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出張で節税できる?旅費規定(旅費日当規程)のサンプルと作り方

税務
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出張のたびに交通費や宿泊費は精算していても、日当を払ってよいのか、いくらにすればよいのか迷っていませんか。旅費日当は、社内規程に基づく妥当な金額であれば、会社の経費にでき、受け取る人にも税金がかかりません。ただし、規程を作るだけでなく、実際の出張内容が分かる記録を残す必要があります。

この記事では、旅費日当規程のサンプルをもとに、日当額の決め方や支給の手順、税務調査に備えて確認したい点を紹介します。

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旅費日当とは何か

日当の法的位置づけ

旅費日当は、役員・従業員が出張した際に「宿泊費・交通費の実費以外に支払う手当」です。出張中の食事代・雑費・移動に伴う労力への補填という性格を持ちます。

税法上、旅費規程(旅費日当規程)に基づいて支払われる旅費・日当は、社会通念上相当の金額であれば課税されないとされています(所得税法第9条第1項第4号)。

つまり:

  • 法人側:損金算入できる(費用になる)
  • 個人側:給与所得ではなく非課税(所得税・住民税の対象外)

同額を役員報酬として支払った場合は個人に所得税がかかりますが、旅費日当として支払えば非課税です。この差が節税効果の源泉です。

具体例として、同額を役員賞与として支払う場合は個人側で所得税・住民税が課税され、所得税率33%・住民税10%の帯であれば手取りは年間支給額の約57%まで圧縮されます。旅費日当として支払えば全額が個人の非課税収入となるため、その差がそのまま手取り増加に直結します。

旅費日当の節税効果:具体例

試算例

代表取締役が月に8回(年96回)出張する場合を想定します。

シナリオ 内容
役員報酬として追加で支払う場合(月5万円追加) 個人に所得税(33%)・住民税(10%)がかかり、手取りは年間348万円 × (1-0.43) ≈ 199万円
旅費日当として支払う場合(1回あたり5,000円、年96回) 年間48万円が全額非課税で受け取れる。法人の損金も増える

規模の大きい経営者(所得税率が高い方)ほど、旅費日当の節税効果は大きくなります。年間を通じて出張が多い役員であれば、役員報酬とのバランスを見ながら旅費日当の活用を検討することをお勧めします。

旅費日当の効果を最大化するポイントは「規程の整備」だけでは足りません。実際の運用、つまり出張申請書・出張報告書・日当支給明細の3点セットが運用に乗っていることが必須です。リーパル会計事務所では、規程のドラフト作成と並行して、出張申請から日当支給までのフローをfreee経費精算やマネーフォワードクラウド経費に組み込み、運用の継続性まで設計支援しています。

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旅費日当規程に必要な記載事項

規程に盛り込むべき6項目

旅費日当規程として税務署・税務調査に耐えうる内容にするには、以下の6項目を明記することが求められます。

  1. 目的・適用範囲:誰に・どんな出張に適用されるかを明記
  2. 出張の定義:「片道○km以上」「○市外への移動」等、自社での出張基準
  3. 日当の金額区分:役職・出張先(国内・海外・宿泊を伴うか否か)別に金額を設定
  4. 交通費・宿泊費の取扱い:実費支給か定額支給か
  5. 申請・精算手続き:出張前の申請・帰社後の精算報告の流れ
  6. 改定手続き:規程の改定方法(取締役会決議等)

規程例(テンプレート)

株式会社○○ 旅費日当規程

第1条(目的)
本規程は、役員および従業員が業務上の出張を行う際の旅費・日当の支給基準を定めることを目的とする。

第2条(適用範囲)
本規程は、会社の命令により出張する全ての役員および従業員に適用する。

第3条(出張の定義)
出張とは、業務上の目的で社外(勤務地から片道50km以上の場所または宿泊を伴う移動)へ赴くことをいう。

第4条(日当の支給基準)
日当は以下の基準により支給する。
 ①役員(取締役・監査役)
   国内日帰り出張:5,000円
   国内宿泊出張(1泊につき):8,000円
   海外出張(1日につき):15,000円
 ②管理職(課長以上)
   国内日帰り出張:3,000円
   国内宿泊出張(1泊につき):6,000円
 ③一般従業員
   国内日帰り出張:2,000円
   国内宿泊出張(1泊につき):4,000円

第5条(交通費)
業務上の移動に要した交通費は、実費を支給する。ただし合理的な経路・交通手段に限る。

第6条(宿泊費)
宿泊費は以下の上限額の範囲内で実費を支給する。
 役員:20,000円(1泊)
 管理職:15,000円(1泊)
 一般従業員:12,000円(1泊)

第7条(申請・精算)
出張者は帰社後○日以内に「出張精算書」を提出しなければならない。

第8条(規程の改定)
本規程の改定は、取締役会の決議による。

附則:本規程は令和○年○月○日より施行する。

日当の相場と「不相当に高額」の判断基準

過大な日当は課税リスクがある

旅費日当は「社会通念上相当な金額」であることが非課税の条件です。不相当に高額な日当は、税務調査で「給与の一部」として課税される可能性があります。

業界相場の目安(国内日帰り出張)

役職 相場の目安
代表取締役 3,000円〜8,000円
役員・管理職 2,000円〜5,000円
一般従業員 1,500円〜3,000円

一人法人(代表取締役のみ)で日当を設定する場合でも、同業他社の水準・実態のある出張を前提にした合理的な金額設定が求められます。

税務調査での注意点

運転記録・出張記録の整備

旅費日当規程を整備するだけでは不十分です。実際の出張の記録(出張日・行先・目的・移動手段)を残すことが、税務調査での証拠として機能します。

特に以下の点が税務調査で確認されやすいポイントです。

  • 出張の実態(得意先訪問記録・交通機関の領収書等)
  • 日当と役員報酬の関係性(日当を払いすぎていないか)
  • 役員のみに過大な日当を払っていないか
  • 休日・私用との混在(休日の出張に日当を払っている場合)

リーパル会計事務所では、旅費日当規程の作成だけでなく、税務調査対応の観点から規程の内容と運用が整合しているかの確認も行っています。

実務上のポイント:一人法人・スモールビジネスでの活用

一人法人でも活用できるか

代表取締役のみの一人法人でも旅費日当規程を設けることは可能です。ただし以下の2点に注意が必要です。

  • 出張の実態があること(営業訪問・セミナー参加・取引先打ち合わせ等)
  • 日当額が同規模同業種の法人と比べて著しく高額でないこと

節税目的のみで出張実態なく日当を払うことは、実質的な脱税につながりかねないため避けてください。

日当の設定額は「業界水準」に対してどの位置にあるかが、税務調査での主要な争点になります。一般的には役員1日5,000円〜1万円、社員2,500円〜5,000円が目安ですが、業種・出張頻度・役職階層によって妥当ラインは動きます。リーパル会計事務所では、御社の実態に近い同業他社のデータを踏まえた日当設定をご提案できます。

旅費日当規程がまだ整備されていない場合、出張のたびに発生する節税チャンスを毎回逃していることになります。規程の作成は一度きりの作業で、正しく整備すれば毎年繰り返し節税効果を享受できます。「規程のひな型を一緒に作りたい」という段階でも、リーパル会計事務所にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 旅費日当規程は税務署に届け出が必要ですか?

A. 届け出は不要です。社内文書として作成・整備し、取締役会等で決議したうえで施行するだけで効力が生じます。ただし決議の記録(議事録)は保管してください。

Q2. 電車・新幹線の実費のほかに日当を払ってよいですか?

A. 可能です。交通費(実費)と日当(定額)は別途支給できます。日当はあくまで「移動・滞在に伴う諸費用・労力への補填」という性格です。

Q3. 海外出張の日当はいくらが妥当ですか?

A. 地域・役職によって幅がありますが、国内より高い水準(1日あたり1万〜3万円程度)が一般的です。外務省が公表している国別の旅費基準も参考になります。

Q4. 旅費日当規程を今から作ったら、過去の出張に遡及適用できますか?

A. 遡及適用は原則として認められません。規程の施行日以降の出張から適用します。過去分を規程なしに日当として計上していた場合は、税務調査で給与認定のリスクがあります。

Q5. 旅費日当以外で交通費の節税策はありますか?

A. 定期代・交通費の実費支給は損金算入できます。また、役員・従業員の転勤に伴う引越し費用も、規程に基づき支給すれば損金算入できます。詳しくは中小企業が使える法人税の節税対策15選をご覧ください。

参考資料

旅費日当規程は、整備するだけで法人税・所得税・社会保険料の3つに同時に効く稀有な節税スキームです。一方で、規程と実態の食い違いがあると一発で否認されるため、「作る」と「運用する」の両輪が必要になります。リーパル会計事務所では、規程ひな型の作成支援に加えて、運用定着のチェックリストや出張申請フローの整備までセットで支援しています。出張頻度の多い経営者・営業組織を抱える会社の方は、規程作成のタイミングでぜひ一度ご相談ください。

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監修者: 鳥羽 卓朗(公認会計士・税理士)
リーパル会計事務所 代表。PwCあらた有限責任監査法人出身。1,100社以上の関与実績を持ち、中小企業の法人節税・税務調査対応を専門とする。

最終更新日: 2026年10月24日

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