会計・税務に関する
お役立ち情報ブログ

設立直後の法人カードの選び方|決算書なしで申し込めるカードと経理の注意点

会社設立
本サイトはアフィリエイト広告(PR)を利用しています。

会社を設立した直後でも、法人カードは申し込めます。決算書がまだない会社でも申し込めるカードは、審査の仕方で大きく3つに分かれます。代表者個人の信用で審査するカード、会社の口座や会計のデータで審査するカード、審査のないデビットカードです。どれを選ぶかで、作れる早さだけでなく、会計ソフトへの明細の入り方や、社員に持たせるカードの枚数も変わります。

この記事では、設立直後の会社を前提に、申し込める主なカードの条件を公式サイトの記載で比べたうえで、税理士の立場から、経理で困らないための選び方と使い方を整理します。カードの条件は2026年10月21日時点の各社の公式サイトによります。申し込む前に、必ず各社の最新の条件を確かめてください。

設立直後に申し込めるカードは3つの型に分かれる

法人カードの審査で何を見るかはカードによって違い、会社の決算書を見るものもあれば、代表者個人の信用情報を見るものもあります。設立直後の会社でも申し込めるカードは、審査で何を見るかによって、次の3つに分けられます。

型 審査で見るもの 主なカード 向いている会社
代表者の個人の信用で審査する 代表者個人の信用情報・属性 三井住友カード ビジネスオーナーズ、セゾンのビジネスカード、JCB Biz ONE 代表者に個人のクレジットカードの利用実績があり、登記の前後すぐに使い始めたい会社
会社の口座・会計のデータで審査する 法人口座の残高や入出金、会計ソフトの財務データなど UPSIDER、freeeカード Unlimited、マネーフォワード ビジネスカード 資本金や売上の入金がある程度あり、社員にもカードを配りたい会社
審査のないデビットカード (カードとしての与信審査はなし。口座開設の審査はある) GMOあおぞらネット銀行 ビジネスデビット 口座の残高の範囲で使えればよく、後払いの枠が要らない会社

代表者の個人の信用で審査するカードは、契約者が代表者個人になるものがあります。たとえば三井住友カード ビジネスオーナーズは、代表者個人が契約者で、法人の口座から引き落とす場合は代表者が法人に委任する形をとると公式サイトで説明しています。セゾンのビジネスカードも、個人契約・個人与信と明記しています。会社の支出を払うカードであることに変わりはありませんが、後で説明するとおり、代表者個人の支出と混ぜない使い方が大切になります。

反対に、UPSIDER と freeeカード Unlimited は法人だけが申し込めるカードで、個人事業主は対象外です。freeeカード Unlimited は代表者の連帯保証がないと公式のヘルプに書いています。

主なカードの条件を比べる

公式サイトで確かめた条件を並べます。年会費は税込です。還元率は入会キャンペーンを含まない基本の率で、ポイントの価値は交換先によって変わります。

カード 種類 年会費 基本の還元率 申込対象 決算書・登記簿
三井住友カード ビジネスオーナーズ クレジット 永年無料 0.5% 法人代表者・個人事業主 不要(本人確認書類は必要)
三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールド クレジット 5,500円(年100万円の利用を一度達成すると翌年以降永年無料) 0.5% 法人代表者・個人事業主 不要
JCB Biz ONE クレジット 永年無料 1%相当 法人代表者・個人事業主(開業前・開業直後も可) 登記簿は不要
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード クレジット 永年無料 0.5%相当 法人代表者・個人事業主(設立直後も可) 不要
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード クレジット 49,500円 100円につき1ポイント 法人代表者・個人事業主(設立1年未満も可) 追加で登記関係書類を求められる場合あり
UPSIDER クレジット(前払いでの利用も可) 無料 1.0%~ 法人のみ 不要(法人口座のネットバンキングと独自ドメインのメールが必要)
freeeカード Unlimited クレジット 無料 0.3%(所定の集計対象額が月50万円以上なら0.5%) 法人のみ 決算書は不要。登記事項証明書は原則不要
マネーフォワード ビジネスカード クレジット(事前チャージでの利用も可) 初年度無料。2年目以降は直前1年に支払い実績があれば無料(なければ1,100円) 1% 法人・個人事業主 不要
GMOあおぞらネット銀行 ビジネスデビット デビット 無料 1%(現金還元) 同行に口座のある法人・個人事業主 口座開設に登記簿謄本・印鑑証明書は不要

セゾンの「0.5%相当」は、1,000円の利用で付く1ポイントを最大の5円で交換した場合の率です。freeeカード Unlimited のポイントは、freee のサービスの支払いにしか使えません。還元率だけで比べず、ポイントを何に使えるかまで確かめておくと、後で使い道がなくて失効させることを避けられます。

【PR】

アメックスのビジネス・カードの説明を担当者から聞く

設立直後の法人もお申し込みいただけます。フォームにご記入いただくと、アメリカン・エキスプレスの担当者からお電話かメールでご説明します(お申し込みはご説明の後です)。担当者を通してお申し込みいただくと、次の入会特典の対象になります。

  • ビジネス・ゴールド(年会費49,500円):入会後4か月以内に合計50万円のご利用で、ホテルの予約に使える4万円分のトラベルクレジット。ご利用額に応じて最大16万ポイント
  • ビジネス・プラチナ(年会費165,000円):入会後4か月以内に合計50万円のご利用で、5万円分のトラベルクレジット。ご利用額に応じて最大35万ポイント
  • ビジネス・グリーン(年会費13,200円):ご利用額に応じて最大4万ポイント

年会費は税込です。ポイントは、ご利用額の条件をすべて満たした場合の最大値です。特典は2026年1月時点の内容で、予告なく変わることがあります。条件の詳細は担当者からご説明します。このブログの運営会社(株式会社Leapal Technologies)は、ご紹介したお客様がカードをお作りになると、アメリカン・エキスプレスから紹介の手数料を受け取ります。

相談フォームへ

設立・開業の後の記帳と申告を任せたい方は顧問契約のお見積りを依頼する →

経理の手間で選ぶときの4つの見方

還元率や年会費の差は、毎月の利用額が小さいうちは数百円から数千円です。設立直後の会社にとっては、それより毎月の経理の手間の差のほうが大きくなりがちです。カードを選ぶときは、次の4つを確かめます。

1. 会計ソフトに明細が自動で入るか

カードの利用明細を会計ソフトに自動で取り込めると、明細を見ながら手で入力する作業がなくなります。公式の記載では、JCB Biz ONE と UPSIDER は freee・マネーフォワード クラウドの両方と連携できます。freeeカード Unlimited は freee 会計と自動で同期し、マネーフォワード ビジネスカードはマネーフォワード クラウドと連携します。反対に、freeeカード Unlimited のマネーフォワードへの自動連携、マネーフォワード ビジネスカードの freee への自動連携は、公式に記載がありません。使っている会計ソフトと同じ系列のカードか、両方に対応するカードを選ぶと確実です。

2. 社員に渡すカードを何枚作れるか

社員に経費を立て替えてもらう運用は、精算の手間がかかります。社員ごとにカードを渡せば、立替えと精算の多くがなくなり、誰が何に使ったかも明細で分かります。UPSIDER と freeeカード Unlimited は追加カードを原則として枚数の制限なく発行でき、カードごとに利用額や利用先を制限できるものもあります。三井住友カード ビジネスオーナーズはパートナーカードを最大18枚まで年会費無料で、JCB Biz ONE は2026年10月6日から最大9枚まで年会費無料で作れます。

3. 代表者個人の支出と混ぜないか

代表者の個人の信用で作るカードでも、会社の支出だけに使うのが原則です。会社の口座から引き落とされるカードに個人の買い物が混ざると、その分は会社が代表者に立て替えたものとして処理し、代表者から返してもらう必要が出ます。返してもらわずに会社が負担すると、代表者への給与として課税される問題も生じ得ます。混ざった件数が多いと、決算のときに1件ずつ仕分ける手間がかかり、仕分けを誤ると経費にならない支出が経費に入ったままになります。会社のカードと個人のカードは、物として分けて持ち歩くのが確実です。

4. 年会費を払う価値があるか

年会費のかかるカードは、空港ラウンジや保険などの付帯サービスに価値があるかで判断します。出張が多くない設立直後の会社なら、年会費無料のカードで始め、利用額が増えてから見直しても遅くありません。三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールドのように、年100万円の利用を一度達成すると以後無料になるカードもあります。

法人カードを使うときに経理で気をつけること

カードの利用明細だけでは消費税の仕入税額控除を受けられない

カード会社が発行する利用明細書は、実際に商品やサービスを提供したお店(加盟店)が交付する書類ではないため、仕入税額控除に必要な請求書等(インボイス)には当たりません。国税庁の質疑応答事例「クレジットカード会社からの請求明細書」は、加盟店から受け取った適格請求書等を保存することで仕入税額控除が認められるとしています。原則課税で仕入税額控除を受ける会社は、カードで払った分も、お店から受け取った適格請求書(インボイスの要件を満たすレシート・領収書など)を保存しておきます。少額の取引など、帳簿の保存だけで控除できる特例もあるため、対象は国税庁のタックスアンサーNo.6496などで確かめてください。

明細データがあっても領収書の保存は要る

会計ソフトにカードの明細データが入っていても、お店から受け取った領収書が不要になるわけではありません。国税庁の「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」問5は、カードの利用明細データを活用するクラウドサービスについて、紙の領収書等を受け取っていればその原本の保存が必要で、領収書等を電子で受け取っていれば明細データとは別に保存が必要としています。紙の領収書は、スキャナ保存の要件を満たして電子化するか、紙のまま保存します。

ポイントを使ったときの処理を決めておく

カードのポイントで支払いを済ませた場合の処理について、国税庁の資料「企業発行ポイントの使用に係る経理処理」は、ポイントを使った後の支払額を経費にする方法(値引処理)と、使う前の額を経費にしてポイント分を雑収入にする方法(両建処理)の2通りを示しています。どちらで処理するかを決め、毎回同じ方法で処理します。ポイントを景品や商品と交換する場合は扱いが変わり得るため、交換する前に顧問税理士に確かめておくと安心です。

年会費は経費になる

会社のカードの年会費は、会社の事業のための費用として経費(損金)になります。勘定科目は「支払手数料」や「諸会費」とする会社が多く、毎期同じ科目で処理していれば問題になりにくい部分です。

まとめ

  • 設立直後でも申し込めるカードは、代表者の個人の信用で審査するもの、会社の口座・会計のデータで審査するもの、審査のないデビットカードの3つに分かれる
  • 決算書や登記簿が要らないカードも多い。ただし UPSIDER と freeeカード Unlimited は法人だけが対象
  • 設立直後は、還元率より、会計ソフトとの連携と社員用カードの作りやすさで選ぶと経理の手間が減る
  • 代表者の個人の信用で作るカードでも、個人の支出と混ぜない
  • カードの利用明細は仕入税額控除の書類にならない。お店の領収書・インボイスも保存する

カードを作った後は、会計ソフトとの連携を最初に設定しておくと、1期目の記帳の手間が大きく変わります。

あわせて読みたい:会社設立後にやることリスト/記帳代行に毎月渡す資料と送り方(カード明細・領収書の整理)/個人事業主の事業用クレジットカード/マイレージプラスのクレジットカード比較

顧問税理士をお探しの方(法人・個人事業主)
リーパル会計事務所は、1,100社以上の関与実績があるMF公認・freee認定の会計事務所です。全国オンラインで、顧問契約のご相談とお見積りを承っています。

👉 顧問契約のお見積りを依頼する

よくある質問

Q. 設立の登記が終わる前でも法人カードを申し込めますか?

カードによります。freeeカード Unlimited は登記の申請中でも受け付けますが、会社としての審査は登記の完了後に行うと公式のヘルプに書いています。JCB Biz ONE は開業前・開業直後も申し込めるとしています。登記の完了前に申し込む場合は、各社の申込条件を確かめてください。

Q. 代表者個人のクレジットカードで会社の経費を払ってもよいですか?

カードの利用規約で事業での利用が認められていれば払うことはできますが、その都度、会社が代表者に立替金を精算する処理が必要になります。件数が増えると、精算の漏れや個人の支出との混同が起きやすくなるため、会社の支出は会社のカードにまとめるほうが経理の手間は減ります。

Q. 社員に法人カードを持たせると、経理はどう変わりますか?

社員が立て替えて後から精算する手間がなくなり、誰がいつ何に使ったかがカードの明細で分かるようになります。ただし、お店の領収書の保存は引き続き必要なので、社員に領収書を受け取って提出してもらう(または電子で保存する)流れを決めておきます。

Q. 法人カードとビジネスデビットはどちらがよいですか?

デビットカードは、通常は口座の残高から即時に引き落とされるため、後払いの枠はありません(GMOあおぞらネット銀行のビジネスデビットには、別途の契約と審査で使える後払いのオプションがあります)。そのぶん使いすぎを防ぎやすく、カードとしての与信審査もありません。毎月の支払いを月末にまとめたい、残高より多い支払いが出ることがあるという会社はクレジットカード、残高の範囲で使えれば十分な会社はデビットカードが合っています。

この記事は公認会計士・税理士の鳥羽卓朗が監修しています。
最終更新日: 2026年10月21日

参考資料

新着情報NEWS

社長の確定申告を顧問税理士に頼む範囲|役員報酬・不動産・配当がある場合

確定申告

経理担当者が退職するときの引継ぎ項目|経理を外注へ切り替える手順

法人向けサービス

前の税理士の申告に誤りが見つかったとき|修正申告と更正の請求の判断

経営相談

マイレージプラスのクレジットカード比較|事業の支払いでマイルを貯めるときの選び方と税金

会計・財務

個人事業主の事業用クレジットカード|分ける理由・選び方・確定申告での扱い

確定申告

設立直後の法人カードの選び方|決算書なしで申し込めるカードと経理の注意点

会社設立

消費税の期限後申告|インボイス登録後に申告を忘れていたときの対応

税務調査

追加融資の審査に備える|決算書と直近の試算表で見られる点と準備する資料

経営相談

法人成りしたときの会計ソフトの切り替え|個人の事業所から法人用へ移す手順

IT・クラウド会計