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休眠会社を再開するときの手続き|届出・登記と休眠中の未申告期間の整理

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休眠会社を再開するときの手続き|届出・登記と休眠中の未申告期間の整理
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休眠させていた会社で事業を再開したくても、何から手を付ければよいか迷いますよね。まず、登記の状態、税務署や自治体への届出、休眠中の申告状況を確かめましょう。登記上は解散した扱いになっていたり、未申告の期が残っていたりすると、整理が必要です。

この記事では、再開前に確認する書類と手続き、休眠中の未申告分や再開後の決算の進め方を整理します。休眠中の税負担は、法人住民税・均等割の仕組みもご覧ください。

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再開の前に確かめる3つのこと

休眠の期間が長いほど、会社の記録と実態がずれています。最初に、次の3点を資料で確かめます。

確かめること 見る資料 ずれていた場合の影響
登記の状態(最後の登記の時期、役員、みなし解散の登記の有無) 登記事項証明書 みなし解散の登記がされていれば、事業を再開する前に会社の継続の手続きが要る
税務署・自治体への届出の状態(本店、代表者、事業目的、事業年度、給与支払事務所) 過去に出した届出書の控え、税務署からの通知 変わった事項があれば異動届出書などで届け出る
申告の状態(法人税・地方税・消費税をどの期まで出したか) 過去の申告書の控え、e-Taxの送信履歴 未提出の期があれば期限後申告、青色申告の承認への影響を確かめる

3つは互いに関係します。例えば、登記上の本店が古いままだと、税務署の納税地や自治体の申告先もずれている可能性があります。登記を直す、届出を出す、申告を整理する、の順に進めると、後から書類を出し直す手間が減ります。

登記:休眠会社の整理作業とみなし解散

法務省の『休眠会社・休眠一般法人の整理作業について』によると、休眠会社とは最後の登記から12年を経過している株式会社です(会社法472条。特例有限会社は含まれません)。合同会社は、この整理作業の対象となる「休眠会社」に当たりません。最後の登記以降に登記事項証明書や印鑑証明書の交付請求をしていても関係ありません。

全国の法務局では毎年、整理作業を行っています。毎年10月頃に法務大臣による官報公告が行われ、対象の会社には登記所から通知書が送られます。公告から2か月以内に役員変更などの必要な登記をするか、「まだ事業を廃止していない」旨の届出をしないと、実際には事業を続けていても、2か月の期間満了の時に解散したものとみなされ、登記官が職権で解散の登記をします。通知が届かなかった場合でも手続きは進みます。

状況 すること 注意点
公告から2か月以内 役員変更などの必要な登記をする、または「まだ事業を廃止していない」旨の届出をする 届出だけで登記をしないと、翌年も整理作業の対象になる
みなし解散の登記がされた後 3年以内に限り、株主総会の特別決議で会社を継続できる 継続したときは、決議から2週間以内に継続の登記を申請する

登記事項に変更が生じたときは、2週間以内に本店所在地で変更の登記をしなければならず(会社法915条1項)、登記を怠った代表者等は100万円以下の過料に処される可能性があります(会社法976条1号)。法務省の案内では、届出や必要な登記をした後でも、それ以前の登記懈怠について過料の可能性があるとしています。登記の申請手続の代理は司法書士の業務です。

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税務署・自治体への届出

国税庁の手続案内『異動事項に関する届出』は、事業年度等の変更、納税地の異動、資本金の額等の異動、商号の変更、代表者の変更、事業目的の変更などをした場合に、異動届出書を出す手続としています。提出時期は異動等後速やかに、提出方法はe-Taxでの作成・提出が案内されています。休眠中や再開にあわせて次のような事項が変わっていれば、それぞれ届け出ます。

  • 本店を移した(納税地の異動)
  • 代表者が替わった
  • 事業目的を変えた、再開後の事業に合わせて目的を追加した
  • 事業年度(決算期)を変えた
  • 資本金の額を変えた

同じ手続案内では、消費税の異動事項についても、この届出書の「消費税」の欄にレ印を付けて出せば、法人の消費税異動届出書を重ねて出す必要はないとしています。

給与を支払う場合

再開後に役員報酬や給与を支払う場合、給与の支払事務を取り扱う事務所等を開設した支払者は、開設の事実があった日から1か月以内に「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を出します(国税庁の手続案内)。休眠に入るときに廃止の届出を出していたかどうかで、再開時に要る届出が変わるため、過去の控えで確かめます。

自治体への届出

法人住民税や法人事業税の届出は、都道府県と市区町村ごとに様式や扱いが違います。休眠中に休業の届出を出していた場合は、再開の届出が要るかを、本店や事業所のある自治体の案内で確認します。

休眠中に申告していなかった期の整理

法人税法74条1項は、内国法人は各事業年度終了の日の翌日から2月以内に、確定した決算に基づく申告書を提出すると定めています(定款の定めなどによる申告期限の延長の特例を受けている法人は、法人税法75条の2による延長後の期限)。会社が存続している限り事業年度は続くため、休眠中も事業年度ごとに確定申告書を出しているかを確かめます。

状態 扱い 根拠
期限内に申告書を出していない期がある 提出期限後でも、税務署長の決定があるまでは期限後申告書を提出できる 国税通則法18条1項
期限後申告で納付すべき税額がある 無申告加算税の対象になる。調査を予知せず、調査通知の前に出した期限後申告は、納付すべき税額の5%とする規定がある 国税通則法66条1項・8項
青色申告の承認を受けていた 確定申告書を提出期限までに出さなかったことは、承認の取消し事由の一つ 法人税法127条1項4号
承認の取消しの通知を受けた 通知を受けた日以後1年以内に出した青色申告の承認申請は、却下されることがある 法人税法123条3号

期限内申告書の提出がなかったことについて正当な理由があると認められる場合は、無申告加算税は課されません(国税通則法66条1項ただし書)。休眠中に取引がほとんど無かった期でも、預金の利息、税金の支払、役員が立て替えた費用などの動きはあります。通帳と支払の記録から、期ごとに貸借対照表と損益計算書を作り直すところから始めます。

どの期までさかのぼって申告書を作るか、青色申告の承認がどうなっているかは、各期の取引の有無や税務署からの通知の有無で変わります。税務署からの通知の控えが無い場合は、所轄の税務署で確認できます。期限後申告の書類の作成の代行や、個別の税務相談は税理士の業務です(税理士法2条)。

再開後の最初の決算の進め方

未申告の期の整理と並行して、再開した事業年度の決算の準備を始めます。再開1期目は、休眠前の残高を引き継いだ帳簿と、再開後の取引を一つの帳簿で続けることになるため、期首の残高が正しいかが最初の確認点です。

  1. 期首残高を合わせる:直近に申告した期の貸借対照表と、通帳・借入金の残高を突き合わせます。
  2. 再開前後の費用を区分する:再開の準備で払った費用が、どの事業年度の費用かを日付で整理します。
  3. 消費税の納税義務を判定する:下の表の順に確かめます。
  4. 決算期と申告期限を確かめる:事業年度終了の日の翌日から2月以内が法人税の申告期限です(法人税法74条1項。延長の特例を受けている法人は延長後の期限)。

再開1期目の消費税の納税義務

国税庁のタックスアンサー『No.6501 納税義務の免除』によると、法人は基準期間(事業年度が1年の法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として納税義務が免除されます。休眠中で前々事業年度に課税売上が無くても、次の場合は免除されません。

免除されない場合 休眠会社で確かめる点
適格請求書発行事業者の登録を受けている 休眠前に登録し、登録が残っていないか
消費税課税事業者選択届出書を出して課税事業者になっている 休眠前に出した選択届出書が残っていないか
特定期間(原則として前事業年度開始の日以後6か月)の課税売上高が1,000万円を超える 再開した期の前の期に取引があったか(給与等支払額で判定することもできる)

消費税の扱いは、再開後の見積書や請求書の書き方にも関わります。再開後の売上の見込みと合わせて、どの届出が残っているかを先に確かめます。

休眠中の期の整理から再開1期目の決算までを外部に頼むか、決算だけを頼むかは、残っている資料の量と未申告の期の数で変わります。決算だけを依頼する形の違いは「税務顧問と決算のみの違い」で整理しています。

まとめ:登記、届出、申告の順に整える

  • 最後の登記から12年を経過した株式会社は、毎年10月頃の官報公告から2か月以内に登記か届出をしないと、みなし解散の登記がされます。
  • みなし解散の後も、3年以内なら株主総会の特別決議で継続でき、決議から2週間以内に継続の登記を申請します。
  • 休眠中や再開時に変わった本店、代表者、事業目的、事業年度などは、異動届出書で税務署に届け出ます。
  • 期限内に出していない法人税の申告は、決定があるまで期限後申告ができ、無申告加算税や青色申告の承認への影響を確かめます。
  • 再開1期目の消費税は、基準期間の課税売上高に加え、インボイス登録や選択届出が残っていないかで判定します。

どこまで整理が要るかは会社ごとに違うため、登記事項証明書と申告書の控えをそろえるところから始めます。

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よくある質問

Q. 休眠中に法人税の申告を一度もしていません。何期分さかのぼって出せばよいですか?

国税通則法18条1項により、期限後申告書は税務署長の決定があるまで提出できます。どの期まで作るかは、各期の取引や納付すべき税額の有無、税務署からの通知の状況で変わるため、一律には決まりません。所轄の税務署で申告の状況を確認したうえで、期ごとに整理します。

Q. みなし解散の登記がされた後でも、会社を再開できますか?

法務省の案内では、みなし解散の登記後3年以内に限り、株式会社は株主総会の特別決議によって会社を継続できます。継続したときは、決議から2週間以内に継続の登記を申請します。3年を過ぎた場合の扱いはこの記事の範囲外なので、司法書士や法務局に確認してください。

Q. 「まだ事業を廃止していない」旨の届出を出せば、役員の登記はしなくてよいですか?

法務省の案内では、届出をした場合でも必要な登記申請をしない限り、翌年も整理作業の対象になるとしています。また、届出や登記をしても、それ以前の登記懈怠について過料の可能性があります。届出はみなし解散を避ける手段で、登記の代わりにはなりません。

Q. 再開1期目は消費税の免税事業者になりますか?

基準期間(事業年度が1年の法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として免除されます。ただし、適格請求書発行事業者の登録や課税事業者選択届出書が残っている場合、特定期間の課税売上高が1,000万円を超える場合は免除されません(No.6501)。休眠前に出した届出の控えを確かめてから判断します。

Q. 休眠中の法人住民税の均等割はどうなりますか?

均等割の扱いと休眠中の届出については「法人住民税・均等割の仕組み」の記事で扱っています。自治体によって扱いが違うため、本店や事業所のある自治体の案内もあわせて確認してください。

この記事は公認会計士・税理士の鳥羽卓朗が監修しています。
最終更新日: 2026年10月26日

参考資料

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