確定申告を税理士に依頼する際に渡す書類は、個人事業主の場合「売上書類・経費領収書・帳簿データ・各種控除証明書」が基本です。本記事では、状況別の書類リスト、費用を抑える整理方法、渡し方までを2026年提出分の情報で解説します。書類を事前に整理しておくと、税理士の作業時間が減り費用も抑えられます。
確定申告で税理士に渡すもの:基本セット
まず、多くの方に共通して必要になる書類です。
| 書類 | 内容・ポイント |
|---|---|
| マイナンバー確認書類 | マイナンバーカード、または通知カード+身分証(運転免許証等) |
| 還付先の口座情報 | 銀行名・支店名・口座番号(還付がある場合) |
| 各種控除証明書 | 生命保険・地震保険・小規模企業共済等の控除証明書 |
| 社会保険料の支払い記録 | 国民健康保険料・国民年金の支払い記録 |
| ふるさと納税の受領証明書 | ワンストップ特例を使わない場合 |
2年目以降は、前年の確定申告書のコピーも渡すと、税理士が前年と今年の数字を比較しながら作業できます。青色申告の場合は前年の青色申告決算書も一緒に渡すとスムーズです。
個人事業主・フリーランスが追加で用意するもの
売上に関する書類:発行した請求書のコピーまたは一覧表、入金が確認できる通帳明細・振込明細、各種オンライン決済の明細、レジ日報・売上日計表(実店舗の場合)など、売上の全体像が把握できるものを用意します。
経費の領収書・レシート:月別・科目別に整理してから渡すと作業効率が上がり費用を抑えられます。レシートが小さいものはA4用紙に貼っておくと紛失を防げます。
帳簿・クラウド会計のデータ:freee・マネーフォワードクラウドなどは閲覧権限の共有または月次データのPDFで、Excel帳簿はファイル共有で渡します。クラウド会計は閲覧権限を付与するだけで受け渡しが完了します。
固定資産関連書類:パソコン・機器・車両等の購入領収書(取得価額10万円以上は原則として資産計上・減価償却の対象)、前年からの固定資産台帳、事業用車両の車検証のコピーなどです。
所得の種類別に追加が必要な書類
不動産所得がある場合は、賃貸借契約書のコピー、家賃収入の通帳明細、修繕費・管理費の領収書、ローン返済明細(利息部分を経費計上)、固定資産税の納付書、物件の取得価額が分かる書類(減価償却計算のため)が必要です。株式・FX・仮想通貨がある場合は、証券会社・FX業者の年間取引報告書、仮想通貨の取引所からの年間取引履歴(計算が複雑な場合は事前計算で費用を抑えられます)を用意します。副業収入がある場合は収入が分かる書類・源泉徴収票・関連経費の領収書、医療費控除・寄附金控除を受ける場合は医療費の領収書や寄附金受領証明書が追加で必要です。
不動産所得の申告の詳細は大家・不動産オーナーの確定申告と節税|不動産所得・減価償却・青色申告を税理士が解説もご参照ください。
費用を抑える書類の整理術
最も費用対効果が高いのは「月別×科目別」の2段階整理です。まず月ごとにクリアファイルや封筒に分け、各月の中で科目別(交通費・消耗品費・通信費等)にまとめ、金額の大きなものに科目名をメモします。この整理だけで税理士の記帳時間を大きく削減でき、費用を2〜5万円ほど抑えられることがあります。
freee・マネーフォワードクラウドで銀行口座・クレジットカードを自動連携すれば、取引の大部分が自動で記帳され、閲覧権限の共有だけで受け渡しが完了します。
電子帳簿保存法の注意点(2024年から本格適用)
領収書をスマホでスキャンしたデータで渡すことも可能です(多くの税理士が対応しています)。ただし、メールやECサイトで受け取った請求書・領収書などの電子取引データは、電子帳簿保存法により電子データのまま保存する必要があります。この義務化は2022年1月施行後、2年間の宥恕(ゆうじょ)期間を経て、2024年1月から本格的に適用されています(一定の要件を満たす場合の猶予措置あり)。なお、紙で受け取った領収書は、スキャンしても紙の原本の保存義務が残る点に注意してください。電子帳簿保存法の対応は電子帳簿保存法の対応方法を完全解説で詳しく解説しています。
渡した書類の返却・保管
確定申告の完了後、預けた書類は通常1〜3か月以内に返却され、申告書のコピーも受け取ります。保存期間は、帳簿・請求書・領収書・確定申告書とも原則7年間です(青色申告で欠損金がある場合、帳簿は10年間)。返却された書類は年度別にファイリングして保管しましょう。
書類が不足した場合の対処もあります。領収書を紛失したときはクレジットカード明細や通帳で支払いを確認できれば代替になることがあり、請求書のコピーがないときは取引先への再発行依頼や振込明細で売上を証明します。前年の申告書がないときは、e-Taxのマイページから確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q. 確定申告で税理士に渡す書類は何ですか?
A. 個人事業主の基本は、マイナンバー確認書類、売上書類(請求書・通帳明細)、経費の領収書・レシート、帳簿データ(クラウド会計等)、各種控除証明書です。副業・不動産・投資など、所得の種類によって追加書類が必要になります。
Q. 領収書は整理してから渡す必要がありますか?
A. 必須ではありませんが、整理するほど費用を抑えられます。月別に分けるだけでも効果があり、完全に整理できない場合は金額の大きなものだけでも科目をメモしておくとよいでしょう。
Q. 書類をなくしてしまった場合はどうすればよいですか?
A. クレジットカード明細・通帳明細・ネットバンキングの履歴で支払いを証明できる場合があります。領収書の再発行を依頼することも可能です。どうしても証明できない場合は税理士に相談してください。
Q. 電子データで渡すことはできますか?
A. できます。多くの税理士事務所がオンライン対応しており、クラウド会計の閲覧権限を共有するか、PDF・Excelをクラウドストレージ等で送るのが一般的です。郵送が不要なため、遠方の税理士にも依頼しやすくなります。
Q. スキャンした領収書だけ保存すれば、紙は捨ててよいですか?
A. 紙で受け取った領収書は、スキャンしても紙の原本の保存義務が残るのが原則です。一方、メールやECで受け取った電子取引データは電子データのまま保存する必要があります。区分に注意してください。
参考資料
確定申告で税理士に渡すものは、マイナンバー書類・売上書類・経費領収書・帳簿データ・各種控除証明書が基本です。月別に整理してから渡すことで費用を抑えられ、クラウド会計で日頃から記帳しておくとさらにスムーズになります。
リーパル会計事務所では、1,100社以上の関与実績とクラウド会計導入支援の知見をもとに、個人事業主の記帳から確定申告、節税提案までをオンラインでサポートしています。何を準備すればよいか不安な方も、お気軽にご相談ください。
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監修者: 鳥羽 卓朗(公認会計士・税理士)
リーパル会計事務所 代表。PwCあらた有限責任監査法人出身。1,100社以上の関与実績を持ち、個人事業主の確定申告・記帳・節税を専門とする。
最終更新日: 2026年7月2日
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