ユナイテッド航空のマイレージプログラム「MileagePlus(マイレージプラス)」のマイルは、有効期限がありません。貯めたマイルは、ユナイテッド航空のほか、ANAを含むスターアライアンスの提携便の特典航空券に使え、ANAの日本の国内線にも使えます。出張の多い経営者や個人事業主が、事業の支払いでこのマイルを貯めようと考えることは多いと思います。
この記事では、日本で発行されているマイレージプラスのクレジットカードを公式サイトの記載で比べ、事業の支払いに使うときの選び方と、税理士の立場から、法人・個人事業主それぞれの経理と税金の扱いを整理します。カードの条件は2026年10月21日時点の各社とユナイテッド航空の公式サイトによります。入会キャンペーンなど期間限定の特典は含めていません。申し込む前に、必ず各社の最新の条件を確かめてください。
マイレージプラスのマイルの特徴
- 有効期限がない:カードの利用で貯めたマイルも含め、マイルに有効期限はありません。出張の少ない年があっても、マイルが消える心配はありません。
- ANAの国内線にも使える:スターアライアンスの提携便の特典航空券に使え、ANA便も対象です。予約はユナイテッド航空の側で特典航空券を探して発券します。希望の便が取れるかは、その時の特典の席の空き次第です。
- カードの会員は必要マイル数が少なくなる:対象のカードの本会員は、ユナイテッド航空(ユナイテッド・エクスプレスを含む)の特典航空券を、通常より10%以上少ないマイルで予約できます。ANA便などの提携便には、この割引はありません。
なお、カードの「ゴールド」「プラチナ」は、ユナイテッド航空の上級会員資格(プレミア資格)とは別のものです。カードを持つだけでプレミア資格が付くわけではありません。
日本で発行されているマイレージプラスのカード
マイレージプラスのマイルが直接貯まるカードは、2026年10月時点で、セゾン・JCB・三菱UFJニコス・UC・ダイナースクラブの5つのシリーズがあります(UCのカードもクレディセゾンが発行しているので、発行会社は4社です)。年会費は本会員の税込の額、マイルは通常の買い物1,000円(税込)あたりの数です。ユナイテッド航空の航空券を買ったときや、税金・公共料金を払ったときは、カードによってマイルの数や上限が変わります(下の「選び方」で説明します)。
| カード | 発行会社 | 年会費 | 1,000円あたりのマイル | 1年に貯まるマイルの上限 |
|---|---|---|---|---|
| MileagePlusセゾンカード | クレディセゾン | 3,300円 | 5マイル(年11,000円の「マイルアップメンバーズ」に入ると15マイル) | マイルアップメンバーズの上乗せ分は年30,000マイルまで |
| MileagePlusセゾンゴールドカード | クレディセゾン | 33,000円 | 15マイル | 年75,000マイルまで(超えた分は5マイル) |
| MileagePlusセゾンプラチナカード | クレディセゾン | 55,000円 | 15マイル | 年900,000マイルまで(超えた分は5マイル) |
| MileagePlus JCBカード(クラシック) | ジェーシービー | 1,375円 | 5マイル | 上限なし |
| MileagePlus JCBカード(一般) | ジェーシービー | 5,500円 | 10マイル | 上限なし |
| MileagePlus JCBカード(ゴールド) | ジェーシービー | 21,450円 | 15マイル | 上限なし |
| MileagePlus JCBカード(プラチナ) | ジェーシービー | 110,000円 | 15マイル | 上限なし |
| MileagePlus MUFGカード | 三菱UFJニコス | 5,500円 | 10マイル | 上限なし |
| MileagePlus MUFGカード ゴールドプレステージ | 三菱UFJニコス | 16,500円 | 国内10マイル・海外15マイル | 上限なし |
| MileagePlus UCカード | クレディセゾン(UCブランド) | 1,650円 | 5マイル | 年800万円の利用(40,000マイル)まで。超えた分は付きません |
| MileagePlus UCゴールドカード | クレディセゾン(UCブランド) | 19,800円 | 10マイル | 年500万円の利用(50,000マイル)まで。超えた分は付きません |
| MileagePlusダイナースクラブカード | 三井住友トラストクラブ | 36,300円 | 10マイル | 上限なし(税金などは別の扱い) |
| MileagePlusダイナースクラブファースト | 三井住友トラストクラブ | 52,800円 | 15マイル(Apple Pay・Google Payは10マイル) | 上限なし(税金などは別の扱い) |
「1年」の数え方はカードによって違います。セゾンは毎年3月4日~翌年2月4日の請求分、UCは毎年2月5日~翌年1月5日の請求分で集計します。セゾンは上限を超えた後も1,000円あたり5マイルが付きますが、UCは上限を超えた分にはマイルが付きません。
この表のほかに、ダイナースクラブやマリオット・ボンヴォイのカードのように、カードのポイントをマイレージプラスのマイルに交換できるカードもあります。交換には手続きが必要で、交換の比率や上限はカードごとに決まっています。
法人の名義で申し込めるマイレージプラスのカードは、2026年10月時点のユナイテッド航空の公式のカード一覧には見当たりません。どのカードも、申し込むのは個人です。会社の経費に使う場合の扱いは、下の「法人の場合」で説明します。
事業の支払いに使うときの選び方
1. 1年に使う額と、マイルの上限を合わせる
事業の支払いは個人の買い物より額が大きくなりやすいので、まず上限を確かめます。たとえばMileagePlusセゾンゴールドカードは、年75,000マイル(1,000円あたり15マイルなら500万円分の利用)を超えると、その後は1,000円あたり5マイルになります。UCカードは上限を超えた分にはマイルが付きません。年に数百万円以上をカードで払う場合は、上限のないJCBやMUFGのカード、上限の高いMileagePlusセゾンプラチナカードが候補になります。
2. 税金・公共料金の支払いはマイルが少ない
税金や公共料金をカードで払う場合、マイルが通常より少なくなるカードがあります。セゾンのカードは税金・対象の公共料金が1,000円あたり5マイルです。ダイナースクラブのカードは、税金・公共料金・通信料などが200円あたり1マイルです。そのうち公金・税金は、2026年7月16日から、マイルが付く利用が年300万円まで(毎年4月1日~翌年3月31日。2026年度は7月16日~翌年3月31日)になりました。ビジネス・アカウントカードの利用も合算され、ふるさと納税の利用はこの上限の集計から除かれます。JCBのカードは、2027年6月10日以降の支払い分から、公共料金・税金のマイルを1,000円あたり5マイル(プラチナは10マイル)にし、マイルが付く利用を年1,000万円までにすると予告しています(クラシックは今も5マイルで、上限が新しく付きます)。
また、国税をカードで納めると、決済手数料がかかります。納付税額が1万円までは99円(税込)、以降1万円を超えるごとに99円ずつ加算されます。1,000円あたり5マイルなら、1万円の納税で付くのは50マイルで、手数料は99円です。納税をカードで払ってマイルを貯めようと考えている場合は、マイルの価値と手数料を比べてから決めてください。
3. 事業の支払いを個人の支払いと分けられるか
個人で申し込むカードを事業に使うと、一枚のカードに事業の支払いと家庭の支払いが混ざりやすくなります。MileagePlusダイナースクラブカードとMileagePlusダイナースクラブファーストには、事業用の追加カード「ビジネス・アカウントカード」(年11,000円)があり、本会員のカードとは別の明細・別の引落口座にできます(法人の口座も指定できます。その場合は会社の所定の承認が要ります)。マイルは本会員のカードと同じマイル口座に貯まります。追加カードのないカードを使う場合は、事業用にもう1枚カードを持つなどして、家庭の支払いと混ぜないようにします。事業用のカードを分ける理由は、個人事業主の事業用クレジットカードで詳しく説明しています。
4. 事業での利用が規約上問題ないかを確かめる
個人向けのカードを事業の支払いに使えるかは、カードの会員規約によります。セゾンは公式サイトで、広告費・サーバー代・事業用の備品・法人税などの支払いでマイルを貯める使い方を紹介しています。MileagePlus JCBカード(プラチナ)も、事業の支払いに使うことがユナイテッド航空の公式サイトで案内されています。それ以外のカードは、申し込む前に会員規約とカード会社の案内を確かめてください。仕入れた商品を転売するための購入などは、経費の支払いとは別に制限されていることがあります。
法人の場合の経理と税金
代表者のカードで会社の経費を払うと、精算の処理が要る
マイレージプラスのカードは個人の名義なので、会社の経費を払うと、代表者が会社の代わりに立て替えた形になります。会社の帳簿では、経費と同時に代表者への未払金を計上し、代表者に精算した時点で消します。
| 時点 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 代表者のカードで会社の経費を払った | 旅費交通費など | 未払金(代表者) |
| 会社が代表者に精算した | 未払金(代表者) | 普通預金 |
精算するのは会社の経費の分だけです。カードの明細に代表者の個人の支払いが混ざっていても、その分は会社の帳簿に入れません。件数が多くなると精算の漏れが起きやすいので、会社の支払いを会社名義のカードにまとめるほうが経理の手間は減ります。設立直後でも申し込める法人カードは、設立直後の法人カードの選び方で比べています。
会社の経費で貯まったマイルを、社長が個人の旅行に使ったら
会社の経費の支払いで代表者個人のマイル口座に貯まったマイルを、家族旅行などに使った場合の税金の扱いについて、国税庁が直接示した見解は、2026年10月時点で見当たりません。考え方の手がかりになるのは次の2つです。
- 会社が自分のものとして持っているポイントを、役員や社員の個人的な旅行に使わせると、会社から個人への経済的な利益として給与(役員なら役員給与)と扱われることがあります。国税庁は、役員の個人的な費用を会社が負担した額を経済的な利益の例に挙げています。一時的な経済的な利益が役員給与とされた場合は、定期同額給与に当たらないため、原則として会社の損金になりません。
- 一方、航空会社やカード会社が会員個人に直接付けたマイルについては、それが会社から個人への利益なのか、航空会社やカード会社から個人への特典なのかを、カードの規約や社内の決まり、実際の管理の仕方から考える必要があります。「個人の口座に貯まるから税金はかからない」と言い切れるものではありません。
会社の経費の支払いが多く、貯まるマイルも多い場合は、マイルの扱いを社内の規程で決めておき、顧問税理士と相談しておくと安心です。
年会費を会社が負担する場合
事業に使うカードの年会費は、会社の経費(損金)にできます。消費税は、カードの年会費は通常、課税の取引です(国税庁は、会費という名前でも実際にはサービスの対価であれば課税仕入れになると説明しています)。ただし、代表者個人の名義のカードを家庭の支払いにも使っていて、その年会費を会社が全額負担すると、役員の個人的な費用の負担と見られることがあります。年会費の高いカードほど注意が必要です。
個人事業主の場合の経理と税金
個人事業主が個人のカードで事業の経費を払う場合の記帳(事業主借・事業主貸)は、個人事業主の事業用クレジットカードで説明しています。マイルについては次の点に気をつけます。
- 家庭の買い物で貯まったマイル:国税庁は、買い物の代金に応じてその購入先の企業が付ける、値引きに当たるポイントは、原則として課税の対象になる経済的な利益に当たらないとしています。ただし、共通ポイントや抽選で得たポイントなどは扱いが違い、この説明だけで航空マイル全体の扱いが決まるわけではありません。
- 事業の支払いで貯まったマイルを家族旅行に使う:事業に付随して得た経済的な利益は、事業所得の収入に含めるのが一般的な原則です(所得税基本通達27-5)。ただし、事業の支払いで付いた航空マイルを私的に使った場合に、課税するか、いつ計上するか、いくらと評価するかを直接示した国税庁の資料は見当たりません。事業の支払いが多く、貯まるマイルも多い場合は、扱いを顧問税理士と決めておくと安心です。
- 年会費:事業にだけ使うカードの年会費は必要経費になります。家庭の支払いにも使うカードは、事業に使う割合で分けて、事業の分だけを必要経費にします。
特典航空券で出張したときの経費
ここでは、カードの利用で貯めたマイル(お金を払って買ったマイルではないもの)で特典航空券を取った場合を考えます。この場合、運賃は払っていないので、通常の運賃に当たる額を見積もって経費にしたり、仕入税額控除をしたりはしません(国税庁は、無償で行われる取引は消費税の課税の対象にならないと説明しています)。経費になるのは、発券のときに実際に払った税金や空港の使用料などのうち、出張に必要なものです。マイレージプラスの特典航空券には、燃油サーチャージはかかりません。お金を払って買ったマイルを使った場合などは、別の検討が要ります。
なお、普通に買う航空券の代金の一部をポイントで払った場合は、扱いが違うことがあります。ポイントの使い方と仕訳は、国税庁の資料が、ポイントを使った後の支払額を経費にする方法(値引処理)と、使う前の額を経費にしてポイントの分を雑収入にする方法(両建処理)の2つを示しています。所得の計算ではどちらで処理するかを決め、毎回同じ方法で処理します。ただし、消費税の仕入税額控除の対象になる額は、ポイントが商品の値引きなのか、代金の支払いに充てたものなのかで変わるので、請求書などの書き方で別に判断します。
出張の日当は、実際の業務の出張について、旅費規程に基づいて通常必要な範囲で支給するものであれば、特典航空券を使ったかどうかとは別に扱います。個人事業主が自分自身に払う日当は必要経費になりません。
まとめ
- マイレージプラスのマイルは有効期限がなく、ANAの国内線を含むスターアライアンスの特典航空券に使える
- マイルが直接貯まるカードは、セゾン・JCB・三菱UFJニコス・UC・ダイナースクラブの5つのシリーズがある。法人名義で申し込めるカードは見当たらない
- 事業の支払いに使うなら、1年に使う額とマイルの上限、税金・公共料金を払ったときのマイル、事業の支払いを家庭の支払いと分けられるかを確かめる
- 代表者のカードで会社の経費を払ったら、会社は経費と代表者への未払金を計上し、精算する
- 会社の経費で貯まったマイルを個人の旅行に使った場合の税金について、国税庁の直接の見解はない。扱いを社内で決め、顧問税理士と相談しておく
- 特典航空券の運賃は払っていないので経費にならず、消費税の仕入税額控除もできない
設立直後の法人カードの選び方もあわせてご覧ください。
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よくある質問
Q. 法人名義でマイレージプラスのカードを作れますか?
2026年10月時点のユナイテッド航空の公式のカード一覧には、法人名義で申し込めるマイレージプラスのカードは見当たりません。会社の経費に使う場合は、代表者個人のカードで払って会社が精算するか、MileagePlusダイナースクラブカードの事業用の追加カード(ビジネス・アカウントカード)で、引落口座を会社の口座にする方法があります。
Q. マイルに有効期限はありますか?
マイレージプラスのマイルには有効期限がありません。カードの利用で貯めたマイルも同じです。
Q. マイレージプラスのマイルでANAの国内線に乗れますか?
乗れます。ANAはスターアライアンスの加盟航空会社で、マイレージプラスのマイルでANA便の特典航空券を予約できます。予約はユナイテッド航空の側で行い、希望の便が取れるかは特典の席の空き次第です。カード会員の必要マイル数の割引は、ユナイテッド航空の便だけが対象です。
Q. 特典航空券で出張したら、旅費はいくら経費にできますか?
カードの利用で貯めたマイルを使った場合、運賃は払っていないので経費にできません。発券のときに実際に払った税金や空港の使用料などが経費になります(マイレージプラスの特典航空券に燃油サーチャージはかかりません)。業務の出張について旅費規程に基づいて支給する日当は、特典航空券を使ったかどうかとは別に扱います。
この記事は公認会計士・税理士の鳥羽卓朗が監修しています。
最終更新日: 2026年10月21日
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参考資料
- ユナイテッド航空 MileagePlus 日本の提携クレジットカード(公式)
- MileagePlusセゾンカード(公式)
- MileagePlusセゾンゴールドカード(公式)
- MileagePlusセゾンプラチナカード(公式)
- MileagePlusセゾンカード 事業の支払いでの使い方(公式)
- MileagePlus JCBカード(公式)
- MileagePlus JCBカード プラチナ(公式)
- MileagePlus MUFGカード(公式)
- MileagePlus MUFGカード ゴールドプレステージ(公式)
- MileagePlus UCカード(公式)
- MileagePlus UCゴールドカード(公式)
- MileagePlusダイナースクラブカード(公式)
- MileagePlusダイナースクラブファースト(公式)
- ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード(公式)
- ダイナースクラブ ビジネス・アカウントカード特約(公式)
- MileagePlus JCBカード 公共料金・税金のマイル付与率の変更(公式)
- 国税庁 クレジットカード納付に関するQ&A
- 国税庁 所得税基本通達27-5(事業から生じた収入)
- ダイナースクラブ 公金・税金等のマイル付与の改定(公式)
- 国税庁 タックスアンサーNo.5202 役員等に対する経済的利益
- 国税庁 タックスアンサーNo.2508 給与所得となるもの
- 国税庁 タックスアンサーNo.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い
- 国税庁 企業発行ポイントの使用に係る経理処理
- 国税庁 タックスアンサーNo.6105 課税の対象
- 国税庁 タックスアンサーNo.6467 会費や入会金の仕入税額控除