定額減税は2026年も続くのか、従業員に手取りの変化をどう説明すればよいのか、迷っていませんか。
定額減税は令和6年分で終了しており、2026年に同じ仕組みで実施されるものではありません。2026年は、基礎控除・給与所得控除の引上げによる所得税負担の軽減と分けて考える必要があります。
この記事では、定額減税の仕組みと確定申告・従業員説明の確認点を振り返ります。給与計算の手順は、定額減税2026の対象者と給与計算への影響でご案内します。
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定額減税の基本的な仕組み(おさらい)
制度の目的
物価高による生活費の上昇に対する経済対策として、国民一人当たり所得税3万円・住民税1万円の合計4万円(扶養家族がいればその人数分も加算)の税額控除(=計算した税額から直接差し引く控除)が実施されています。
減税の方法
| 税目 | 実施方法 |
|---|---|
| 所得税 | 毎月の源泉徴収額から差し引く(月次減税) |
| 住民税 | 年1回の特別控除として差し引く |
なお、月次減税の処理ステップ・累計控除額の繰越し計算・給与明細への記載方法など給与実務の具体的フローは、定額減税2026の対象者と給与計算への影響で家族構成別の早見表とあわせて詳述しています。本記事と併読することをお勧めします。
2026年も定額減税は続くのか:確定情報と検討中事項
2026年継続有無の考え方
定額減税が2026年に「同じ枠組みで続くか」「制度設計が変更されるか」「終了するか」は、毎年の税制改正大綱と国税庁通達で確定します。本記事執筆時点(2026年5月)では、2025年実施フローの基本が踏襲される見通しで運用されていますが、最新通達と照合する必要があります。
| 項目 | 確定情報(2025年実施分) | 2026年の検討中事項 |
|---|---|---|
| 控除額 | 本人・扶養親族×4万円(所得税3万円+住民税1万円) | 物価動向次第で見直し議論 |
| 所得制限 | 合計所得1,805万円以下 | 同水準で継続見込み |
| 月次減税フロー | 源泉徴収税額からの月次控除 | 給与ソフト各社が通達準拠 |
| 調整給付 | 市区町村が控除しきれない分を給付 | 給付タイミング・金額の自治体差は残存 |
「終了するまで続く前提」で実務対応する一方、毎年の通達確認を欠かさないのが安全です。
判断の軸:実務担当者が動くべきタイミング
- 税制改正大綱(例年12月公表)— 翌年度の控除額・所得制限の見直し方向を確認
- 国税庁通達(例年3〜4月公表)— 月次減税の実務手順が確定
- 給与ソフトのリリースノート(例年4〜5月)— 設定変更が必要かを確認
3つのタイミングをカレンダーで管理しておくと、対応漏れを防げます。
定額減税の対象者と控除額
対象者の条件
- 居住者(国内に住所または183日以上の居所がある)
- 合計所得金額が1,805万円以下(給与収入換算で約2,000万円以下)
控除額の計算
所得税の減税額 = 3万円 × (本人 + 同一生計配偶者 + 扶養親族の人数)
| 家族構成 | 所得税減税額 | 住民税減税額 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 独身(扶養なし) | 3万円 | 1万円 | 4万円 |
| 配偶者あり(扶養1名) | 6万円 | 2万円 | 8万円 |
| 配偶者+子2名 | 12万円 | 4万円 | 16万円 |
月次減税の詳細フロー(毎月の源泉徴収から控除する手順・控除しきれない場合の繰越し計算・家族構成ごとの完了月早見表)は定額減税2026の対象者と給与計算への影響でステップごとに解説しています。本記事ではこれ以降、確定申告での扱いと従業員説明に焦点を当てます。
確定申告への影響
確定申告が必要なケース
定額減税は給与所得者の場合、月次減税と年末調整で完結するケースがほとんどです。一方で、以下の方は確定申告で減税の最終精算が必要になります。
- 給与収入が2,000万円超(年末調整が行われない)
- 副業・不動産所得等で確定申告義務がある場合
- 医療費控除・寄附金控除などで確定申告する場合
- 年の途中で退職して年末調整を受けていない場合
確定申告書での記載ポイント
確定申告では、源泉徴収票に記載された月次減税の控除額をもとに、定額減税後の最終的な税額を計算します。確定申告書 第一表の「定額減税額」欄に減税額を記載し、税額控除の一部として処理します。
| 申告書の項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 源泉徴収票の「定額減税控除済額」 | 月次減税で控除済みの所得税額 |
| 確定申告書「定額減税額」 | 本人・扶養親族の人数×3万円 |
| 「控除しきれない金額」 | 確定申告では処理せず、市区町村の調整給付の対象 |
月次減税額が年間所得税を超える場合
月次減税額が年間の所得税額を超える場合(低所得者の場合)、余った分は確定申告では還付されません。市区町村から「調整給付」として現金で支払われます。「確定申告で還付されない」という点は、従業員から最も誤解されやすい論点です。
確定申告と年末調整の役割分担
定額減税の精算には、年末調整と確定申告の2つの経路があります。給与担当者・経営者の方は、自社従業員のどちらに該当するかを把握しておくことが重要です。
| 精算経路 | 対象者 | 処理 |
|---|---|---|
| 年末調整 | 給与所得者(年末まで在籍) | 会社が源泉徴収票上で精算(月次減税の累計を確認) |
| 確定申告 | 給与収入2,000万円超/副業あり/中途退職/その他確定申告義務者 | 本人が確定申告書で最終精算 |
| 調整給付 | 月次・年末調整・確定申告でも控除しきれない場合 | 市区町村から現金給付 |
自社従業員のうち何名が確定申告経路になるかが分からない場合は、リーパル会計事務所の無料相談で具体的に整理できます。役員報酬2,000万円超の経営者・副業申告中の従業員数をお伝えいただければ、必要な書類・案内文の雛形をご提供します。
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従業員への説明ポイント
定額減税は仕組みが複雑なため、給与担当者には従業員からの問い合わせが集中します。代表的な質問パターンをあらかじめ整理しておくと、説明の負担を大幅に減らせます。
従業員からよく来る質問
「手取りが増えたが、なぜ?」
→ 定額減税として所得税の一部が控除されているため。給与明細の「定額減税控除額」を指して説明する。
「全部で何万円得するの?」
→ 扶養家族の数に応じた合計控除額(本人+扶養親族×4万円)を説明する。具体的な家族構成での金額を提示すると納得感が高い。
「来年も同じだけ手取りが多いの?」
→ 定額減税は恒久的な制度ではない。最新の税制改正大綱で継続有無を毎年確認する旨を説明する。
「副業しているけど、確定申告で減税はどうなる?」
→ 源泉徴収票の「定額減税控除済額」をもとに確定申告で再計算する旨を案内。複雑なケースは税理士相談を推奨する。
「住民税の減税はいつ反映されるの?」
→ 住民税は年1回の特別控除として6月給与から反映される。所得税の月次減税とは別タイミングであることを明示する。
社内案内文の整備ポイント
従業員説明用の社内案内文には、最低限以下4点を盛り込みます。
- 減税の対象者・控除額(家族構成別の金額表)
- 給与明細での見方(「定額減税控除額」欄の説明)
- 確定申告が必要なケースの一覧(副業・年収2,000万円超・中途退職)
- 問い合わせ窓口(人事・経理担当者の連絡先)
社内案内文の雛形作成や、確定申告経路に該当する従業員の洗い出しに不安がある場合は、リーパル会計事務所の無料相談で具体的に検討できます。従業員数・役員数・副業申告者の概数をお伝えいただければ、案内文と問い合わせフローの叩き台をご提供します。
よくある質問
Q1. 2026年も定額減税は続きますか?
A. 政府の方針により変わります。2026年分の取り扱いは、毎年の税制改正大綱・国税庁の通達で確定するため、毎年12月の大綱公表時と翌春の通達公表時に確認することをお勧めします。リーパル会計事務所でも最新情報を随時ご案内しています。
Q2. 副業がある従業員の確定申告では、月次減税の処理はどうなりますか?
A. 確定申告書で源泉徴収票記載の月次減税額をベースに最終的な税額を計算します。副業所得の合計が大きい場合、月次減税の影響額を給与ソフト・申告ソフトの両方で確認してください。
Q3. 月次減税のフローや年末調整での精算手順を詳しく知りたい場合は?
A. 定額減税2026の対象者と給与計算への影響で家族構成別の早見表・処理ステップ・年末調整での確認事項をすべて解説しています。給与担当の方はそちらを併読してください。
Q4. 定額減税の処理ができるクラウド給与ソフトはありますか?
A. freee人事労務・マネーフォワード給与・SmartHRなど主要なクラウド給与ソフトが対応しています。最新の対応状況は各ソフトのサポートページで確認してください。設定の確認ポイントは姉妹記事で解説しています。
Q5. 月の途中で退職した従業員は、定額減税をどう精算しますか?
A. 退職時点で年末調整が行われていなければ、本人が翌年の確定申告で精算します。源泉徴収票に「定額減税控除済額」が記載されているため、その金額をもとに確定申告書で再計算します。
Q6. 外国籍の従業員も定額減税の対象ですか?
A. 居住者(国内に住所または183日以上の居所がある)であれば、国籍に関わらず対象です。
まとめ:2026年の継続有無は毎年の通達確認が判断基準
定額減税は令和6年(2024年)分の1回限りの措置として完了しており、令和7年(2025年)以降は同じ枠組みでの実施はありません。2026年時点では、定額減税に代わり基礎控除・給与所得控除の引き上げ(「160万円の壁」「178万円の壁」への移行)による恒久的な所得税負担軽減策に再設計されています。給与担当者は毎年の税制改正大綱と国税庁通達を確認しながら、確定申告経路に該当する従業員(副業者・年収2,000万円超・中途退職者)への案内文整備を進めることが重要です。月次減税の実務フロー・年末調整での精算は姉妹記事に集約しているため、給与担当の方は両記事を併読することで漏れのない運用が可能になります。
定額減税の継続有無を「毎年見送り」にしてしまうと、従業員から「来年も手取りが増えるのか」と聞かれた瞬間に答えに詰まり、結果として人事・経理への信頼が下がっていきます。リーパル会計事務所では1,100社以上の関与実績をもとに、定額減税の継続判断・確定申告経路の従業員洗い出し・社内案内文の整備までを一貫して支援しています。「自社の従業員のうち、何名が確定申告経路になるか把握できていない」という段階の方こそ、お早めにご相談ください。
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参考資料
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参考リンク: 国税庁「定額減税」
監修者: 鳥羽 卓朗(公認会計士・税理士)
リーパル会計事務所 代表。PwCあらた有限責任監査法人出身。1,100社以上の関与実績を持ち、定額減税の継続判断・従業員説明文書整備・確定申告経路の整理など、税制改正の従業員コミュニケーション設計を専門とする。
最終更新日: 2026年10月24日
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