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個人事業主の事業用クレジットカード|分ける理由・選び方・確定申告での扱い

確定申告
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個人事業主が個人のクレジットカードで事業の経費を払っても、事業のための支出であれば必要経費になります(カードによっては利用規約で事業での利用を制限しているものがあるため、規約は確かめておきます)。それでも事業用のカードを1枚分けておくと、記帳と確定申告の手間がはっきり減ります。会計ソフトに取り込む明細が事業の支払いだけになり、プライベートの支払いを1件ずつ除く作業がなくなるためです。

この記事では、事業用カードを分ける理由、個人事業主が申し込める主なカードの条件、個人のカードで払った経費の記帳のしかた、確定申告で気をつけることを、税理士の立場から整理します。カードの条件は2026年10月21日時点の各社の公式サイトによります。申し込む前に、必ず各社の最新の条件を確かめてください。

事業用カードを分けると何が楽になるか

個人のカード1枚で事業とプライベートの両方を払っていると、会計ソフトに明細を取り込んだ後、どれが事業の支払いかを1件ずつ判断して、プライベートの分を除く必要があります。年に数百件の明細があれば、確定申告の前にまとめて仕分けるのは大きな負担です。

比べる点 個人のカード1枚で払う 事業用のカードを分ける
会計ソフトに入る明細 事業とプライベートが混ざる 原則として事業の支払いだけ
仕訳の手間 プライベートの分を除き、事業の分を「事業主借」などで入れる 明細を確かめて科目を付けるだけ
経費の漏れ・入れすぎ 仕分けの判断を誤ると起きやすい 起きにくい
年会費・ポイント 事業とプライベートで分ける必要がある 事業のものとして扱える

事業用の銀行口座と事業用のカードをそろえ、カードの引落しを事業用の口座にしておくと、事業のお金の流れが口座とカードの明細だけで追えるようになります。

個人事業主が申し込める主なカード

法人カードの多くは、個人事業主も申し込めます。公式サイトで確かめた条件を並べます。年会費は税込、還元率は入会キャンペーンを含まない基本の率です。

カード 種類 年会費 基本の還元率 freee・マネーフォワードとの連携(公式の記載)
三井住友カード ビジネスオーナーズ クレジット 永年無料 0.5% どちらも「三井住友カード」として連携の一覧に掲載(券種ごとの記載はなし)
JCB Biz ONE クレジット 永年無料 1%相当 どちらも連携に対応
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード クレジット 永年無料 0.5%相当 どちらも「セゾンカード」として連携の一覧に掲載(券種ごとの記載はなし)
マネーフォワード ビジネスカード クレジット(事前チャージでの利用も可) 初年度無料。2年目以降は直前1年に支払い実績があれば無料(なければ1,100円) 1% マネーフォワード クラウドと連携(freee との自動連携は公式に記載なし)
GMOあおぞらネット銀行 ビジネスデビット デビット(同行の事業用口座が必要) 無料 1%(現金還元) どちらも連携に対応

三井住友カード ビジネスオーナーズ、JCB Biz ONE、セゾンコバルト・ビジネスは、副業やフリーランスの方も申し込めると公式サイトに書いています。JCB Biz ONE は開業前・開業直後でも申し込め、審査では申込者個人の信用情報などを見ると説明しています。なお、UPSIDER や freeeカード Unlimited は法人だけが対象で、個人事業主は申し込めません。

カードを選ぶときは、還元率の差より、使っている会計ソフトに明細が自動で入るかを先に確かめると、毎月の記帳の手間で差が出ます。

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アメックスのビジネス・カードの説明を担当者から聞く

個人事業主もお申し込みいただけます。フォームにご記入いただくと、アメリカン・エキスプレスの担当者からお電話かメールでご説明します(お申し込みはご説明の後です)。担当者を通してお申し込みいただくと、次の入会特典の対象になります。

  • ビジネス・ゴールド(年会費49,500円):入会後4か月以内に合計50万円のご利用で、ホテルの予約に使える4万円分のトラベルクレジット。ご利用額に応じて最大16万ポイント
  • ビジネス・プラチナ(年会費165,000円):入会後4か月以内に合計50万円のご利用で、5万円分のトラベルクレジット。ご利用額に応じて最大35万ポイント
  • ビジネス・グリーン(年会費13,200円):ご利用額に応じて最大4万ポイント

年会費は税込です。ポイントは、ご利用額の条件をすべて満たした場合の最大値です。特典は2026年1月時点の内容で、予告なく変わることがあります。条件の詳細は担当者からご説明します。このブログの運営会社(株式会社Leapal Technologies)は、ご紹介したお客様がカードをお作りになると、アメリカン・エキスプレスから紹介の手数料を受け取ります。

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個人のカードで払った経費の記帳のしかた

事業用のカードを作った後も、うっかり個人のカードで事業の経費を払うことはあります。そのカードの代金を家計の口座から払い、カードの代金を事業の帳簿で管理しない場合は、個人のお金で事業の支払いをしたものとして「事業主借」で記帳します。反対に、事業用のカードでプライベートの買い物をした場合は、事業の帳簿にカードの代金(未払金)が立つため、その分を「事業主貸」で記帳します。

場面 借方 貸方
個人のカード(代金は家計の口座から払う)で事業の消耗品5,000円を払った 消耗品費 5,000円 事業主借 5,000円
事業用のカードでプライベートの買い物3,000円をした 事業主貸 3,000円 未払金 3,000円

なお、事業用のカードで払った経費は、使った時に「消耗品費/未払金」、事業用の口座から引き落とされた時に「未払金/普通預金」と記帳します。「事業主借」で記帳を済ませた経費について、家計の口座からの引落しを事業の帳簿にもう一度記帳すると二重になるので注意します。

どちらも、件数が増えるほど記帳の手間と誤りが増えます。事業用のカードは事業の支払いだけに使い、プライベートの支払いは個人のカードで払う、と分けておくのが基本です。

確定申告で気をつけること

年会費は事業で使う分が必要経費になる

事業のためだけに使うカードの年会費は、必要経費になります。プライベートと兼用しているカードの年会費は、家事関連費として、事業で使っている割合を合理的に区分できる部分だけが必要経費になります。カードを分けておけば、この区分も要りません。

カードの利用明細は仕入税額控除の書類にならない

カード会社の利用明細書は、仕入税額控除に必要な請求書等(インボイス)には当たりません。国税庁の質疑応答事例「クレジットカード会社からの請求明細書」は、加盟店(お店)から受け取った適格請求書等の保存によって仕入税額控除が認められるとしています。原則課税で仕入税額控除を受ける場合は、カードで払った分も、お店から受け取った適格請求書(インボイスの要件を満たすレシート・領収書など)を保存しておきます。免税事業者の方は仕入税額控除を使いませんが、経費の証拠として領収書を保存しておくことに変わりはありません。

明細データがあっても領収書の保存は要る

国税庁の「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」問5は、カードの利用明細データを活用するクラウドサービスについて、紙の領収書等を受け取っていればその原本の保存が必要で、電子で受け取っていれば明細データとは別に保存が必要としています。会計ソフトに明細が入っているから領収書は捨ててよい、ということにはなりません。

ポイントの扱い

国税庁のタックスアンサーNo.1907は、個人が受け取るポイントについて説明したうえで、個人事業者については「企業発行ポイントの使用に係る経理処理」などを参照するよう示しています。その資料は、ポイントを使った後の支払額を経費にする方法(値引処理)と、使う前の額を経費にしてポイント分を雑収入にする方法(両建処理)の2通りを示しています。事業用のカードで貯めたポイントを事業の支払いに使う場合は、どちらで処理するかを決め、毎回同じ方法で処理します。

まとめ

  • 個人のカードで払った事業の経費も必要経費になるが、事業用のカードを分けると、会計ソフトに入る明細が事業の支払いだけになり、記帳の手間が減る
  • 法人カードの多くは個人事業主も申し込める。UPSIDER と freeeカード Unlimited は法人だけが対象
  • カードは、使っている会計ソフトに明細が自動で入るかを先に確かめる
  • 個人のカード(代金は家計から払う)で払った経費は「事業主借」、事業用のカードで払ったプライベートの支払いは「事業主貸」で記帳する
  • カードの利用明細は仕入税額控除の書類にならず、明細データがあっても領収書の保存は要る

あわせて読みたい:個人事業主におすすめの会計ソフト5選/設立直後の法人カードの選び方(法人成りした後に)/マイレージプラスのクレジットカード比較

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よくある質問

Q. 個人のクレジットカードで払った経費も、経費にできますか?

事業のための支出であれば、どのカードで払ったかに関係なく必要経費になります。カードの代金を家計の口座から払う場合は、個人のお金で払ったものとして「事業主借」で記帳します。領収書などで、事業のための支出であることを示せるようにしておきます。

Q. 開業届を出す前でも事業用カードを申し込めますか?

カードによります。JCB Biz ONE は開業前でも申し込めると公式サイトに書いています。申込条件はカードごとに違うため、申し込む前に各社の条件を確かめてください。

Q. 事業用カードは、事業用の銀行口座から引き落とすべきですか?

義務ではありませんが、事業用の口座から引き落とすと、事業のお金の流れが口座とカードの明細だけで追えるようになり、記帳がわかりやすくなります。個人の口座から引き落とす場合は、使った時に「経費/未払金」と記帳していれば、引落しの時に「未払金/事業主借」と記帳します。

Q. 副業でも事業用カードを作る意味はありますか?

副業の経費が年に数件なら、個人のカードで払い、その分を記帳しても手間は大きくありません。経費の支払いが毎月ある、サブスクリプションの支払いが多いといった場合は、事業用のカードを分けたほうが記帳と確定申告の準備が楽になります。

この記事は公認会計士・税理士の鳥羽卓朗が監修しています。
最終更新日: 2026年10月21日

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