社外CFO・財務顧問の月額は、公開されている料金表50プランを当所で集めたところ、税抜表示のプランで中央値が月10万円、半数が月5万〜20万円に収まっていました。月1回の面談と資金繰り表の更新なら月5万〜10万円、経営会議への参加や銀行との面談の同席まで頼むと月15万〜30万円、週1回以上かかわるCFO代行は月30万円以上が目安です。
銀行への説明や資金繰りの見通しを、税務の顧問とは別に専門家へ頼みたい社長に向けた記事です。
この記事では、料金の幅、頼める範囲と料金の関係、月額の外にかかる費用(着手金・成功報酬・最低契約期間)、国の補助が使える部分を、表で整理します。
この記事の要点
- 月額の目安は、相談だけなら月2万〜3万円、毎月の面談と資金繰り表で月5万〜10万円、経営会議・銀行同席まで月15万〜30万円、CFO代行は月30万円以上です(当所調べ)。
- 料金を分けるのは「会う回数」「誰が資料を作るか」「銀行の場に出るか」の3つです。
- 月額のほかに、着手金(計画づくりの費用)・最低契約期間・資金調達の成功報酬がかかるかを、契約の前に確かめます。
- 計画づくりとその後3年の伴走は、早期経営改善計画を使うと費用の2/3を国の側(中小企業活性化協議会)が負担します。毎月の顧問料そのものは対象外です。
社外CFO・財務顧問とは|税理士の顧問と何が違うか
社外CFO・財務顧問は、会社の外から、資金繰り・予算と実績の管理・銀行への説明といった財務の仕事を手伝う専門家です。呼び名は事務所によって「財務顧問」「財務コンサルティング」「CFO代行」「経営会議支援」などと違いますが、中身は「数字を使って先の資金と利益を管理する」ことです。
税理士の顧問(税務顧問)は、主に過去の取引を帳簿にし、申告と納税を正しく行うための契約です。財務顧問は、その帳簿をもとに、これから先の資金の動きと利益の計画を立て、毎月その計画と実績を比べる契約です。
| 比べる点 | 税務顧問 | 財務顧問・社外CFO |
|---|---|---|
| 見る時間 | 過去(済んだ取引) | 先(これからの資金と利益) |
| 主な成果物 | 帳簿・決算書・申告書 | 資金繰り表・予算と実績の比較・銀行への説明資料 |
| 会う頻度 | 決算前後・必要な時 | 月1回の面談・経営会議が多い |
| 銀行とのかかわり | 決算書を出す時の補足 | 計画の説明・面談の同席を含むことがある |
財務顧問だけを別の専門家に頼み、税務顧問は今の税理士のままにする形を受けている事務所も多くあります。集めた料金表でも、「顧問税理士の変更は不要」「今の税理士・経理との併用が前提」と書いたプランがありました。
社外CFO・財務顧問の費用相場|月額の幅
2026年10月に、税理士・公認会計士の事務所やコンサルティング会社が公開している料金表から、月額の財務顧問・社外CFOのプランを50集めました(同じ事業者の別のプランを含む)。税抜・税込・表示なしを混ぜると比べられないため、表示ごとに分けています。「〜」と書かれた料金は下限の額で数えました。
| 料金の表示 | プラン数 | 下から4分の1 | 中央値 | 上から4分の1 |
|---|---|---|---|---|
| 税抜 | 26 | 月5万円 | 月10万円 | 月20万円 |
| 税込 | 13 | 月2.2万円 | 月3.3万円 | 月8.8万円 |
| 税の表示なし・見積もり時に提示 | 11 | 月4万円 | 月5万円 | 月11.5万円 |
税込で表示しているプランは、年4回の面談や月1時間のオンライン相談など、軽いプランが多く入っているため低く出ています。表示の違いより、何が含まれているかの違いで料金が決まっていると読むのが実態に近いと考えます。いちばん低いのは月1万円台、いちばん高いのは月100万円(週次でかかわる年商10億円以上の会社向けのプラン)でした。
この数字は、公開されている料金表を集めたもので、市場の全体を無作為に選んだ調査ではありません。実際の請求額は、会社の規模や頼む範囲で変わります。
料金を分ける3つの点|何を頼むと月いくらか
料金表の中身を並べると、料金の差はおおむね次の3つで説明できます。
- 会う回数:年4回か、毎月か、隔週・毎週か。
- 誰が資料を作るか:会社が作った資料を見て助言するだけか、専門家が資金繰り表・予算と実績の表・会議資料を作るか。
- 銀行の場に出るか:銀行との面談に同席するか、経営会議に出るか。
| かかわり方 | 月額の目安 | 含まれることが多いもの |
|---|---|---|
| 相談だけ(年4回〜月1時間) | 月2万〜3万円 | 面談での助言。資料は会社が用意する |
| 毎月の面談+資金繰り表 | 月5万〜10万円 | 月1回の面談、資金繰り表と予算・実績の比較の更新、随時の相談 |
| 経営会議・銀行同席まで | 月15万〜30万円 | 経営会議への参加、銀行に出す資料づくり、決算時などの銀行面談の同席、経営計画の作り直し |
| CFO代行(週次・常駐に近い) | 月30万円以上 | 隔週〜毎週のかかわり、銀行交渉の同席、幹部会議、資金調達・M&A・事業承継の財務 |
表の目安は、税抜と税込の表示が混ざった料金表から読んだ幅です。同じ月10万円でも、資料を会社が作るのか専門家が作るのかで、社長と経理の手間は大きく変わります。料金を比べる時は、月額と一緒に「毎月だれが何を作るか」を書き出して比べると、違いが見えます。
月額の外にかかる費用|契約の前に確かめる4つ
月額だけを比べると、後から思わぬ費用が出ることがあります。料金表で見つかった、月額の外にかかる費用は次のとおりです。
| 費用 | 料金表で見られた例 | 確かめること |
|---|---|---|
| 着手金・導入費・計画づくりの費用 | 入会金5万円、計画づくり30万円、導入支援100万円以上、月額1か月分など | 初めの数か月で何を作るか(資金繰り表・経営計画)と、その費用が月額に含まれるか |
| 最低契約期間 | 3か月、6か月、1年、2年など | 途中でやめる時の扱い(何か月前に伝えるか・残りの月の費用) |
| 資金調達の成功報酬 | 融資額の1〜5%(別のメニューとして) | 月額の中で銀行の資料を作った場合にも成功報酬がかかるか |
| 会計ソフト・システムの費用 | 特定の会計ソフトへの切替が前提のもの | 今の会計ソフトのまま頼めるか |
成功報酬は、借りた額に応じて払う費用です。借入が大きいほど費用も大きくなるため、月額が安くても、年間の合計で見ると高くなることがあります。成功報酬がかからない契約かどうかを、最初に聞いておくと比べやすくなります。
国の補助が使える部分|早期経営改善計画
財務顧問の始めに作ることが多い「経営改善計画」と、その後の確認には、国の補助があります。早期経営改善計画(通称「Vアップ事業」)を使うと、認定経営革新等支援機関(国の認定を受けた税理士・公認会計士など)と作る計画の費用の2/3を、中小企業活性化協議会が負担します。
- 上限は、計画づくり50万円・その後3年間の伴走(進み具合の確認)30万円です。経営者保証の解除に向けた金融機関交渉などには、任意で上限10万円の上乗せがあります。
- 使えるのは、返済条件の変更(リスケ)が要らない中小企業で、1社1回です。
- 毎月の顧問料そのものは補助の対象外です。補助が出るのは、協議会からの依頼を専門家が承諾した日以降の、計画づくりと伴走の作業の分です。
計画づくりの費用を補助で抑え、その計画を毎月の財務顧問で回す、という組み合わせもできます。制度の中身と計算例は早期経営改善計画の費用はいくら国が持つ?2/3補助の上限と使える会社で詳しく書いています。
財務顧問が向いている会社・まだ早い会社
財務顧問の費用に見合う効果が出やすいのは、次のような会社です。
- 借入があり、毎年の決算後に銀行へ業績を説明している。
- 利益は出ているのに、預金の残高が思ったほど増えない。
- 数か月先の資金が足りるかを、社長の頭の中でしか見ていない。
- 追加の借入や借換えを、半年〜1年のうちに銀行へ相談したい。
反対に、毎月の試算表がまだ出ていない会社は、先に月次の締めを整えたほうが、財務顧問の料金を生かせます。月次の締めの整え方は中小企業の月次決算の進め方で書いています。資金繰りがすでに厳しい場合の相談先は資金繰りが厳しい時は誰に相談する?銀行へ行く前にそろえる資料と順番をご覧ください。
よくある質問
今の税理士との契約はそのままで頼めますか
多くの事務所が、税務顧問はそのままで財務顧問だけを受けています。その場合は、毎月の試算表や会計データを、今の税理士から財務顧問の側へ渡す手順を最初に決めます。
月1回の面談で何が変わりますか
毎月、予算と実績の差と、数か月先の資金の予定を確かめることで、資金が足りなくなる前に手を打てるようになります。銀行へも、決算の後だけでなく途中の数字で説明できるようになります。
銀行の融資を約束してもらえますか
融資を決めるのは銀行です。財務顧問は、銀行が判断に使う資料(資金繰り表・計画・実績の比較)を整え、社長が説明できるように準備する役です。融資を約束する専門家には注意してください。
費用は経費になりますか
事業のために払う顧問料は、一般に会社の経費(支払手数料・支払報酬など)として処理します。源泉徴収が要るかは、頼む相手が個人の税理士・公認会計士か法人かで変わるため、請求書の内容で確かめます。
まとめ
- 社外CFO・財務顧問の月額は、税抜表示のプランで中央値が月10万円、半数が月5万〜20万円でした(当所調べ・50プラン)。
- 料金は、会う回数・誰が資料を作るか・銀行の場に出るかで決まります。
- 着手金・最低契約期間・成功報酬・ソフトの前提を、月額と一緒に確かめます。
- 計画づくりと3年の伴走は、早期経営改善計画で費用の2/3の補助が使えます。
リーパル会計事務所にご依頼の場合
毎月の経営会議で予算と実績・資金繰りを確かめる財務顧問をお受けしています。今の税理士との顧問契約はそのままで頼めます。計画づくりから始める場合は、早期経営改善計画を使えるかも合わせてご案内します。
監修
本記事は、公認会計士・税理士の鳥羽卓朗が監修しています。
参考にした資料
- 中小企業庁「早期経営改善計画策定支援」(補助の上限・対象)
- 中小企業庁「早期経営改善計画策定支援の改定」(2026年3月)
- 早期経営改善計画策定支援に関する手引き(2026年3月31日改訂)
- 料金の相場:税理士・公認会計士の事務所とコンサルティング会社が公開している料金表50プラン(2026年10月に当所で収集)
この記事は2026年10月時点の制度・公表資料に基づいて書いています。
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