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記帳代行に毎月渡す資料と送り方|通帳・カード明細・領収書・請求書の整理

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記帳代行に毎月渡す資料と送り方|通帳・カード明細・領収書・請求書の整理

記帳代行に毎月渡す資料の中心は、預金通帳(入出金明細)・クレジットカードの利用明細・売上の請求書控え・仕入や経費の請求書と領収書の4種類です。ここに、現金の支払い記録や給与・外注費の支払い記録など、会社ごとに必要なものが加わります。

送り方で注意したいのは、紙で受け取った資料と、メールやWebで受け取ったデータの資料を分けて扱うことです。データで受け取った請求書や領収書は、電子帳簿保存法により、記帳代行に送った後も会社側でデータのまま保存する必要があります。この記事では、毎月渡す資料の一覧と、締め日・送り方の決め方、データで受け取った資料の保存の注意点を、国税庁の電子帳簿保存法一問一答をもとにまとめます。

毎月渡す資料の一覧

記帳代行は、渡された資料から取引を1件ずつ帳簿に記録する作業です。資料が欠けていると、その取引の中身を問い合わせることになり、記帳が止まります。毎月渡す資料の代表的なものは次のとおりです。

資料 記帳で使う情報 法人 個人事業主
預金通帳・入出金明細 入金・出金の日付と金額、相手先 全口座 事業で使う口座
クレジットカードの利用明細 カードで払った経費の日付・金額・店名 会社名義のカード 事業で使うカード
売上の請求書控え 売上の金額・相手先・計上する月 要る 要る
仕入・経費の請求書 仕入や経費の内容、支払予定 要る 要る
領収書・レシート 現金やカードで払った経費の内容 要る 要る
現金の出し入れの記録 手元の現金で払った・受け取ったもの 現金を使う場合 現金を使う場合
給与・外注費の支払い記録 給与・報酬の額と源泉徴収の額 人に払っている場合 人に払っている場合
決済サービス・ECサイトの売上明細 入金額と手数料の内訳 使っている場合 使っている場合
借入金の返済予定表・リース契約 返済額の元本と利息の内訳 該当する場合 該当する場合

このうち通帳とカード明細は、会計ソフトの口座連携で明細を取り込めることがあります。その場合でも、明細だけでは「何のための支払いか」が分からない取引があるため、請求書や領収書と組み合わせて渡します。記帳代行というサービスの種類や選び方は、記帳代行サービスとはで扱っています。

紙で受け取った資料とデータで受け取った資料は分けて扱う

記帳代行に送る資料は、紙で受け取ったものと、メールやWebでデータとして受け取ったものが混ざります。この2つは、送った後の会社側の保存のしかたが違います。

データで受け取ったものはデータのまま保存する

電子帳簿保存法は、所得税(源泉徴収に係るものを除く)と法人税の保存義務者が、取引情報を電磁的方式で授受する取引(電子取引)を行った場合、その取引情報を電磁的記録で保存しなければならないと定めています(国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」)。法人も個人事業主も対象です。

一問一答では、次のような受け取り方がいずれも電子取引に当たると考えられるとされています。

  • 電子メールで請求書や領収書のデータ(PDFファイル等)を受け取る
  • Webサイトから請求書や領収書のデータをダウンロードする、または画面のスクリーンショットを使う
  • 電子請求書・電子領収書をやり取りするクラウドサービスを使う
  • クレジットカードの利用明細データや交通系ICカードの支払データ等を活用したクラウドサービスを使う

令和3年度の税制改正後は、こうしたデータを紙に印刷して保存する方法は認められず、印刷した書面は保存書類として扱われません。記帳代行にデータを送ったとしても、保存義務を負うのは会社(個人事業主)自身なので、受け取ったデータは会社側でも保存しておきます。

クレジットカードの利用明細データを受け取った場合は、明細データそのものも電子取引の取引情報に当たります。さらに、明細に含まれる個々の取引について、請求書や領収書をデータで受け取っている場合は、明細データとは別にその保存も必要です。

紙で受け取ったものは紙を保存する

紙で受け取った領収書や請求書は、写真やスキャンで記帳代行に送っても、それだけで紙を捨ててよいことにはなりません。紙の代わりにスキャンしたデータで保存するのはスキャナ保存制度で、一定の要件の下で認められる方法です。要件を満たして運用する体制がない場合は、送った後も紙の原本を保存しておきます。

なお、同じ内容の請求書を紙とデータの両方で受け取り、紙を正本として扱うと社内で取り決めている場合は、紙の保存だけで足ります。ただし、データの側に紙を補う情報が含まれているなど内容が同じでない場合は、両方を保存します。

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データの保存で満たす要件と、小規模な会社のやり方

電子取引のデータは、ただ保存するだけでなく、改ざんを防ぐ措置と、検索できる状態を確保する必要があります。一問一答では、要件の概要として次のものが挙げられています。

要件 内容
見読可能装置の備付け等 保存したデータを画面や書面で見られるようにしておく
検索機能の確保 取引年月日その他の日付・取引金額・取引先で検索できるようにする(前々事業年度(個人は前々年)の売上高が5,000万円以下の場合や、出力した書面を日付・取引先ごとに整理して提示・提出できる場合は、ダウンロードの求めに応じられることを条件に不要)
改ざん防止の措置(いずれか) タイムスタンプが付された後の授受/速やかにタイムスタンプを付す/訂正削除の記録が残る、または訂正削除できないシステムで授受・保存する/訂正削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用する
システム概要書の備付け 自社開発のプログラムを使う場合に限る

データを保存する専用のシステムがない場合について、一問一答では、エクセル等で取引年月日・取引金額・取引先を入力した一覧表を作る方法や、ファイル名を「取引年月日その他の日付」「取引金額」「取引先」を含めて統一した順序で付ける方法(税務職員のダウンロードの求めに応じられるようにしておくことが前提)が例示されています。

また、法人は前々事業年度の売上高が、個人事業主は前々年の売上高が5,000万円以下の場合、またはデータを出力した書面を取引年月日その他の日付と取引先ごとに整理して提示・提出できるようにしている場合は、検索機能の確保は不要とされています。この場合も、保存しているデータについて、税務調査の際に税務職員からのダウンロードの求めに応じられるようにしておく必要があります。

※説明のための架空の例です。2026年10月5日付の株式会社Aからの33,000円の請求書なら、「20261005_株式会社A_33000」のようにファイル名を付けて、取引先ごとのフォルダに保存する方法があります。この名前の付け方を記帳代行と共有しておくと、送ったデータと会社側の保存データの対応も取りやすくなります。電子帳簿保存法の対応全体は、電子帳簿保存法の対応方法の記事で扱っています。

従業員が立て替えた経費の領収書データ

従業員が会社の経費を立て替えて、領収書をデータで受け取った場合も、その行為が会社の行為として行われる場合は会社の電子取引に当たります。一問一答では、従業員から集約して会社として保存・管理することが望ましいとしつつ、集約するまでの一定の間、日付・金額・取引先の検索条件にひもづく形で保存状況を管理しておくことも認められるとされています。経費精算のデータをいつ・どこに集めるかを、記帳代行への送付の締め日と合わせて決めておくと、漏れが出にくくなります。

毎月の締め日と送り方の決め方

毎月の記帳を止めないためには、「いつの分を、いつまでに、どの方法で送るか」を最初に決めておくことが大切です。送り方ごとの特徴は次のとおりです。

送り方 向いている資料 注意点
紙を郵送・持参する 紙で受け取った領収書・請求書 送った紙が返ってくるまで手元に無くなる。返却の時期と保管場所を決めておく
写真・スキャンで送る 紙の領収書・レシート 紙の原本は会社で保存する(スキャナ保存の要件を満たす場合を除く)
共有フォルダにデータを置く メールやWebで受け取った請求書・領収書 会社側の保存場所と同じにするか、写しを置くかを決める
会計ソフトの口座・カード連携 通帳・カードの明細 連携が切れていないかを毎月確認する。明細の内容の説明は別に要る

※説明のための架空の例です。「毎月末で締めて、翌月10日までに前月分の資料を共有フォルダに置く。紙の領収書は月末に写真を送り、原本は月別の封筒で保管する」のように、締め日・期限・置き場所・原本の扱いを1つの文にしておくと、担当者が替わっても回ります。何日までに送ればよいかは、記帳代行側の作業の日程や、月次の試算表をいつ見たいかによって変わります。

資料に書き添えると記帳が速くなる情報

記帳代行は、資料に書かれていないことは分かりません。次のような情報を資料に一言添えると、問い合わせの往復が減ります。

  • 入金が複数の請求書の合計になっている場合の内訳
  • 返金・キャンセル・値引きがあった取引
  • 事業用の口座やカードで、私的な支払いをしてしまった取引
  • 会食や贈答の相手(会社名と人数)
  • 領収書の無い支払い(慶弔費など)の内容と金額
  • 新しく始めた取引先、契約した借入やリース

どの科目で記帳するか、経費に入れるかの判断は、資料の内容と事実関係で変わります。判断が要る取引ほど、事実を書き添えて記帳代行や税理士に確認する形にしておきます。

インボイスと保存期間の確認

消費税の課税事業者はインボイスの記載事項も見る

消費税の課税事業者が仕入税額控除を受けるには、必要な事項が記載された帳簿と請求書等の保存が必要です。電子取引の場合は、登録番号や消費税額など、適格請求書として必要な事項を満たすデータ(電子インボイス)の保存が必要になります。なお、基準期間における課税売上高が1億円以下などの事業者には、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの課税仕入れで、税込1万円未満のものについて、一定の事項を記載した帳簿の保存で仕入税額控除を受けられる経過措置があります。毎月の資料を送るときに、登録番号の記載が無い請求書をまとめて伝えると、確認がしやすくなります。

保存期間

記帳代行に送った資料も、保存期間が終わるまで会社側で保存します。一問一答に示されている国税関係帳簿書類の保存期間は次のとおりです。

区分 帳簿 書類
法人(青色・白色) 7年(欠損金が生じた事業年度などは10年) 7年(欠損金が生じた事業年度などは10年)
個人事業主(青色申告) 7年 決算関係書類は7年。領収証・預金通帳などの現金預金取引等関係書類は7年(前々年分の事業所得と不動産所得の金額が300万円以下の方は5年)。請求書・見積書などその他の書類は5年

消費税の課税事業者が仕入税額控除の要件として保存する請求書等は、上の区分にかかわらず7年間の保存が必要です。紙かデータかに関わらず、記帳代行に送った後の保管場所を決めておきます。

まとめ:資料の種類・送り方・保存を毎月同じ形で回す

  • 毎月渡す資料の中心は、通帳・カード明細・売上の請求書控え・仕入や経費の請求書と領収書です。
  • メールやWebで受け取った請求書・領収書は電子取引に当たり、データのまま会社側で保存します。印刷した紙は保存書類として扱われません。
  • 紙で受け取った資料は、スキャナ保存の要件を満たす場合を除き、写真で送った後も紙を保存します。
  • 締め日・送付期限・置き場所・原本の扱いを最初に決め、内訳や返金などの事情を資料に書き添えます。
  • 保存期間は法人で原則7年、個人事業主は資料により7年または5年です。

どの資料をどの方法で送るのがよいかは、取引の量・データで受け取る資料の割合・会計ソフトの連携の有無で変わるため、最初の1か月分で流れを試して、記帳代行と調整していくことが出発点になります。

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よくある質問

Q. メールで受け取った請求書を印刷して記帳代行に郵送してもよいですか?

記帳の資料として印刷したものを送ること自体はできますが、保存の面では、メールで受け取った請求書は電子取引に当たるため、データのまま会社側で保存する必要があります。印刷した紙は保存書類として扱われないので、紙を送った後もデータを消さずに残しておきます。

Q. 領収書を写真で送ったら、紙は捨ててもよいですか?

紙の代わりにスキャンしたデータで保存するには、スキャナ保存制度の要件を満たす必要があります。要件を満たして運用していない場合は、写真を送った後も紙の原本を保存期間が終わるまで保存します。

Q. 通帳やカードを会計ソフトと連携していれば、明細を送らなくてもよいですか?

連携で明細を取り込める場合は、記帳代行が同じ明細を見られるようにしておけば足りることがあります。ただし、明細だけでは支払いの目的が分からない取引があるため、請求書や領収書、内訳のメモは別に渡します。連携が途中で切れていないかも、毎月確認しておきます。

Q. 前月分の資料が締め日までにそろわないときはどうすればよいですか?

そろった分だけを先に送り、足りない資料の一覧を添えておくと、記帳代行は分かる範囲から作業を進められます。何が足りないかが分かっていれば、後から届いた資料を追加するだけで済みます。

この記事は公認会計士・税理士の鳥羽卓朗が監修しています。
最終更新日: 2026年10月15日

参考資料

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