相続の準備で通帳や不動産の資料を集めていても、ほかに調べるべき財産がないか気になるものです。相続税の対象には、保険料の負担者や贈与の時期などの条件により、死亡保険金や生前贈与された財産も含まれます。子や孫の名義でも、実質的に亡くなった人の財産と認められる預金は対象です。
この記事では、相続税がかかる財産の一覧、保険や贈与の確認事項、申告の要否が変わる例と財産目録の作り方を紹介します。
この記事の要点
- 相続税がかかる財産は、本来の相続財産、みなし相続財産(保険金・退職金など)、暦年課税の贈与の加算、精算課税の贈与財産、その他です(国税庁 No.4105)。
- 名義が被相続人以外でも、被相続人が資金を出していて被相続人の財産と認められる預貯金は、課税対象です(誤りやすい事例集⑥)。
- 生前贈与は、110万円以下でも加算対象期間内なら加算します。期間は、死亡日が令和8年12月31日までなら3年、令和13年1月1日以降なら7年です。
- 配偶者と子2人で預貯金4,000万円と保険金2,000万円なら、課税価格は4,500万円で申告は不要。名義預金600万円が加わると5,100万円で申告が必要です。
- 未支給年金請求権と香典は、相続税の課税対象になりません。
相続税がかかる財産の全体像|4つの区分と、その他
相続税がかかる財産は、取得した財産の価額で計算します。相続税法22条は、相続、遺贈または贈与により取得した財産の価額は、取得の時における時価によると定めています。区分ごとの中身は、次の表のとおりです。
| 区分 | 中身の例 | 根拠 |
|---|---|---|
| 本来の相続財産 | 現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋、貸付金、特許権、著作権など、金銭に見積もれる経済的価値のあるすべてのもの | 国税庁 No.4105 |
| みなし相続財産 | 死亡保険金(被相続人が保険料を負担した部分)、死亡退職金など、生命保険契約に関する権利、定期金に関する権利 | 相続税法3条 |
| 暦年課税の贈与の加算 | 加算対象期間内に被相続人から贈与された財産(贈与時の価額) | 相続税法19条、No.4161 |
| 相続時精算課税の贈与財産 | 精算課税で贈与された財産(贈与時の価額から基礎控除110万円を引いた残額) | 相続税法21条の15、No.4105 |
| その他 | 特別寄与料、贈与税の納税猶予の対象だった農地や非上場株式など、教育資金・結婚子育て資金の管理残額 | No.4105 |
相続税の計算の流れ(課税価格の合計から基礎控除を引き、法定相続分で分けて税率を掛ける手順)は、相続税の計算方法|5つの手順と計算例(遺産1億円・配偶者と子2人)で説明しています。この記事は、その最初の手順の「課税価格の合計に何が入るか」を詳しく見るものです。
本来の相続財産|名義ではなく、誰の財産かで決まる
国税庁(No.4105)は、本来の相続財産を、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋のほか、貸付金、特許権、著作権など、金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの、と説明しています。通帳に載る預貯金や、登記簿に載る不動産だけではありません。
次のものも、本来の相続財産として申告に含める例が、国税庁の資料に挙がっています。
- 所得税の準確定申告の還付金:還付請求権は被相続人に帰属する財産で、相続税の課税対象です。後期高齢者医療保険料や介護保険料の還付金も同じです(誤りやすい事例集⑦)。
- 契約者が被相続人で、保険事故がまだ起きていない生命保険契約:被相続人が契約者で保険料を負担していた場合、「生命保険契約に関する権利」として、解約返戻金相当額を計上します(誤りやすい事例集⑨)。
- 被相続人の名義でない預貯金や株式:被相続人が資金を出していて、被相続人の財産と認められるものです。次の見出しで説明します。
反対に、アパートの家賃で、死亡した日にその月の支払期日が来ていない場合は、既経過分の家賃相当額を課税価格に算入しなくて差し支えない、という国税庁の質疑応答事例があります。
名義が被相続人以外の預貯金は、事実を確かめて判断する
国税庁の誤りやすい事例集⑥は、父の自宅の金庫から、子の名義の定期預金証書が出てきた例を取り上げています。その定期預金は、父の収入から預け入れたもので、父が管理・運用していて、子は贈与を受けた覚えがありません。このような預貯金は、名義にかかわらず被相続人の財産と認められ、相続税の課税対象になる、と説明されています。
国税不服審判所の裁決(平成28年11月8日裁決)は、被相続人以外の名義の預貯金が、相続開始の時に被相続人のものだったかどうかの判断の仕方を示しています。「預貯金の出捐者、管理及び運用の状況、預貯金から生ずる利益の帰属者、被相続人と名義人および管理運用者との関係、名義を有することになった経緯等を総合考慮して判断する」というものです。
この裁決では、一部の預貯金は被相続人の財産と認められましたが、名義人自身の保険の満期金が原資で、被相続人が管理していたと認められない定期預金は、相続財産と認められませんでした。名義が違うだけで一律に課税されるわけではなく、口座ごとの事実で判断される、ということです。
口座ごとに確かめる事実と、見る資料を、表にまとめました。名義預金の判断や税務調査での扱いの詳細は、名義預金|子・孫名義の預金が相続財産になる判断基準と税務調査で説明しています。
| 確かめる事実 | 見る資料の例 |
|---|---|
| お金を出した人(原資の出所) | 入金の元になった口座の通帳、収入の資料 |
| 通帳・印鑑・キャッシュカードを持ち、出し入れしていた人 | 通帳の保管場所、取引の履歴、届出印 |
| 利息・配当を受け取っていた人 | 利息の入金口座、運用の履歴 |
| 被相続人と名義人・管理運用者との関係 | 家族関係、同居・別居、名義人の収入状況 |
| 名義人が名義を持つことになった経緯 | 贈与の契約書や贈与税の申告の有無、名義人本人の認識 |
この5項目は、裁決が挙げた判断要素を、確認しやすい形に並べ直したものです。どれか1つで結論が決まるわけではなく、総合して判断されます。
みなし相続財産|相続税法3条が挙げる財産
相続税法3条1項は、被相続人の財産そのものではなくても、被相続人の死亡によって相続人などが取得した次の財産を、「相続または遺贈により取得したものとみなす」と定めています。
| みなし相続財産 | 課税される部分 | 条文 |
|---|---|---|
| 生命保険金・損害保険金(偶然な事故による死亡に伴うもの) | 被相続人が負担した保険料の割合に応じた部分 | 3条1項1号 |
| 死亡退職金・功労金など(死亡後3年以内に支給が確定したもの) | 支給を受けた金額 | 3条1項2号 |
| 保険事故が未発生の生命保険契約の権利(契約者が被相続人以外) | 被相続人が負担した保険料の割合に応じた権利 | 3条1項3号 |
| 定期金給付事由が未発生の定期金給付契約の権利(契約者が被相続人以外) | 被相続人が負担した掛金等の割合に応じた権利 | 3条1項4号 |
| 被相続人が定期金受取人だった契約で、死亡後に相続人などが定期金・一時金の受取人となった場合の権利 | 被相続人が負担した掛金等の割合に応じた権利 | 3条1項5号 |
| 契約に基づかない定期金に関する権利 | その権利 | 3条1項6号 |
生命保険金には、「500万円×法定相続人の数」までの非課税枠があります。死亡退職金にも、同じ計算の非課税枠があります。どちらも、相続人が取得した分に限られ、相続人以外の受取人や、相続を放棄した人には適用されません(国税庁 No.4114・No.4117)。非課税枠を使った後の金額が、相続税の課税価格に入ります。枠の使い方と計算例は生命保険金の相続税|非課税枠「500万円×法定相続人の数」と計算例で説明しています。
契約者が誰かで、財産の区分が変わる
国税庁の誤りやすい事例集は、保険事故がまだ起きていない生命保険契約について、契約者が誰かで、財産の区分が変わることを示しています。
- 契約者が被相続人の場合(事例⑨):本来の相続財産です。「生命保険契約に関する権利」として、解約返戻金相当額を計上します。
- 契約者が相続人で、被相続人が保険料を負担していた場合(事例⑩):みなし相続財産です。契約者が、「生命保険契約に関する権利」を相続または遺贈で取得したものとみなされ、解約返戻金相当額を計上します。
どちらも、死亡保険金を受け取っていない契約なので、「保険金をもらっていないから課税されない」と思いがちな項目です。保険証券の契約者・被保険者・保険料の負担者を、契約ごとに確認してください。
生前贈与の加算|暦年課税の贈与は、死亡日で期間が変わる
相続や遺贈で財産を取得した人が、同じ被相続人から、加算対象期間内に暦年課税の贈与で財産を取得していることがあります。その財産は、贈与時の価額を、その人の相続税の課税価格に加算します(相続税法19条、国税庁 No.4161)。
110万円以下の贈与も、期間内なら加算する
国税庁(No.4161、誤りやすい事例集⑭)は、加算対象期間内の贈与は、贈与税がかかったかどうかに関係なく加算する、としています。そのため、贈与税の基礎控除110万円以下の贈与や、死亡した年に贈与された財産も、加算の対象です。贈与税を納めていた場合は、その贈与税額を、相続税額から控除します。
加算対象期間は、死亡日で3つに分かれる
加算対象期間は、被相続人の死亡日によって、国税庁 No.4161 のとおり次の3つに分かれます。
| 被相続人の死亡日 | 加算対象期間 |
|---|---|
| 令和8年12月31日まで | 相続開始前3年以内 |
| 令和9年1月1日〜令和12年12月31日 | 令和6年1月1日から死亡の日まで |
| 令和13年1月1日以降 | 相続開始前7年以内 |
令和9年1月2日以降の相続では、次のように加算します。加算対象期間のうち、相続開始前3年以内でない部分(延長部分)の贈与は、その合計額から100万円を引いた残額を加算します(国税庁 No.4161の注記、相続税法19条1項)。
同じ贈与でも、死亡日で加算額が変わる様子を示します。子が、被相続人から令和6年(2024年)12月20日と令和7年(2025年)12月20日に、それぞれ110万円ずつ贈与を受けていた場合です。
| 被相続人の死亡日 | 加算対象期間 | 相続税の課税価格に加算する額 |
|---|---|---|
| 2026年12月20日 | 2023年12月20日〜死亡日 | 220万円(2回とも3年以内) |
| 2028年6月30日 | 2024年1月1日〜死亡日 | 120万円(2025年分は全額、2024年分は延長部分で100万円控除後の10万円) |
| 2031年6月30日 | 2024年6月30日〜死亡日 | 120万円(2回とも延長部分で、合計220万円から100万円控除) |
| 2033年6月30日 | 2026年6月30日〜死亡日 | 0円(2回とも期間より前) |
加算されない贈与もあります。国税庁(No.4161)は、次の金額などは加算する必要がないとしています。
- 贈与税の配偶者控除の適用を受けた財産のうち、配偶者控除額に相当する金額
- 直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち、非課税の適用を受けた金額
加算の期間と計算の詳細は生前贈与加算は7年に|亡くなった日で何年分が戻るか(経過措置の早見表)で説明しています。
相続時精算課税の贈与財産
被相続人から相続時精算課税を選んで贈与を受けた財産は、相続のときに、贈与時の価額で相続税の課税価格に加算します。令和6年1月1日以後の贈与については、年ごとの贈与額から、相続時精算課税の基礎控除110万円を引いた残額を加算します(相続税法21条の15、国税庁 No.4103・No.4105)。
たとえば、2024年に300万円、2025年に500万円の贈与を、精算課税で受けていた場合、相続の時に加算する額は、2024年分が190万円、2025年分が390万円で、合計580万円です。精算課税の仕組みと、選ぶ前の注意点は相続時精算課税|2024年からの年110万円の基礎控除と、選ぶ前の注意点で説明しています。
相続税がかからないもの|境目の確認
課税対象にならないもの(非課税財産や、そもそも課税対象でないもの)を、財産目録から外してよいか迷うときの確認表です。
| 項目 | 相続税 | 根拠 |
|---|---|---|
| 未支給年金(遺族が自己の固有の権利として請求するもの) | 課税対象にならない(遺族の一時所得) | 国税庁 質疑応答事例(未支給の国民年金) |
| 遺族年金 | 原則として課税されない | 国税庁 誤りやすい事例集⑧ |
| 香典 | 課税対象にならない(被相続人に帰属しない) | 税務大学校 講本 |
| 墓地・仏壇・仏具など日常礼拝の物 | 非課税 | 相続税法12条1項2号、国税庁 No.4108 |
非課税財産の範囲は相続税がかからない財産|墓地・仏壇・生命保険金・死亡退職金・弔慰金の非課税で整理しています。
計算例|財産の拾い漏れで、申告が必要かどうかが逆転する
配偶者と子2人(基礎控除4,800万円)の家族で、預貯金など4,000万円と、死亡保険金2,000万円(受取人は相続人)がある場合です。保険金は、「500万円×法定相続人3人」の1,500万円が非課税になり、残りの500万円が課税価格に入ります。
| 財産の拾い方 | 課税価格の合計 | 基礎控除 | 相続税の総額 | 申告 |
|---|---|---|---|---|
| 預貯金など4,000万円+保険金2,000万円 | 4,500万円 | 4,800万円 | 0円 | 不要 |
| 上に、被相続人の財産と認められる名義預金600万円が加わる場合 | 5,100万円 | 4,800万円 | 30万円 | 必要 |
名義預金600万円が見つかると、課税価格の合計が基礎控除を超え、申告が必要になります。申告の要否は、特例を使う前の課税価格の合計が基礎控除を超えるかで判定します(国税庁 No.4205)。
子2人だけ(基礎控除4,200万円)の場合は、次のとおりです。保険金の非課税は、「500万円×法定相続人2人」の1,000万円になります。
| 財産の拾い方 | 課税価格の合計 | 基礎控除 | 相続税の総額 |
|---|---|---|---|
| 預貯金など4,000万円+保険金2,000万円 | 5,000万円 | 4,200万円 | 80万円 |
| 上に、名義預金600万円が加わる場合 | 5,600万円 | 4,200万円 | 140万円 |
名義預金600万円の有無で、相続税の総額が80万円から140万円へ、60万円変わります。財産の拾い漏れは、税額の差だけでなく、申告の要否にも影響します。
財産目録の作り方|棚卸しチェックリスト
財産目録を作るときは、通帳や登記簿に載るものから始めて、次の順に、拾い漏れがないかを確かめます。
- 本来の財産:預貯金(家族名義で資金を出していたものを含む)、有価証券、不動産、貸付金、貴金属、特許権・著作権などを、リストにします。
- 被相続人名義でない財産:子・孫・配偶者名義の預貯金や株式のうち、被相続人が資金を出し、管理していたものがないかを、口座ごとに確かめます。
- 保険:保険証券で、契約者・被保険者・保険料の負担者・受取人を確認します。保険金を受け取った契約と、事故が起きていない契約(権利)の両方を拾います。
- 死亡退職金:勤務先から支給された金額と、支給が確定した日を確認します(死亡後3年以内に確定したもの)。
- 還付金:所得税の準確定申告の還付金、後期高齢者医療保険料・介護保険料の還付金を確認します。
- 生前贈与:死亡日から数えて加算対象期間内の贈与(110万円以下を含む)、精算課税の贈与を、贈与日と金額で整理します。
- 課税されないもの:未支給年金、遺族年金、香典、墓地・仏壇などを、目録から外すか、別のメモにします。
- 債務・葬式費用:財産とは別に、引ける債務と葬式費用を整理します。団信の住宅ローンや保証債務のように、引けない債務もあるので、債務の内容を確かめます。
評価額は、取得の時の時価で計算します(相続税法22条)。土地や非上場株式など、評価の方法が決まっているものは、それぞれの評価の記事を確認してください。
相続税がかかる財産でよくある誤り
- 名義が子や孫になっている預金を、財産に入れていない。資金を出し、管理していたのが被相続人なら、被相続人の財産と認められます(誤りやすい事例集⑥)。
- 保険金を受け取っていない契約を、財産に入れていない。保険事故がまだ起きていない契約は、契約者が誰かで、本来の財産またはみなし相続財産として計上します(誤りやすい事例集⑨・⑩)。
- 110万円以下の贈与は、贈与税がかからないから加算しなくてよい、と考えている。加算対象期間内なら、110万円以下の贈与も加算します(国税庁 No.4161、誤りやすい事例集⑭)。
- 準確定申告の還付金を、相続財産に入れていない。被相続人に帰属する財産として、課税対象です(誤りやすい事例集⑦)。
- 未支給年金を、財産に入れている。遺族が自己の固有の権利として請求するもので、相続税の課税対象になりません(国税庁 質疑応答事例)。
自分の家族の場合を試算するには
どの財産がいくらで課税価格に入るかは、財産の内訳と家族構成で変わります。当事務所の無料の相続税シミュレーターでは、預貯金・保険金・退職金・自宅の土地などを入れて、分け方ごとの税額と二次相続を含めた合計を比べられます。
財産の洗い出しや、申告書の作成を任せたい場合は、相続税申告のページに、全国オンライン対応のご案内と料金を載せています。
よくある質問
死亡保険金は、相続税がかかりますか。
被相続人が保険料を負担していた契約の死亡保険金は、みなし相続財産として、相続税の課税対象です(相続税法3条1項1号)。ただし、相続人が受け取った分は、「500万円×法定相続人の数」までが非課税です。相続人以外の人や、相続を放棄した人が受け取った保険金には、この非課税枠は使えません(国税庁 No.4114)。
子の名義の預金は、すべて相続財産になりますか。
名義だけでは決まりません。お金を出した人、管理・運用の状況、利益の帰属者、関係、名義を持つことになった経緯などを、総合して判断します(国税不服審判所 平成28年11月8日裁決)。被相続人が資金を出し、管理していた場合は、被相続人の財産と認められ、相続税の課税対象になります(誤りやすい事例集⑥)。
亡くなる前に110万円ずつ贈与していました。相続税はかかりますか。
加算対象期間内の贈与であれば、110万円以下でも、贈与時の価額を相続税の課税価格に加算します。期間は、死亡日が令和8年12月31日までなら3年、令和13年1月1日以降なら7年です(国税庁 No.4161)。
遺族年金や未支給年金は、財産に入りますか。
未支給年金は、相続税の課税対象になりません(遺族の一時所得)。遺族年金も、原則として課税されません(国税庁の質疑応答事例、誤りやすい事例集⑧)。
香典は、相続税の課税対象ですか。
課税対象になりません。税務大学校の講本は、香典は被相続人に帰属しないため、相続税の課税対象とはならない、としています。
まとめ
- 相続税がかかる財産は、本来の相続財産、みなし相続財産、加算対象期間内の暦年課税の贈与、相続時精算課税の贈与財産などです。
- 名義が違っても、被相続人が資金を出していた預貯金は、被相続人の財産と認められることがあります。口座ごとに事実を確かめて判断します。
- 保険金は、被相続人が保険料を負担した割合に応じてみなし相続財産になります。保険事故が起きていない契約も、権利として計上します。
- 生前贈与は、110万円以下でも、加算対象期間内なら加算します。期間は死亡日で3年から7年へ段階的に変わります。
- 財産の拾い漏れで、申告の要否や税額が変わります。財産目録は、棚卸しチェックリストの順で、拾い漏れがないかを確かめます。
監修
本記事は、公認会計士・税理士の鳥羽卓朗が監修しています。
参考にした法令・資料
- 相続税法:2条・3条(みなし相続財産)・19条(生前贈与加算)・21条の15(相続時精算課税の加算)・22条(評価の原則)
- 国税庁 No.4105 相続税がかかる財産
- 国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
- 国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
- 国税庁 No.4108 相続税がかからない財産
- 国税庁 No.4205 相続税の申告と納税
- 国税庁 誤りやすい事例集 ⑥ 被相続人以外の名義の財産(預貯金)
- 国税庁 誤りやすい事例集 ⑦ 所得税の準確定申告書を提出し、還付金を受領している場合
- 国税庁 誤りやすい事例集 ⑧ 未支給年金・遺族年金
- 国税庁 誤りやすい事例集 ⑨ 保険事故が発生していない生命保険契約(契約者が被相続人)
- 国税庁 誤りやすい事例集 ⑩ 保険事故が発生していない生命保険契約(契約者が相続人)
- 国税庁 誤りやすい事例集 ⑭ 被相続人が亡くなる前3年以内の贈与財産
- 国税庁 質疑応答事例 支払期日未到来の既経過家賃と相続財産
- 国税庁 質疑応答事例 未支給の国民年金に係る相続税の課税関係
- 国税不服審判所 公表裁決事例 平成28年11月8日裁決
- 税務大学校 講本 相続税法(基礎編)令和8年度版:第3章(香典)
この記事は2026年10月時点の法令・通達に基づいて書いています。
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