるとは考えず、対応形式を先に確認してください。

同じ会計ソフトを使い続ける場合も、会社側で帳簿を見られる状態かを確認します。変更先で開けるか、対象期間が欠けていないかまで確かめて、受領済みとするのがおすすめです。移行時の残高合わせは、会計ソフトの乗り換えタイミング|期首・期中・決算後の違いと残高の合わせ方で扱っています。

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届出書は、提出時点から後の変更まで集める

申請書・届出書は、税務上の手続きや選択の経緯を確認する資料です。「以前提出したはず」という記憶だけでなく、実際の書面と提出に関する記録を探しましょう。税務署から承認や登録などの通知を受け取っていれば、それも整理します。

受け取り候補には、青色申告に関する申請書や、消費税の選択に関する届出書などがあります。社長がすべての様式名を調べて指定する必要はありません。「これまで提出した申請書・届出書と、後の変更・取りやめの書類」を依頼し、新しい税理士に不足を確認してもらう形でも進められます。

例えば、消費税の簡易課税制度には、選択の届出書と、適用をやめるための不適用届出書があります。選択の届出があるだけで、その後のすべての期間に適用されるとは判断できません。制度の要件や届出の関係は、国税庁の簡易課税制度の説明で確認できます。

引継ぎ用の一覧には、書類名、提出日、適用に関係する期間、後の変更の有無を記載します。分からない欄は推測で埋めず、「未確認」と残しましょう。届出の控え、受付結果、申告内容を照らし合わせるための目印になります。

資料の受領と、今後の税務判断は分けて整理します。ただし、資料を集める間も、進行中の申告・届出の予定は新しい税理士と共有しましょう。直近に対応する手続きがあれば、期限と担当者を先に確認してください。

電子申告は、申告書本体と受信通知をそろえる

「何を出したか」と「どう受け付けられたか」を確認する

e-Taxは、国税の電子申告・納税のシステムです。電子申告の控えを依頼するときは、送信した申告書・添付書類と、受信通知をセットで指定しましょう。受信通知は、受付結果を確認するための情報です。

国税庁によると、受信通知では、提出した人や法人の氏名・名称、受付番号、受付日時などを確認できます。申告書のPDFだけで受付結果まで確認したつもりにならず、対象の申告と通知を対応させます。送信エラーが表示されていれば、その後の対応状況も確認する必要があります。

受付結果は、e-Taxソフト(WEB版)の「お知らせ・受信通知」から確認できます。個人事業主が利用者識別番号とパスワードでログインした場合、一部を除いて詳細を見られず、電子証明書による認証が必要です。操作は、e-Taxの受信通知の確認方法を参照してください。

地方税の電子申告分も、国税分と分けて、申告書と受付結果を受け取り候補に入れます。地方税の電子申告システムであるeLTAXでの給与支払報告書の提出についても、国税庁の操作ガイドでは、送信結果と受付完了通知の確認が区別されています。送信直後の画面だけを残していないか、確認しましょう。

受付印の有無だけで、提出済みかを判断しない

2026年10月時点では、税務署は2025年1月から申告書等の控えへの収受日付印の押なつを行っていません。収受日付印とは、税務署が受け取った日を示す印です。印がないことだけを理由に、未提出とは判断しないでください。書面で提出した分は、控えと提出年月日の記録を確認します。

この取扱いと提出事実の確認方法は、国税庁の収受日付印に関する案内に示されています。過去の受付印付きの控えと、最近の印のない控えが混在していても、提出方法と時期を分けて確認しましょう。

受信通知を画面上に残したままにすることも避けたい点です。2026年10月時点のe-Taxの案内では、受信通知は格納から1,900日間、約5年間を経過すると削除されます。これは自社の帳簿書類の保存期間を示す数字ではありません。必要な控えと通知は、引継ぎの機会に自社でも保存しましょう。

受領一覧を使い、未確認の資料を残さない

依頼時に、対象・形式・受取日を合わせる

依頼書には、資料名に加え、対象期間、希望する形式、受け取りたい日、受取担当者を書きます。前の税理士がすでに会社へ渡している資料も考えられるため、社内の保管先も並行して調べましょう。

会計データや作業資料については、提供できる範囲と形式を確認します。税理士側の内部用の作業メモまで、一律に受け取れるものとして依頼するのは避けましょう。契約上の業務範囲や解約時の取扱いは、【2026年版】税理士の顧問契約書で確認すべき9項目|業務範囲・決算料・解約予告のトラブル回避チェックリストも参考になります。

受領一覧の状態は、「受領済み」「確認中」「不足」「対象外」などで管理します。資料が見当たらないときは、未作成、会社へ返却済み、別の保管場所にある、といった状況を切り分けます。受取先だけでなく、受領後に内容を確認する担当者も決めてください。

自社で確かめるチェックリスト

  • 申告書は、提出した別表・付表・添付書類までそろっているか。
  • 修正申告などがあれば、当初の書類と変更後の書類を区別できるか。
  • 帳簿と決算書の対象期間、確定状況が一致しているか。
  • 期中の入力済み範囲、未確認の取引、不足資料が分かるか。
  • 売掛金・買掛金・固定資産などの内訳を確認できるか。
  • 届出の控えと、その後の変更・取りやめの資料があるか。
  • 電子申告の受付結果が、対象の申告書と対応しているか。
  • 受け取ったファイルを開けて、自社でも保管できているか。
  • 未受領の資料について、保管先、対応する人、次の確認日が決まっているか。

次は説明のための架空の例です。期中に税理士を変更したある法人は、試算表と会計データを受け取りました。受領一覧で確認すると、売掛金の内訳資料がなく、一部の入金の対応先も未確認でした。

そこで、前の税理士には確認済みの範囲を、社内担当者には請求書と入金記録を整理してもらい、新しい税理士へ未確認事項を引き継ぎました。「データを受け取ったか」に加え、「どこまで確認できたか」を記録するための例です。

資料には取引先情報や個人情報が含まれます。受渡し先と共有範囲を確認し、認証情報を一般の資料一覧に書き込むことは避けましょう。変更全体の手続きは、税理士の変更手続きと注意点|トラブルなく変更する方法を解説で整理しています。

まとめ

前の税理士からは、申告書一式、帳簿、届出書、電子申告の受付結果を中心に受け取ります。資料名だけでなく、対象期間、確定状況、未確認事項まで合わせて確認しましょう。受領一覧を会社と新しい税理士で共有すると、不足している資料と次の対応が見えやすくなります。受け取ったファイルを開いて内容を確かめ、自社の保管先も整えてください。

よくある質問

Q. 決算書と申告書だけあれば、引継ぎできますか?

それだけで十分とは判断できません。総勘定元帳や残高の内訳、届出の経緯が必要になることがあります。最新の申告一式を出発点に、新しい税理士と必要な資料・対象期間を決めましょう。

Q. 前の税理士が引退し、申告書の控えを受け取れないときは?

まず社内の保管資料と、e-Taxで確認できるデータを探します。個人事業主は、マイナンバーカードを使う申告書等情報取得サービスも候補です。対象は所得税等の確定・修正申告書、青色申告決算書、収支内訳書で、法人税申告書を同じサービスで取得するものではありません。法人を含む過去の申告内容について、今後の申告書等を作成するために確認する必要がある場合は、納税者等や代理人が利用できる申告書等閲覧サービスも候補です。詳しくは、国税庁の申告書等の確認方法を参照してください。

Q. 資料はPDFだけで受け取ってもよいですか?

読むための控えと、会計処理を引き継ぐためのデータを分けて検討します。PDFだけで足りるかは、引継ぎ先が何を確認・処理するかによります。元データや原資料の保存を終えてよいという意味にはならないため、形式を変える前に保存方法も確認してください。

この記事は公認会計士・税理士の鳥羽卓朗が監修しています。
最終更新日: 2026年10月19日

参考資料

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